組合要求に応えるべき範囲について
お世話になっております。合併によりこれまでなかった労働組合が社内にできました。
以降、組合は様々な情報、数字の提出を要求してきます。
この冬の賞与支給率要求のために、グループ会社も含めた決算書、月次、損益計算書など
さらに、全従業員(被組合員含む)の賃金データ(基本給や手当、出勤率など)の
提出も要求してきています。
これまで弊社では社外組合と交渉はありましたが、従業員による組合は初めてになります。
一般的に上記のようなデータはどの企業様も組合に提出しているのでしょうか。
基本的な事柄で申しわけありません。ご教示いただけましたら幸いです。
宜しくお願いします。
投稿日:2015/10/26 21:11 ID:QA-0063994
- 胡麻柴さん
- 大阪府/販売・小売(企業規模 501~1000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、決算書、月次、損益計算書などに関しましては経営に関わる文書になりますので、通常開示する義務はないものといえます。「冬の賞与支給率要求」の為という事ですが、あくまで「要求」に過ぎず基本的に会社側が就業規則に基づき決められる問題ですので、その為に情報開示する必要性はないものといえます。
全従業員の賃金データにつきましてはある程度開示される方が交渉をスムーズに行う上でも望ましいでしょうが、重要な個人情報になりますので、少なくとも個人を特定できない形(役職・性別・年齢程度の開示にとどめる)で示されるべきです。
但し、御社が大幅な賞与の減額を考えている場合ですと、その根拠を示す為に経営データに関しましても必要に応じて開示すべきと考えるべきでしょう。
ちなみに、労働組合との間で双方が署名した書面については労働協約となり就業規則より優先して適用されますので、納得の行かない内容に関しましては安易に書面記載をされない事が重要です。
投稿日:2015/10/27 10:48 ID:QA-0064001
相談者より
いつも詳細なご説明をいただきありがとうございます。合併前はなんでお言われるままに資料を出していたようでそれが今の要求につながっているようです。慎重に対応しだせるものそうでないものをきちんと精査したいと思います。ありがとうございます。
投稿日:2015/10/27 14:48 ID:QA-0064011大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
経営影響の高いもの、企業機密に関するものなどは提出する必要はない
▼ 合併により新会社内に出現した労組は、新会社の担当部署が労組対応に不慣れであることを逆用して、無理を承知でごり押し要求している印象を受けます。
▼ 組合の一義的な役割は、労働条件の維持・向上にあり、提出資料も、それに直接必要なものに限定すべきです。経営に重大な影響を及ぼすおそれのあるもの、企業機密に関するものなどは提出する必要はありません。
▼ その具体的な線引きは、PLやBSなど、一時金、ベア交渉の過程で提出する必要があると言ったところですが、実際には、労使間の信頼関係の構築程度に左右されるのも事実です。感情論ではなく、双方が、誠実交渉義務を忠実に守ることが前提になります。
▼ 因みに、最後部の他企業の状況ですが、「経営に重大な影響を及ぼすおそれのあるもの、企業機密に関するものなどは提出しない」との原則に基づき、具体的取扱いは、個別企業で判断されています。
投稿日:2015/10/27 12:43 ID:QA-0064005
相談者より
詳細なご説明をありがとうございます。
合併前は要求したものはすべて出していたようでその資料がなぜ必要なのか、データがどう使われるのか精査することなく言われるがままだったようです。きちんと確認し、提出できるものできないものをしっかりと把握し対応したいと思います。
どうもありがとうございました。
投稿日:2015/10/27 14:51 ID:QA-0064013大変参考になった
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