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田中潤の「酒場学習論」
【第10回】船橋「増やま」と人事制度設計のオリジナリティ

株式会社Jストリーム 管理本部 人事部長

田中 潤さん

Jストリーム 人事部長  田中潤の「酒場学習論」

古今東西、人は酒場で育てられてきました。上司に悩み事を相談した場末の酒場、仕事を振り返りつつ一人で呑んだあのカウンター。あなたにもそんな記憶がありませんか。「酒場学習論」は、そんな酒場と人事に関する学びをつなぎます。

かつて私は、非常勤で代表をつとめていた千葉にある子会社のオフィスに、1週間から2週間に1日の割合で勤務していました。長時間の残業はありませんが、職場の仲間には一緒に呑むメンバーがいなかったため、千葉勤務の日はおのずと一人で呑むことになりました。ふらふらと酒場街を歩きながら、千葉、船橋などの素晴らしい酒場をいくつも知りました。今回ご紹介するのは、そんな酒場の一つです。

コの字カウンター、キンミヤ焼酎とホッピーにバイス、ボール、煮込みの大鍋、オーダーを受けたときの独特の調子の掛け声、明るい時間からの営業、壁一面に並ぶ多彩なメニュー、大きな紺色のれん、そして赤ちょうちん……素晴らしい酒場のエッセンスを兼ね備えた酒場です。すでに堂々とした風格の漂う店内ですが、店のオープンは2015年。まだ開店から5年とは驚きです。

大き目の提灯と紺ののれん、いい店を確信させる外観

大き目の提灯と紺ののれん、いい店を確信させる外観

日々繁盛を続けていて、なかなか入店できないことも少なくありませんでした。それでも、新たな客がガラガラと引き戸を開けると、もとからいた客が上手に席を詰めてくれたり、店が常連にカウンターの内側にも席を用意したり。新たな客が来たのをみて常連が会計の声をかけるなど、混んでいるときでも席につけるように工夫してくれるのはいい店の証です。

訪問頻度をあまりあげることができないので、キンミヤのボトルをキープすることもなく、オーナーと懇意になることもありませんでしたが、酒場好きの心をひきつける店でした。現在は、船橋駅の逆側に大箱の「増やま本店」をオーブンするなど、すでに5店舗を展開する勢いのようです。オーナーは船橋の名酒場である「一平」出身とのことですが、「一平」も素晴らしいコの字カウンターを擁し、壁中を多彩なメニューが埋め尽くす名店です。

大きな煮込み鍋の向こうには、美しきキンミヤ・プルー

大きな煮込み鍋の向こうには、美しきキンミヤ・プルー

はじめてお邪魔したときは、まったくの通りすがりで、予備知識ゼロでした。大き目の赤ちょうちんと紺色ののれんという外観に、ただひかれたのです。がらりと引き戸をあけると、そこにはコの字カウンターと壁いっぱいに表示されたメニュー。この時点で期待感は高まります。

入口近くの席に座ると、目の前には大きな煮込み鍋。その向こうのカウンター下に居並ぶのは、キンミヤ焼酎の鮮やかなブルーのボトルの大群です。ホッピーにバイスという、酒呑みにはうれしい割り材がカウンターのお客の前に居並びます。まったくもって、酒場好きの心を訴求します。面白いものです。一つひとつの要素はいずれも、すでにどこかの酒場にあるもの。「一平」から直接インスパイアされたものもあるでしょう。しかし古典酒場をまねた、よくあるネオ大衆酒場とは一線を画した本物感が不思議とここにはあります。

私の知る限り、この店の煮込みは日本で一番ハチノスの含有率が高い。よくある素晴らしい酒場のエッセンスを取り込んでいるのですが、借り物のようにぎこちなかったり、作られた感じがしたりすることはありません。そこには「増やま」ならではのオリジナリティが強く感じられます。あまりにも自然過ぎて言語化することすら容易ではないオリジナリティ、そしてコの字カウンターの古典酒場的な安心感。それがこの店の魅力なのだと思います。開店早々からそういう印象がありましたから、これはもう本物です。

