本誌特別調査
2017年度 部長・課長・係長クラス・一般社員の
ホワイトカラー職種別賃金調査
13職種に見る最新実態と諸格差の動向
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年間賞与の平均額と分布状況[図表1、3]
部長は255万~340万円、課長は205万~266万円、係長クラスは151万~186万円、一般社員は98万~125万円
年間賞与は各企業や個人の業績を反映するため、月例給与よりバラつきが大きいのが特徴である。以下では職位別に、職種ごとの年間賞与を全対象者の平均額で見ていく。
部長
最低の「〈3〉営業」254.5万円~最高の「〈8〉研究」339.9万円まで約85万円の差があり、水準は250万~340万円程度となっている[図表1]。分布を見ると[図表3]、「50万円未満」から「500万円以上」まで幅広く分散している。最頻値が属する階級を見ると、調査対象13職種のうち、「250万~300万円未満」から「350万~400万円未満」に12職種が分布している。
課長
最低の「〈3〉営業」204.9万円~最高の「〈8〉研究」265.8万円まで、最低・最高間の格差は約61万円と部長より小さくなっている[図表1]。金額の高い順に見ると、「〈8〉研究」以下、「〈13〉購買・資材調達」246.6万円、「〈5〉法務・特許」243.5万円などとなっている。分布を見ると[図表3]、最頻値としては「200万~250万円未満」と「250万~300万円未満」に合わせて11職種が集中している。
係長クラス
最低の「〈4〉財務経理」150.5万円~最高の「〈8〉研究」185.5万円まで、金額差は35万円となっている[図表1。金額の高い順では「〈8〉研究」以下、「〈13〉購買・資材調達」179.3万円、「〈5〉法務・特許」172.5万円などとなっている。分布を見ると[図表3]、「100万~150万円未満」と「150万~200万円未満」に13職種すべての最頻値が集中している。
一般社員
最低の「〈7〉総務・庶務」98.1万円~最高の「〈8〉研究」124.9万円まで、金額差は約27万円となっている[図表1]。分布を見ると[図表3]、「100万~150万円未満」に13職種すべての最頻値が集中している。
◎調査名:「2017年度職種別賃金実態調査」
2. 調査目的:
ホワイトカラーの職種別賃金を調査したデータが少ない中、職種(職務)・職位別にその水準を調べ実態を明らかにする。
3. 調査対象:
全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業も含む)3831社と、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上)931社の合計4762社。ただし、持ち株会社の場合は主要子会社を対象としたところもある。
4. 調査時期:
2017年9月4日~11月6日
5. 集計対象:
前記のうち回答のあった170社について集計。
5. 集計対象:
前記のうち回答のあった170社について集計。
6. 調査項目の説明:
前記のうち回答のあった170社について集計。
[1]賃金の種類:本調査は実態調査であり、モデル賃金ではなく実在者賃金を対象とした。
[2]記入対象:正社員のみ。
部長・課長は部下のいる組織長のみを対象とし、担当部長・担当課長など専任職・専門職の職位者、兼務役員、執行役員、このほか嘱託・再雇用者は対象外とした。出向者については自社が給与を全額支給している者のみ対象に含めた。複数の職務を兼務する者については、従事する時間が長いなど、相対的にウエートの高い職務で回答いただいた。休職者、期中に異動または職務の変更があった者、期中の中途採用者、適用される賃金制度が期中に変更になった者などは除外した。
[3]賃金の定義
賃金の支払い形態が月例給与+年間賞与の場合
1/月例給与:2017年賃上げ後のもの。諸手当を含むが通勤手当・時間外手当は除く。
2/年間賞与:2016年年末賞与および2017年夏季賞与の実績合計額。期末手当や決算賞与、奨励手当等の名目で支給された一時金も含む。
3/年収:2017年度賃上げ後の月例給与×12+2016年年末賞与+2017年夏季賞与で算定。
[4]平均・最高・最低の判断基準
同一職務に対象者が1人の場合は「平均」のみ計上。複数いる場合は該当者全員の平均を回答いただいた。また、同一職位対象者のうち、年収額(年俸額)が最も高い者を最高年収(年俸)者、最も低い者を最低年収(年俸)者とした。そのため、各社に記入していただいた最高年収者・最低年収者の「年齢・月例給与・年間賞与」データはそれぞれ同一人のものとなっている。
[5]職種(職務)の定義
いずれも主たる業務としている場合であり、従たる業務は何かは問わない。
職種(職務)の定義
[6]職位の定義
職位の定義
7. 算出方法:
集計結果は、すべて会社ごとの数値を単純平均によって算出した。従業員数や対象人数による加重平均は用いていない。
8. 集計結果利用上の留意点:
[1]調査項目の一部のみ記入のあった企業についても集計を行ったため、項目によって集計社数が異なる。
[2]「平均」「最高年収者」「最低年収者」の各項目の数値は、年齢・月例給与・年間賞与・年収それぞれについて単純平均を行ったものである。
[3]年収については、「月例給与×12+年間賞与」の算式で1社ごとに算出したものを平均した。このため、集計結果表において「月例給与×12+年間賞与」で算出しても、表示の年収値とは必ずしも一致しない。
[4]集計社数の少ないケースでは、当該職種(職務)の実態を表さない場合もあるので留意を要する。
[5]集計(回答)企業は毎回異なるため、前回調査結果と比較する際には留意を要する。
注)*ここでは、一般財団法人労務行政研究所が行った(調査期間:2017年9月4日~11月6日)「2017年度職種別賃金実態調査」をもとに、『日本の人事部』編集部が記事を作成しました。詳細は『労政時報』第3944号(2018年1月12日発行)に掲載されています。
◆労政時報の詳細は、こちらをご覧ください → 「WEB労政時報」体験版
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