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新卒の内定取り消しについて

いつも大変お世話になっております。
新卒の内定取り消しについての相談です。

弊社の現在の業績を勘案し、今年の4月入社予定の新卒の内定取り消しを検討するように指示されました。最終的にはそれをおこなった場合のリスクとのバランスで決定されそうです。
私としてはなんとしてでも、阻止したいことですが、感情論ではないリスク分析が必要と思いました。
そこで、下記の内容についてお聞きしたいです。

・内定取り消しにあたり1名あたり金額的にどれくらいの保証が妥当でしょうか。
・内定取り消しが妥当と判断される基準とはどのようなものでしょうか
・当然、その後の採用活動は制限されると思いますが、どれくらいの期間でしょうか
・その他上記以外のリスクにはどのようなものが考えられるのでしょか(行政処分等を含めて)

以上、何卒よろしくお願いいたします。

投稿日:2010/02/03 12:06 ID:QA-0019151

*****さん
東京都/美容・理容(企業規模 301~500人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答2

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

内定の取消は解雇同じ。法に基づいた合理的事由と措置が必要

■ 「内定」は、「労働契約(解雇権留保付の就労始期付労働契約)の成立」として取り扱われるため、内定の取消は、労働契約の解約、すなわち解雇となります。従って、現に雇用関係にある社員を解雇するのと同じ、解雇事由の合理性と法に沿った措置が必要です。
■ 「解雇事由の合理性」については、労働契約法16条に法文化されたように、最高裁判所判決で確立している、いわゆる解雇権濫用法理(※)をクリアーすることが必要です。「法に沿った措置」としては、労働基準法20条の解雇予告(30日以上前の予告、または30日分以上の平均賃金に相当する解雇予告手当の支払い)の義務があります。
■ 「その後の採用活動の制限」に就いては、良識に基づきご判断されればよく、また、「上記以外のリスク」関しては、企業イメージの低下や従業員士気への影響もあるでしょうが、内定取消し至った率直な経緯説明、今後の信頼回復への努力表明などにより対処すべきだと思います。対象者が入社前の学生であること、昨今の就職超氷河期であることを念頭に、一段と誠意のある対応が要求されるところです。
■ (※)解雇権濫用法理
確立判例では、解雇について合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない場合は無効とされており、雇用調整のために行われる整理解雇についても、次の要件が必要であるとされています。
①人員削減の必要性
②人員削減の手段として整理解雇を選択することの必要性
③解雇対象の選定の妥当性
④解雇手続きの妥当性

投稿日:2010/02/03 14:04 ID:QA-0019156

相談者より

 

投稿日:2010/02/03 14:04 ID:QA-0037486大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

この回答者の情報は非公開になりました
 

リスク分析

「なんとしても阻止したい」というお考え、ご担当者様として、たいへんに素晴らしい理念だと感服いたします。おっしゃる通り、人事政策、企業イメージの点で重大なリスクを負う行為ですので、経営陣の腹の座り具合が重要です。そこまで覚悟してなさるかどうか、ぜひご提言されるとよろしいと存じます。

ご提示についての小職の見立てです;

・内定取り消しにあたり1名あたり金額的にどれくらいの保証が妥当でしょうか。
当然のごとく決まりはございませんので、御社の給与やご意向次第です。「いくらならOK」を決めるのは、その対象となる方になります。
一般的な示談交渉として、初めから大金を提示する方法、少なめに提示で積む方法がありますが、小職は前者をお薦めしております。

・内定取り消しが妥当と判断される基準とはどのようなものでしょうか
通常の「解雇」と同じプロセスですので、「妥当」と見なされることは期待されない方がよろしいかと存じます。
御社の危機的経営状況や代替え案の無いこと等、誠意を持って検証されることになります。

・当然、その後の採用活動は制限されると思いますが、どれくらいの期間でしょうか
法的なものは特にありません。しかし小職は一度でも新卒切りをすると、その記録はほぼ永遠に残ると考えております。経営判断ですので、御社のご意向次第ですが、経営陣がそこまで腹をくくってのご決断かどうか、今一度ご確認が必要かと存じます。

・その他上記以外のリスクにはどのようなものが考えられるのでしょか(行政処分等を含めて)
上記で書きました、企業としての信頼感、コーポレートブランディング、将来の新卒採用への禍根といったことが重大なリスクでしょう。
「経営危機」であることを世間に知らしめることになります。少なくともネットを通じ、こうした情報は半永久的に伝播する環境となっています。取引先、銀行筋への対策等も大丈夫でしょうか。

もちろん対象となる方を納得させるのは、お金だけでは難しいかも知れません。その場合泥沼のような、一般的には「こじれた解雇問題」に発展するリスクがございます。

投稿日:2010/02/04 09:28 ID:QA-0019165

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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