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休業手当について

弊社では、関連会社へ在籍出向させている社員がおります。
その出向先との休日日数が異なり、弊社の方が少ない状況です。
出向している社員は、「弊社出勤日/出向先休日」の差分は
①弊社へ当日のみ帰社し、業務を行う。
 (出向先での業務を持ち出せない場合は、弊社での他業務の応援やスキルアップのための教育時間とする)
②出向先より休日出勤の指示があるのであれば、勤怠管理については所定内勤務とする。
③休暇をとるのであれば、年次有給休暇、過日の休日出勤日の代休もしくは成績に影響のない欠勤扱いとする。

となっています。
③の成績に影響のない欠勤は、ノーワークノーペイで当日分の賃金(100%)を勤怠控除として差し引きます。
そして、通常欠勤であれば、昇給・賞与の査定にも影響しますが、この場合は査定には影響させないようにしています。

そこで、疑問に感じているのがこの欠勤扱いの控除が労基法の休業手当の適用に該当しないかどうかです。

夏期休暇に大きな差があり、今までの出向者はほとんどが年休指定をしてきていたのですが、今回、5日分の差すべてを欠勤で指定してきた出向者がおりますため、1ヶ月の給与のほぼ1/4にあたる額を控除してしまってもよいものかどうか不安になってしまいました。
①で会社は別の業務や教育時間を設けている以上、使用者の責とは考えなくてもよいものなのでしょうか?

ご教示、よろしくお願い申し上げます。

投稿日:2006/07/31 09:29 ID:QA-0005582

*****さん
茨城県/その他業種(企業規模 31~50人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答3

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

出向に伴う労働条件の差異(1)

文字数の関係で2部に分けます。
PART 1
■「出向」とは出向元と出向先の両方で二重の労働関係が成立するものです。労働者にとっては、(A)「出向元との間の労働契約」と(B)「出向先との間の労働契約」の二重の労働契約が成立することになります。もちろん、三者関係ですので、(C)「出向元/出向先間の出向契約」が結ばれることが前提になります。今回は、休日数および夏期休暇日数にについて、(B)が(A)を上回る部分を、出向元レベルに引き下げるための措置の合理性、妥当性についてのご相談と理解いたします。
■①~③の措置には、それぞれ工夫の跡が窺がわれますが、① 単発的、散発的に出向元に出社しても、一日限りの応援業務や教育実施が効果的に準備できるとは思えないこと、② 本人の意向とは無関係(出向先より休日出勤の指示)に、所定内勤務或いは欠勤の扱いとなること、③ 成績不反映としても賃金控除の対象となることなど、労基法精神に鑑み、限りなく大きいグレーゾーンが感じられます。更に、出向先によっては、(B)が(A)を下回る場合の措置の逆の観点からグレーゾーンが発生しているかも知れません。今回は、就業日数、夏期休暇日数が対象ですが、所定就労時間の差も発生しますので、それに対する目配りも必要です。お問合せの休業手当への該当ですが、少なくとも労働者の責に帰すことができない事由による賃金不支給という意味で、法第26条は適用されると考えます。

投稿日:2006/07/31 13:06 ID:QA-0005586

相談者より

 

投稿日:2006/07/31 13:06 ID:QA-0032332大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

出向に伴う労働条件の差異(2)

PART 2
■出向というのは、法律上の特別な用語ではありませんので労基法を精査しても回答は見つかりません。冒頭で説明しました契約関係を抑えた上で、色々な出向労働条件の下で、最低でも出向者に、出向元条件より<不利にならない>基準作りが必要になります。出向元条件を、100として、年間所定労働時間、休日日数、年次休暇日数など要素を指数化、段階化し、出向元地位に応じた出向手当の支給で解決するのも一つの方法だと思います。出向元の非管理職が出向先で管理職に就く例も多く、出向手当に、何らかの責任手当を含めることも必要になることがあります。
■このようなやり方では、「払いすぎではないか?」といった意見がよく出されます。間違った意見ではありません。然し、出向という特殊環境に置かれた場合の処遇の「分かりやすさ」、誰もが「不利にはならない」、「労基法グレーゾーンへの対処」、という保証があってこそ、出向政策を含む積極的な人事経営ができるのではないかと思います。なお、「5日分の差すべてを欠勤で指定してきた出向者」は、その5日間が全社一斉夏期休暇日なら出勤はできず、有休残日数が足りなければ、強制欠勤の匂いすらします。「使用者の責」は、こういった問題に合理的に対処できていない不作為ということになるのではないでしょうか。

投稿日:2006/07/31 13:09 ID:QA-0005587

相談者より

早速のご回答ありがとうございました。

ご回答いただきました中で、更に疑問に感じてしまった点がありますので、質問させていただきます。

1日の所定労働時間については、出向先も弊社(出向元)も同じなので、問題は発生しておりません。
金額が妥当かどうかは私にも判断できませんが(匿名といえども、ここに細かい数字を掲示することも問題があると思いますので)、出向者へは毎月給与での出向手当の支給はしております。
出向先で役職についていなくても、それ相当の業務をしている者については、弊社内で役付扱いにし同等の手当も支給しております。

以上のような措置をしているのであれば、休業手当措置に代用されていると受け止めてもよろしいのでしょうか?

投稿日:2006/07/31 14:08 ID:QA-0032333大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

Re:出向に伴う労働条件の差異

■年休残日数があるにも拘らず、本人が欠勤指定してきた場合、「使用者の責に帰すべき事由による休業」とはみなし難く、休業手当の適用に該当しないと考えます。他方、既に回答致しましたように、年休残日数が足りない場合は、本人に選択の余地なく欠勤になるので、広い意味で「使用者の責に帰すべき事由による休業」と解釈せざるをえないと思います。(※)
■次に、支給されている手当で、法26条が免責になるかという問題ですが、後者は「生活保障」の観点からの賃金ですから、プラスアルファとしての手当は保証賃金の一部と解することができます。然し、この手当分だけでは「休業期間中」と見做される期間の「平均賃金の100分の60」をカバーできるかどうかは分かりませんので、ご検証の必要があります。
(※)労基法(26条)の請求権は、民法上の請求権(536条2項)の特別規定であって、使用者の責の解釈範囲は広い。

投稿日:2006/07/31 15:52 ID:QA-0005591

相談者より

詳しくご回答いただきありがとうございました。

ご教示いただきました内容を踏まえ、責任者と問題点を改善すべく(手当の金額の妥当性等)考えていきたいと思います。

投稿日:2006/07/31 16:03 ID:QA-0032334大変参考になった

回答が参考になった 0

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