東証プライム上場企業の2022年
年末一時金(賞与・ボーナス)の妥結水準調査
全産業184社ベースで78万6945円、対前年同期比8.5%増
年末一時金としては2018年以来4年ぶりに増加
労務行政研究所
民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(理事長:猪股 宏)では、東証プライム上場企業を対象に、主に年間協定ですでに決定している2022年年末一時金の妥結水準を調査し、支給水準は184社、支給月数では188社について集計した(2022年9月14日現在)。
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2022年年末一時金の支給水準
東証プライム上場企業の全産業ベース(184社、単純平均)で78万6945円、対前年同期比で8.5%増となった。産業別に見ると、製造業は同10.3%増、非製造業は同1.9%増と差がある(下表および[図表1])。 -
妥結額の推移
各年9月時点の集計で見た年末一時金妥結額は、2019年の74万7808円(対前年同期比0.1%減)以降、コロナ禍の影響で2020年に74万3968円(同3.2%減)、2021年に71万5553円(同1.9%減)と3年連続のマイナスであったが、2022年は78万6945円(同8.5%増)と2018年以来4年ぶりに増加した[図表2~3]。 -
妥結月数の水準
全産業188社の平均で2.56カ月。同一企業で見た場合、前年同期(2.34カ月)を0.22カ月上回った。最高月数は5.02カ月と前年同期(3.80カ月)を上回り、最低月数も0.75カ月で前年同期(0.60カ月)を上回る[図表4]。
※本調査の詳細は、労務行政研究所編集の『労政時報』第4043号(22.10.14)で紹介します。
[1]2022年年末一時金の支給水準
2022年年末一時金の支給水準は、東証プライム上場企業の全産業ベース(184社、単純平均)で78万6945円、同一企業で見た前年の妥結実績(72万5289円)と比較すると、金額で6万1656円増、対前年同期比で8.5%増となった[図表1]。
[2]年末一時金妥結額の推移
年末一時金について妥結額の推移を見ると、2018年は75万3389円(対前年同期比3.9%)と増加していたが、2019年に74万7808円(同0.1%減)とマイナスに転じた。その後、コロナ禍の影響で2020年は74万3968円(同3.2%減)と減少幅が拡大し、2021年には71万5553円(同1.9%減)と3年連続の減少となった[図表2]。しかし、コロナ禍によるマイナスの影響が徐々に薄らぎ、国内景気が緩やかな回復基調にあることから、2022年は78万6945円(同8.5%)と2018年以来4年ぶりの増加に転じた(夏季一時金の推移については[図表3]を参照)。
[3]2022年年末一時金の支給月数
年末一時金の支給月数は、188社の平均で2.56カ月となり、同一企業で見た場合の前年同期(2.34カ月)から0.22カ月の増加となった[図表4]。なお、個別企業の状況を見ると、月数の最高は5.02カ月(前年同期3.80カ月)、最低は0.75カ月(同0.60カ月)で、ともに増加している。
産業別に見ると、製造業の平均支給月数は2.65カ月で前年同期の2.40カ月から0.25カ月増えており、非製造業も2.16カ月と、前年同期の2.09カ月から0.07カ月の微増となっている。
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調査対象
東証プライム上場企業(2022年8月31日現在で1836社)のうち、原則として労働組合が主要な単産に加盟している企業。持株会社が東証プライム上場企業の場合、その主要子会社は集計対象としている。なお、図表中の「商業」は卸売業、小売業。「情報・通信」には、IT関係のほか、新聞、出版、放送を含む。[図表1、4]の業種分類は、東洋経済新報社『会社四季報』をベースとしている -
集計社数
2022年春季交渉、もしくは同年夏季交渉時までに、主に年間協定で2022年の年末一時金を決定している企業(組合)で、当研究所が結果を把握した184社(月数集計は188社) -
集計対象範囲
「2022年年末」「2022年夏季」「2021年年末」の三者の金額または月数が把握できた企業。原則として組合員1人当たり平均。ただし、一部「年齢ポイント」「標準労働者」「全従業員平均」による妥結額・月数も集計に含む -
集計⽅法
単純平均(=各社の1人当たり平均を単純に足し上げ、集計社数で除した) -
調査時期
2022年3月16日~9月14日 -
調査方法
主要単産に取材し、各単組の妥結データを収集した
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