退職に関するにペナルティ条項を盛り込んだ雇用契約の可否
薬剤師を斡旋会社を介して採用する場合、年収の3割程度を成功報酬として支払わなければなりませんが、半年後とか1年後にやめられてしまうとそれがまったく無駄になってしまいます。そこで、雇用契約を交わすときに、たとえば1年以内に自己都合でやめた場合に相当程度のペナルティを支払ってもらうというような雇用契約を交わすことは可能でしょうか。もしくは何か別の対処方法はあるでしょうか。
投稿日:2014/04/10 09:19 ID:QA-0058436
- 走馬さん
- 青森県/商社(専門)(企業規模 101~300人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
雇用契約を結ぶときに「あらかじめ」違約金や損害賠償を規定することは労基法16条で禁止されています。職業選択の自由に抵触するからです。
対処方法として、一番に検討すべきは、
斡旋会社と話し合いで成功報酬の支払い方を、分割にしてもらい契約することです。
その他、例えば1年の有期契約にするという方法もあります。雪契約の場合にはよほどのことが
ない限りお互いに途中の契約解除はできませんし、その時点で発生した損害を請求することも可能です。ただし、損害賠償額の妥当性は会社が立証しなければなりませんし、裁判になりますと
時間や経費が発生します。
投稿日:2014/04/10 10:18 ID:QA-0058437
相談者より
ご回答、感謝いたします。
斡旋会社と交渉してみたいと思います。また、薬剤師との雇用契約は従来より1年の有期契約にしておりましたが、中途解約が出来にくいということは知りませんでした。誠に参考になりました。ありがとうございます。
投稿日:2014/04/10 11:56 ID:QA-0058444大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、労働基準法第16条におきましては「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と定められています。この内容は労働者の不当な拘束を防止し職業選択の自由を確保する為に定められているものといえます。
それ故、文面のようなペナルティにつきまして、少なくとも金額を定めることは出来ません。また、実際に労働者が退職した事による具体的な損害があれば、敢えて雇用契約に盛り込まなくとも損害賠償を請求することは可能ですので、そうした法違反の可能性がある内容は原則不要といえるでしょう。
しかしながら、こうした早期退職の可能性はどのような措置を講じましても避けられないものですし、損害賠償にしましても結局は会社側の指導不足等を指摘される等で現実には徴収出来ないケースの方が多いでしょう。
従いまして、人材採用に関わるコストとしまして割り切った上で、紹介の段階で十分精査の上採用されるべきというのが私共の見解になります。
投稿日:2014/04/10 10:55 ID:QA-0058442
相談者より
ご回答ありがとうございます。
ご指摘のとおり、採用時に十分精査するように心がけたいと思います。
投稿日:2014/04/10 13:03 ID:QA-0058447大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
紹介元の期間保証が拠り処
本人との雇用契約で縛ることはできません。 採用後短期間で自己都合離職することを阻止することも困難です。 従って、 紹介元に一定期間内の保証を求めることが残された唯一の防衛手段です。 通常は、 半年なり一年なりの期間保証をし、 それに満たずに退職した場合は、 紹介料の全部ないし一部を返金する旨が契約書に書かれています。 内容は、 紹介会社ごとに可なりバラツキがあります。 「 6カ月間以内の場合、紹介手数料全額返還 」 というシンプルなものから、 「 2週間未満の場合、 全額、 1カ月未満の場合は75% 」 といった超短期間保証。 それに、 「 1カ月以内は全額、 以降、 2カ月以内は9割、 ・・・ 10カ月以内は1割 」 といった細分化型などです。 この辺をシッカリ抑えることに尽きると思います。
投稿日:2014/04/10 12:34 ID:QA-0058446
相談者より
ご教授ありがとうございます。
ご指摘の件につき、関連部署にて検討させていただきます。
投稿日:2014/04/10 13:04 ID:QA-0058448大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
紹介会社との交渉が現実的
本人が短期で退職する理由はさまざまで、これに損害賠償を課すことは出来ません。したがいまして、人材会社(紹介会社)と、紹介フィーについて話し合うのが現実的でしょう。今は業界が活況なので、返金規定(リファンドポリシー)を確認し、率が良いところを選ぶ、あるいは現在使っている会社と交渉をすることになります。ただし、薬剤師人材は基本的に圧倒的売り手市場なので、交渉を飲むかどうかは何とも言えません。
投稿日:2014/04/10 21:56 ID:QA-0058459
相談者より
ご回答、感謝いたします。
ご指摘の件、斡旋会社に打診してみたいと思います。ただ、事前にもらった契約書を見る限り、交渉は難しいような気はしますが。
投稿日:2014/04/11 08:37 ID:QA-0058465大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
退職に関する賠償について、労働契約により定めることはできません。
退職に関する賠償について、労働契約により定めることはできません。
(労基法16条、倍賞予定の禁止)そのため、斡旋会社の紹介料に関しては、ご本人との雇用契約の内容変更ではなく、斡旋会社との紹介料を6カ月・12カ月の勤続にかかるものにする等の交渉が必要になります。
また、薬剤師に関しては売り手市場という背景はございますが、転職される際に形式上ではなく、その本当のご理由等を把握されておりますでしょうか。
退職時の面談等を都度行っておられるかとは存じますが、形式上ではなく本当の理由を把握されることは、今後の採用や社内の整備に役立つ点が多くございますので、ぜひともご参照頂きたく存じます。
投稿日:2014/04/14 09:19 ID:QA-0058476
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