懲戒解雇手続きについて
いつも参考にさせていただいています。
当社社員が背任行為を行い、現在懲戒解雇の方向で処分を検討中です。そこで懲戒解雇手続きについてお伺いします。
①社内賞罰委員会で就業規則に則り「懲戒解雇」処分を決定する。
②労基署へ解雇予告除外認定の申請をする。
③労基署の決定後、懲戒解雇処分を行う。
という流れかと思います。
②の解雇予告除外認定の申請はどのような手続きなのでしょうか、書式等あるのでしょうか。
③労基署の認定が降りるまでの期間はどの位かかり、その間対象者へはどのような処遇を行えばよろしいのでしょうか?
自宅待機させた場合、有給とせねばならないのでしょうか?(日数がかかると除外申請の意味がなくなると思うのですが)
又①での決定がなかなか発令できないというのは社内的に説明がつきません。
現実的な対応方法をご教示下さい。
投稿日:2010/10/28 21:12 ID:QA-0023604
- noqさん
- 東京都/広告・デザイン・イベント(企業規模 501~1000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
解雇予告除外認定の申請につきましては、所轄労基署に行かれると「様式3号」という定型の書式がございますので、そちらに記入して提出することになります。
また解雇予告除外認定にはある程度日数がかかりますが、案件内容や労基署側の都合等にもよりますので一律に何日とは申し上げられませんが、2,3日で済むとは考えない方がよいでしょう。
通常ですと自宅待機を命じた期間は有給または休業手当の支給とすることになりますが、悪質な事案で不正行為や証拠隠滅防止の為の措置であれば業務命令としての本人事情による出勤禁止措置としまして無給にすることも可能といえます。(※但し、制裁規定に基づく出勤停止処分を行う事は解雇と合わせ二重制裁になり出来ませんので注意が必要です。)
尚、解雇予告除外の対象となる事案につきましては通達上である程度限定されていますし、かつその具体的な判断は所轄労基署に委ねられているものといえます。
従いまして、申請されるか否かも含め、文面のようなご懸念がおありでしたら詳細事情を所轄労基署へ早急にご相談の上対応されることをお勧めいたします。
投稿日:2010/10/29 11:11 ID:QA-0023609
相談者より
ありがとうございました。
本人は罪を認めており処分に服するとのコメントは得ておりますが慎重かつ迅速に対処していきたいと思います。
出勤禁止期間中は無給可能とのことは心強く思います。
投稿日:2010/10/29 12:45 ID:QA-0041533大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
申請のハードルが高く、認定までに、1週間程度かかる
.
■ 労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合は、「 解雇予告除外認定申請書 」 ( 様式第3号 ) を監督署に提出しますが、申請書自体は割合簡単なものです。然し、申請事由の信憑性を裏付けるため、会社に、この認定申請書の他に、労働者名簿や問題行動についての顛末書、本人が問題行動を認めたことが分かる資料など多くの書類の提出を求めます。
■ 通達でも、「・・・認定申請書が提出された場合には、事の性質上特に迅速にこれを処理、決定する方針で対処するとともに、当該書面だけについて審査することなく、必ず使用者、労働組合、労働者その他の関係者について申請事由を実地に調査の上該当するか否かを判定すべきものであるから十分その取扱いに留意せられたい 」 と指示しています。
■ このように、申請のハードルが高く、認定までに、1週間程度かかり、更に、申請を行ったからといって必ず認定が下りる保証はありません。従って、即時解雇を行う必要がある場合、退職勧奨を行い、本人との合意による契約解消を行ったり、申請せず、労基法20条による、30日分の解雇予告手当を支払ったりして即時決着させる事例も仄聞します。
■ 以上の状況予想から、選択肢としては、上記の 「 合意による即時契約解消 」、「 解雇予告手当の支払いによる即時解雇 」、「 認定までの無給自宅待機 」 のいずれかだと思います。自宅待機命令による休業の帰責事由が本人にある場合には、労基法26条に定められている休業手当の支払いは必要ありません。然し、一種の不安定な状態で、社内的精神衛生上、良くない雰囲気ですので、その辺も、斟酌の上、ご検討が必要かと思います。
