人事担当者に聞いた ミドル社員の処遇と活躍支援に関するアンケート
人員的に40〜54歳が過剰で、今後は「仕事内容に応じた処遇」が課題となる
1 年齢別、役職別に見たミドル社員の状況
年齢階級別の人員構成状況[図表1〜3]
40〜54歳のミドル層が相対的に多い
5歳ごとに区切った年齢階級別に人員構成の状況を尋ねたところ、40〜54歳のミドル社員は相対的に「多い」と回答する傾向にあった[図表1]。
「多い」と回答した割合(「かなり多い」と「やや多い」の合計)は、40〜44歳で55.6%、45〜49歳で60.2%、50〜54歳で46.0%となっており、40〜49歳では過半数の企業が多いと認識している。
一方、29歳以下の若年層では、逆に「少ない」傾向にあり、「少ない」と回答した割合(「やや少ない」と「かなり少ない」の合計)は25歳以下が65.4%、26〜29歳で57.9%となった。
それぞれの回答に、「かなり多い」=5点、「やや多い」=4点、「適正」=3点、「やや少ない」=2点、「かなり少ない」=1点として得点を与え、その平均点を算出したのが[図表2〜3]で ある(適正の3.00点より数値が高ければ「多い」を表し、3点より数値が低ければ「少ない」ことを表す)。平均点が最も高かったのは45〜49歳で 3.62点、以下、40〜44歳で3.56点、50〜54歳で3.24点と続く。バブル経済期に入社した45〜49歳が最も高く、就職氷河期と言われた時 期に入社した35〜39歳で2.88点と適正とされる3.00点を割り込んでいる。
45〜49歳を規模別で見ると、1000人以上で4.00点、300〜999人3.49点、300人未満3.47点と規模が大きいほど、平均点が高い、すなわち、人数が多くなっている。
65歳までの雇用確保が求められる中、40〜49歳の社員は企業内でのボリュームゾーンになっており、今後65歳に達するまでの期間の処遇や担当する職 務の問題は、企業経営において解決すべき重要な課題になってくる。さらには、そうしたボリュームゾーンの社員がリタイアした後の組織運営も潜在的な課題といえるだろう。
役職別の増減予測[図表4〜5]
63.2%の企業が管理職にコース区分を設置。4割強が5年後のスタッフ管理職の増加を予測
管理職について部下を持つライン管理職と部下を持たないスタッフ管理職というコース区分を設けている企業は63.2%[図表4]。規模別に見ると、規模が大きくなるほど設置割合が高い(1000人以上67.6%、300〜999人62.7%、300人未満60.0%)。産業別では、製造業が73.8%に上り、非製造業を20ポイント近く上回っている。
5年後のミドル社員における管理職のコース別の増減予測を尋ねたところ、部下を持つライン管理職は「横ばいで推移」が67.7%、部下を持たないスタッ フ管理職では「やや増加する」が44.0%、非役職者のミドル社員は「横ばいで推移」が42.9%でそれぞれ最多となった[図表5]。
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