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HR調査・研究 厳選記事 掲載日:2018/02/09

平成29年度最低賃金、今年も大幅な引上げ~改定の影響は?

最低賃金の影響が、より大きくなると……

それでは、最低賃金の影響が大きくなり続け、支払える賃金の上限に近くなっていくと、どうなるでしょう。

■図4 募集時賃金額の推移(平成21年1月~平成29年4月)

図4 募集時賃金額の推移(平成21年1月~平成29年4月)

東京都の給食調理・調理補助の賃金の推移です。

先程と同じく、25%ile値が最低賃金に追い付かれるまでは、大きな変化はありません。募集時の賃金が、最低賃金に抵触するようになると、最低賃金の上昇に合わせて下位層の賃金が上昇していきます。そして平均値も上昇を始めます。ここまでは先程同じような動きと言えます。

さらに最低賃金の上昇が進み、募集時賃金の上位層との下位層の幅が縮小を続け、25%ile値と50%ile値が同レベルの賃金額になり、最低賃金と同レベルの募集が約半分に達するという厳しい状況となります。

やがて、その状況下から、少し高めの賃金設定で募集を行なう企業が出始め、一旦、上位層と下位層の賃金額の幅は広がります。しかし、最低賃金の上昇とともに、再び賃金分布の幅が縮小をはじめ、賃金額での競争優位な状態を作ることが難しい状況になっていく事を繰り返しています。

このような動きが過去、平成23年10月頃、平成25年10月頃に生じています。平成29年春時点で、過去と同じ状況に近づいていますので、29年の秋の最低賃金の改定により賃金の分布が一段上昇する可能性も高いと考えられます。

25%で上昇、50%でスライド

このように、職種(業界)や地域の状況によって最低賃金の影響は様々ですが、もともと賃金額があまり高くはなかった職種・業界で、その影響は大きくなってきています。

賃金分布の4分の1が最低賃金に抵触してくるような状況から、平均賃金の上昇がみられ、半分近くに影響が及ぶようになると、賃金分布自体がスライドし、職種(業界)全体の賃金が上がっていく事例が見受けられました。

今年も昨年に引き続き、大幅な引上げとなる見込み。今後、このような動きは、都心地域から地方へ、また様々な職種(業界)へ広がっていきそうです。

本コラムで使用した資料「募集時賃金額の推移」は以下から閲覧できます ⇒東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県の集計結果

<パート戦力化に関する取材記事は、人と仕事研究所WEBサイトで検索・閲覧できます> TOP ⇒ コラム/取材記事 ⇒ 現場イズムバックナンバー

アイデム人と仕事研究所は、求人媒体を発行する株式会社アイデムの研究部門です。アイデムは1970年に創業して以来、「人材採用」の側面から、企業経営のサポートをしてまいりました。そうした活動のなかで人と仕事研究所は、「採用後の人材を活かし、企業力を高めていただく」ための、各種情報・サービスの提供を行い続けてきています。 パート・アルバイトの活用を目的に調査・分析を行う「パートタイマー白書」や、人事マネジメントの成功事例記事、募集時賃金を集計し、その動向を伝える各種レポートなど。いずれの情報・サービスも、求人媒体事業を通じ、大手企業とは異なる“中小企業の「人」に関する課題”をつかむアイデムならではの、実践的な内容を旨としています。 詳細はこちらをご覧ください→アイデム人と仕事研究所

文/岸川 宏(きしかわ ひろし) アイデム人と仕事研究所 所長/社会保険労務士 大学卒業後、リゾート開発関連会社へ入社。飲食店部門での店舗運営を経験後、社会保険労務士資格を取得。社会保険労務士事務所にて、主に中堅・小規模企業の労務相談、社会保険関連手続きに従事した。 1999年、アイデム人と仕事研究所に入社。労働環境の実態に迫る情報提供を目指し、社内・外への情報発信を続けている。2015年4月より現職。

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