ASTD2013 International Conference & Expo
2013年5月19日~22日に、米国テキサス州ダラスにて、「ASTD2013 International Conference & Expo」が開催されました。ASTD International Conference & Expo(ASTD国際会議)は、Workplace Learning & Performance(職場における学習・パフォーマンスの向上)に関する世界最大の会員制組織であるASTD(American Society for Training & Development)が年に一度開催している国際会議です。このコンファレンスでは、米国だけでなく、世界各国から集まった先駆的企業や教育機関・行 政体のリーダーたちが、現在直面している諸問題にどのように取り組んでいるかを企業の枠を超えて学び合います。本レポートでは、イベントの模様をダイジェ ストでお伝えいたします。
ASTD2013 International Conference & Expo の概要報告
■ASTDとは
ASTDは、American Society for Training & Developmentの略称で、企業や政府などの人材開発・組織開発の支援をミッションとし、米国ヴァージニア州アレクサンドリアに本部を置く会員制組織です。設立は1944年で68年もの歴史があり、世界約100カ国以上の国々に約40,000人の会員を持つ、人材開発&トレーニングに関する世界最大級の組織です。
■ASTD International Conference & Expo(ASTD国際会議)とは
ASTD International Conference & Expo(ASTD国際会議)は、ASTDが年に一度開催している人材開発や組織開発に関する世界最大級のイベントです。先駆的企業の組織・人材開発に関する実践事例や、これからの組織・人材開発のあり方など、最新の情報に触れることができます。2013年は、テキサス州ダラスにて開催。4日間で281ものセッションが開催され、米国だけではなく欧州、アジア、中東など世界87ヵ国から9,000人以上の方々が参加しました。
■ASTD2013 International Conference &Expo開催概要
テーマ | Content, Community, Global Perspective (コンテンツ、コミュニティ、グローバルの視点) |
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日程 | 2013年5月19日(日)~22日(水) |
場所 | 米国テキサス州ダラス ダラス・コンベンション・センター |
セッション数 | 281件(延べ289件)
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基調講演 |
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コンテント・トラック (8カテゴリー) |
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インダストリー・トラック (3カテゴリー) |
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■ASTD2013 International Conference &Expo開催実績
・参加人数:9,000名以上
・海外からの参加:2,200名
・参加国数:87ヵ国
・参加者の多い国の状況:韓国…387名、カナダ…235名、中国…172名、日本…128名、ブラジル…110名
※参考 過去の実績
2012年 | 9,000名 |
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2011年 | 8,500名 |
2010年 | 8,000~9,000名 |
2009年 | 8,000名 |
2008年 | 10,000名 |
2007年 | 9,300名 |
韓国 | 384名 |
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カナダ | 188名 |
中国 | 175名 |
日本 | 146名 |
ブラジル | 110名 |
2012年 | 2011年 | 2010年 | |
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韓国 | 384名 | 451名 | 390名 |
カナダ | 188名 | 214名 | 202名 |
日本 | 146名 | 119名 | 103名 |
世界中から集まった人と共に学び、交流する場
今年の会場となったダラス・コンベンションセンターは、ダラス中心街、ケネディ大統領暗殺現場の近くに位置しています。5月でも気候は日本と比べて蒸し暑く、夜になっても半袖で出歩けるほどでした。
コンファレンス会場はとても大きく、端から端まで歩くのに10分はかかりそうなほどで、いたる所に道案内をしてくださるボランティアの方が立っていました。会場内に設置されたブックストアでは、セッション・スピーカーの著書や、ASTDの出版物が購入できます。各基調講演の後にはサイン会も催され、ブックストアの外の廊下まで続く長い列ができていました。また、海外からの参加者同士が交流できる場として、グローバル・ビレッジが設けられています。中に入ると、大きな世界地図があり、参加者が自分の名刺を貼り付けることができるようになっていました。今年はASTDの70周年であるため、お祝いのコメントを掲示するボードも用意されており、ASTDの長い歴史が感じられました。グローバル・ビレッジでは、世界各国から来た参加者がコーヒーやスナックを片手に会話したり、写真を撮影したりして、交流の輪を広げていました。
コンファレンスのセッションは、ジェネラル・セッション(基調講演)とエデュケーショナル・セッションに分かれています。エデュケーショナル・セッションは、1日三つのスロット(時間枠)が設けられており、その時間帯に行われるセッションだけでも数十にわたります。自分の興味あるセッションを選び参加しますが、中には途中で退出していくつものセッションに参加する人もいました。人気のあるセッションは、満席のため部屋に入れてもらえないこともあったようです。近くに座っている参加者とグループワークを行うセッションも多くあり、ここでもさまざまな国から来た参加者と互いの知識や経験を交換できる場となっています。また、終了後にスピーカーに個別に質問したり、話を聞く人のための列ができたりしているセッションもありました。
会場内で同時開催されているエキスポでは、多くのトレーニング&ディベロップメントのサービスを紹介するブースが展示されていて、活気にあふれていました。参加者は各ブースを自由に見て回ることができます。熱心にサービスについて質問をしている人も見かけました。
インターナショナル・ボランティア・アウォードでは、定期的な委員会活動や勉強会の開催、そして日本での会員増加が評価され、ASTD日本支部であるASTD Global Network Japanの理事全員が表彰されるといううれしいニュースもありました。
4日間のコンファレンスはあっという間に過ぎましたが、期間中はトレーニング&ディベロップメントにかかわる多くの人々と交流することができました。各セッションや参加者同士の交流をとおして得た新しい知識やネットワークを大いに生かし、それぞれの場所でまた新たな取り組みが生まれるのだと思うと、来年の5月4日~7日にワシントンD.C.で開かれるASTD International Conference & Expo 2014もまた楽しみになりました。