個人ロッカーの廃止、共用ワードローブ化
オフィスビルに入居する会社で、9フロアに約1800人が勤務しています。
フロアによって、個人用ロッカーがあったり、共用のワードローブ(コート掛け)があったりで統一がとれておらず、フロアが変わる異動をした人から、不公平だとの指摘があったことから、全フロアを共用ワードローブで統一することにしました(逆に、全フロアを個人用ロッカーとすることは、面積的にムリがあり不可能)。
これは、労働条件の切り下げにあたるでしょうか。同業他社を調査したところ、個人用ロッカーの会社は少数派であったこともあり、ワードローブ化の判断は問題ないと考えていますが、労働者からは既得権主張が強く、変更後も個人ロッカーを使用していた者を中心に不平不満がでていますが、逆にもとからワードローブだった者からはとくに不満はでていません。
また、女子更衣室の設置場所を居室内からビル内コアスペース(居室外で窓がなく、書類保管や機材保管に使う場所)に移すことを考えておりますが、防犯上問題があると指摘する女子社員がいます。女子更衣室はパーテーションで仕切り、ドアも付け、防犯ブザー等の設置はする予定ですが、それでも反対するといっており、説得に苦慮しています。スペースの問題で居室内に女子更衣室を設置し続けることはムリであり、説得が必要ですがどのような説明の仕方があるでしょうか。
これも、フロアによってはもともとコアスペースに女子更衣室があり、放置するのも不公平です。
投稿日:2013/03/01 17:18 ID:QA-0053620
- *****さん
- 神奈川県/建設・設備・プラント(企業規模 10001人以上)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
福利厚生制度につきましてもその内容が低下する場合ですと、広義の不利益変更(労働条件の切り下げ)に当たるものといえるでしょう。
しかしながら、文面のようなロッカーや更衣室の変更といった事柄に関しましては、金銭的な不利益ではない事に加えまして、内容的にも労働に直接影響を及ぼすような重大性がない事から、少なくとも労働者の個別同意を得る必要まではないものと考えられます。
従いまして、法的には多数の社員が納得していればそのまま変更しても問題はないでしょうが、少なからず一部社員の不満が残るということであれば会社への不信感が高まりモチベーション低下にも繋がりますので、そこは反対者の意見にも耳を傾け、真摯に労使間で協議を行っていくべきといえます。
対応の仕方に関しましては法的問題から外れる以上、詳細事情を知りえない私共が確答するのは困難であって、御社の具体的実情に応じて御社自身で検討されることが必要ですし、まさにそれこそが人事担当者の責務といえます。その上で対処する考え方について申し上げますと、反対者に対して個別に面談し、反対意思の強弱や代替手段の可能性を見極めた上で、何らかの配慮措置を提示する事で少しでも反対者を減らすか反対意見を緩和した上で実行へと移されるといった進め方が妥当ではと思われます。
投稿日:2013/03/01 19:40 ID:QA-0053621
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
少数の無いものねだりは、組織レベルで解決が必要
対象勤務者数の規模からみて、 既得権主張 ( 共用化反対 ) 者も、 五人や十人の規模に留まらないでしょう。 さほど重要とは思えない内容の既得権をなくするために、 ( 恐らく ) 延々と続くような、 個人別話合いは、 極めて、 非実務的、 非生産的なやり方だと見受けます。 労働者代表はどのような形で存在するのか分りませんが、 労組であれ、 それ以外であれ、 労働者代表との協議で話を進めていかなければ、 決着を付けるのは困難だと思います。 少数の無いものねだりは、 組織 ( 使用者 ) と 組織 ( 労働者代表 ) のレベルで解決するのが賢明な選択です。
投稿日:2013/03/01 20:24 ID:QA-0053622
プロフェッショナルからの回答
法律ではなく
不利益変更とも言えないことは無いでしょうが、この程度のことで裁判には至れない(訴訟は可能でも)のではないかと思います。それよりも既得権を死守したがり、不公平を主張し上層部に反抗するような体質に問題は無いでしょうか。異動を機に、徐々に個人利用を減らすとか、断固とした処置で制圧するよりは少しずつ不満分子をつぶして行く方が得かと思います。慢性的に会社に対し不満をもち、またそれを看過している、あるいは会社側が不満を聞こうとしない等さまざまな問題があるかも知れませんので、社員対応をご一考いただく機会かも知れません。
投稿日:2013/03/01 22:11 ID:QA-0053623
プロフェッショナルからの回答
公平性の確保の観点から問題ない措置ですが、環境改善の努力は必要です。
ご質問について整理しますと、下記の2点だと思います。
(1)一部の人のみ個人ロッカーを使用していた状況から、公平に全員
共用ロッカーを使用することにルール変更をしたことが、以前に個人
ロッカーを使っていた人にとって、(不当な)労働条件の切り下げ(不
利益変更)にあたるかどうか。
(2)スペースの問題で、一部フロアの女子更衣室をオフィス内の入居ス
ペースから、ビル内の共有部分に移そうとしているが、一部女子社
員が防犯上の理由で反対をしている。いい説明のしかたはないか。
その前提で、下記を回答いたします。
<(1)の回答>
(1)と(2)のいずれも、すでに変更後の条件に対応している社員がおり、
彼らから問題として声があがっていないのであれば、当該会社における従
業員に対する公平性の担保という観点から、環境変更に該当する従業員
に説明のうえ行えば、問題はないでしょう。 よって(1)については、不当な
労働条件の引き下げには当たらないと判断されます。なお、文面より現制
服着用をするルールがあるかと推察されます。最近、制服を廃止を検討す
る企業も増えていますので、制服の廃止も今後検討されると、そもそもの個
人ロッカーの必要性もなくなることから、あわせておすすめいたします。
<(2)の回答>
ただ注意すべき点として、 労働安全衛生法には「快適な職場環境」の維
持向上の趣旨が掲げられており、会社としては快適な職場づくりが求められ
ます。担当者として、その趣旨を理解して判断をする必要があります。この点
から今後についての懸念として、(1)個人ロッカー使用者(2)ビル共有部分
コアスペースの女子更衣室使用者、の人数拡大によって、貴重品の盗難や、
外部の人間の侵入等等の問題が起こる可能性はありますので、使用ルール
の明確化と周知徹底を図るとともに、貴社の事業規模からみて、衛生管理者
の選任、(安全)衛生委員会等の月1回開催義務があることから、(安全)衛生
委員会 等で意見集約、改善方法の検討等を行い、主管部署は、要望等を吸
い上げつつ改善すべきは改善し、従業員の不満の軽減及び快適な職場環境
作りに取り組むことが重要です。
よって、(2)については、実施理由として公平性を確保することを説明する
とともに、一方で安全衛生面での対応もを会社としてすすめていくことをあわ
せて説明することで該当者への理解が得やすくなるのではないでしょうか。
投稿日:2013/03/06 10:31 ID:QA-0053678
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