コの字カウンターのセンターで、ハチノスたっぷりの煮込みをいただく

コの字カウンターのセンターで、ハチノスたっぷりの煮込みをいただく

中小企業の経営サポートに奔走されている、株式会社武蔵野 代表取締役の小山昇さんの言葉に「真似は最高の創造。3年やればオリジナル」というものがあります。私はこの考え方が好きです。他者のまねをすることは悪いことではありません。いいところは真摯に取り入れる。真剣に自分の想いをもって取り入れれば、そこには必ずオリジナリティが生まれるはずです。

さて、人事制度設計の話に移りましょう。

先日、『日本の人事部』が主催するイベント「HRカンファレンス」で、「従業員の副業・兼業をいかに推進し、その効果を引き出すのか~多様な働き方が人と企業を活性化する」というパネルディスカッションに登壇し、多くの企業の人事部の方に熱心に聴講していただきました。副業解禁を明示した企業や、副業制度を導入する企業が増えています。

新たな制度導入を考える場合、先行他社を研究するのは常套手段です。聴講された皆さまのアンケートを拝見する限り、自社の副業制度を検討するミッションを担っている方も少なくなかったようです。

新たな人事制度を検討するときは、適切なベンチマークを設定して、その企業の制度を調査し理解することが重要です。世の中にすでに「知」があるのであれば、その「知」を上手に活用することは恥ずかしいことでもなんでもありません。アイデア自体に著作権は成り立ちませんから、他社のアイデアを活用することに何ら問題はありません。

しかし、制度は単独では機能しません。導入する企業の風土、社員感情、他の制度との整合性などの要素が大きく左右します。もしもまねから検討を始めたとしても、真剣に自社に合う制度を考え抜くプロセスを経ることによって、必ずその制度はオリジナリティを持ったものになるはずです。単によそで成功しているものをパクっただけでは、決してその制度は機能しません。

揚げ物をアテにホッピーをいただく至福の時

揚げ物をアテにホッピーをいただく至福の時

「増やま」のコの字カウンターで、ハチノスいっぱいの煮込みと揚げ物をアテにして、キンミヤの焼酎をホッピーやバイスで割って飲み続けながら、そんなことを考えます。「増やま」がネオ大衆酒場的な雰囲気を一切感じさせずに船橋の街になじんだのは、いろいろな店のエッセンスを学びながら、自分の店をこんなふうにしたいという思いがしっかりとあったからなのではないか。だから新しい店であるにもかかわらず、古典酒場のエッセンスを感じさせてくれるのでしょう。

日本中の企業がこの春から大慌てでテレワークに取り組みました。そして今は、これからテレワーク制度をどうするのか、各社で本気の検討が始まっています。何も考えずに元に戻したり、安易に他社のマネをしたりするようでは絶対にうまくいきません。他社の情報をしっかりと調査・研究しながら、自社の風土や社員感情、事業特性、立地、設備、他の制度との整合性などを十分に考える必要があります。そして、本気で自社ならではの制度を作ろうとする意思と、徹底的に知恵を絞るプロセスが何よりも大切です。そのような想いなくして、繁盛店は生まれないと思います。繁盛店にはオーナーの想いがこもっています。


田中 潤さん(株式会社Jストリーム 管理本部 人事部長)
田中 潤
株式会社Jストリーム 管理本部 人事部長

たなか・じゅん/1985年一橋大学社会学部出身。日清製粉株式会社で人事・営業の業務を経験した後、株式会社ぐるなびで約10年間人事責任者を務める。2019年7月から現職。『日本の人事部』にはサイト開設当初から登場。『日本の人事部』が主催するイベント「HRカンファレンス」や「HRコンソーシアム」への登壇、情報誌『日本の人事部LEADERS』への寄稿などを行っている。経営学習研究所(MALL)理事、慶応義塾大学キャリアラボ登録キャリアアドバイザー、キャリアカウンセリング協会gcdf養成講座トレーナー、キャリアデザイン学会代議員。にっぽんお好み焼き協会監事。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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この記事ジャンル 能力開発関連制度

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