投稿日:2010/10/29 11:13 ID:QA-0023610
相談者より
ありがとうございました。
本人も罪を認めており争いになることはないと思われます。
処分決定~労基署届を迅速に行います。
投稿日:2010/10/29 12:54 ID:QA-0041534大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
解雇予告除外申請
背任行為の程度がわかりませんので、社内の懲戒委員会をまず早急に開催し、諭旨解雇などの手立てがないのかも検討すべきです。解雇はどういう経緯でも、その後の本人の進路に決定的な影響を与えます。
私の知る限り、併せて刑事告発するような場合を除いたら、本人の再就職を考慮し、自己都合退職を選択させたり、諭旨解雇扱いにする例が少なくないです。
相撲協会でも解雇が重いと裁判になっていますが、懲戒解雇の場合、相手方従業員が訴訟する可能性もありえます。それだけ、背任行為が決定的で、ゆるぎないものなのかも確証を得ないといけないです。単なる過失や軽微なものは懲戒解雇としては重いと判断する幹部もいるでしょう。
そうした慎重な判断をし、会社としての意思決定を行ったうえで、労働基準監督署に相談し、適切な事例に当たるかを確認し、手続きするべきだと考えます。
会社はその本人を、刑事告発し、被害届けを出せるのでしょうか?
投稿日:2010/10/29 17:55 ID:QA-0023617
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
懲戒解雇
会社の経験則から言えば、懲戒解雇でしょうね。
警察にも相談されてはどうですか?
投稿日:2010/10/29 19:32 ID:QA-0023620
プロフェッショナルからの回答
手続き後の対応も重要です
まず、解雇予告除外認定の申請の手続きは所定の様式に記入をし、
管轄の労基署に提出すれば足ります。
しかし、すぐに認定が下りるということはあまりなく、通常は会社と懲戒解雇対象社員双方から事情を聴くなどしてからの判断となります。
ですので長ければ1ヶ月以上かかる場合もあります。
今回の場合は社員本人が認めていて、しかも影響の大きい背任行為とのことですので認められないことはないかと思いますが、出してすぐに認定されるということはあまり期待しない方がよいでしょう。
認定が下りるまでは、有給とするか、欠勤扱いとして無給にするかどうかは会社の判断となります。
対象の社員の扱いも重要ですが、さらに重要なのは再発防止として社内的にどう説明するかです。
現実的な手間を考えるならば懲戒解雇よりも自己都合・諭旨退職等で対応した方がはるかに簡単です。
そうではなく懲戒解雇にし、次を出さないための見せしめのような位置づけにするということであれば、だらだらさせず解雇予告手当を支払ってでも即時解雇が効果的ではないでしょうか。
しっかりと損害額を算定し損害賠償させるなどの処置をとることも今後の防止の一環となるかと思います。
また、対象社員の管理監督をする立場の人がいたということであれば、管理責任はというところまで問い、再発防止をよりすすめるべきかと思います。
「こういうことをしたら、こういう結果になる」ということをしっかりと社員に周知する必要がありますので、曖昧な説明等は避け、これを機会に会社の態度をはっきりさせることをおすすめいたします。
投稿日:2010/11/02 09:25 ID:QA-0023674
相談者より
ありがとうございました。
解雇予告手当を支払っての懲戒解雇もあるのですね。会社としては追い銭のような形で嫌がるかもしれませんが、策の一つとしておきます。
管理責任ですが、直属の上司は勿論ですが、上をどこまで対象とするか悩んでいます。経営的に大打撃を受けたため、担当常務・専務・社長の管理責任まで問うべきではないかとの意見もあります。
この点についてどのように考えたらよろしいでしょうか?
投稿日:2010/11/02 12:15 ID:QA-0041561大変参考になった
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