人事担当者に聞いた ミドル社員の処遇と活躍支援に関するアンケート
人員的に40〜54歳が過剰で、今後は「仕事内容に応じた処遇」が課題となる
3 ミドル社員の課題と活躍支援策
課題と施策の実施状況[図表14〜15]
“本人の意欲” が課題。施策の実施状況では、「本人の希望を把握し、人事異動に反映する」が多い
ミドル社員の仕事や処遇に関する課題について、以下の四つについて、当てはまるかどうかを尋ねた[図表14]。
(1)人事処遇制度に問題があり、賃金の水準が業績や成果・貢献度と比べて高い
(2)担当職務と本人の希望・適性にミスマッチが起きている
(3)ミドル社員のスキルや体力の衰えといった “本人の能力・資質” に問題がある
(4)ミドル社員のモチベーションの低下といった “本人の意欲” に問題がある
肯定的な回答(「かなり当てはまる」と「やや当てはまる」の合計)が多かったのを規模計で見ると、「(4)ミドル社員のモチベーションの低下といった “本人の意欲” に問題がある」が44.4%、「(3)ミドル社員のスキルや体力の衰えといった “本人の能力・資質” に問題がある」が37.6%となった。「(1)人事処遇制度に問題があり、賃金の水準が業績や成果・貢献度と比べて高い」は33.8%、「(2)担当職務と本人の 希望・適性にミスマッチが起きている」は30.8%だが、(1)〜(3)については、1000人以上が他の規模と比べて「やや当てはまる」に多く回答する傾向が見られた。
ミドル社員の活用に向けた施策の実施状況で、「実施しており、一定の効果があった」施策で回答割合が高い順に見ると、「自己申告制度によって本人の希望 を把握し、人事異動に反映する」が20.3%、「各人の能力・経験を可視化し、適性に合う職務に再配置する」が12.8%となっている[図表15]。
一方、実施しているが、あまり効果はない施策は(「実施しているが、あまり効果はなく、見直しが必要」と「実施しているが、あまり効果はなく、廃止の方 向」の合計)、「自己申告制度によって本人の希望を把握し、人事異動に反映する」が25.6%、「各人の能力・経験を可視化し、適性に合う職務に再配置す る」が11.3%となっている。自己申告制度と適性に合った再配置は、各社の風土や事情にもよるが、功罪相半ばする施策といえよう。
なお、「今後、実施を検討したい」施策として多いものは、「各人の能力・経験を可視化し、適性に合う職務に再配置する」が36.8%、「新たな職務開発、職域拡大を推進する」が33.8%という結果になった。
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