【選択制DC】産休・無給期間中の給与明細の記載方法について
■ 背景・現状
完全選択制確定拠出年金(選択制DC)を導入しています。
現在、産前産後休業に入った従業員(給与は無給)がおりますが、当社の規約および法令の解釈上、産休中であっても「掛金の拠出中断」ができない状況です。
そのため、無給期間中も会社が掛金を納付し続けることになりますが、その費用(掛金相当額)は本人負担となるため、会社から本人へ請求を行う予定です。
■ 質問したいこと
この場合の「給与明細の記載」および「実務運用」について、一般的な事例をご教示いただきたく存じます。
1. 給与明細への記載について
支給額が0円の状態ですが、記録として残すために「確定拠出年金掛金」のみを支給項目にマイナス記載し、「差引支給額」をマイナス(△○○円)として発行する運用は、実務上一般的でしょうか?
それとも、明細上はすべて0円とし、備考欄に「確定拠出年金掛金◯◯円は別途請求」といったように管理するほうが適切でしょうか。
2. 実務上の注意点
上記のように給与明細でマイナス計上(不足金扱い)とし、別途本人から会社口座へ振り込んでもらう運用を行う際、本人への案内や労務管理上で注意すべき点があればご教示ください。
投稿日:2026/02/06 15:39 ID:QA-0164152
- 401kさん
- 神奈川県/保険(企業規模 501~1000人)
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本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
給与控除の労使協定の定めに則り、これまで運用をしてきた前提の場合は、
現状のルールを変えることなく、不足分をマイナス記載して立替金として、
本人へ請求する方法の方が、現状の実務とも整合性が高く、適切かと存じます。
案内時は請求内容、振込方法、期日を明確にし、給与不足による特別な処理で
ある旨の注釈を添えて、本人に誤解が生じないよう丁寧な案内が必要です。
投稿日:2026/02/06 16:13 ID:QA-0164157
相談者より
ご回答ありがとうございます。参考にさせていただき、会社・従業員にとって適切な手続きを進めてまいります。
投稿日:2026/02/09 12:03 ID:QA-0164235大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
ご質問の件について、選択制DCの法的整理と実務上一般的とされる運用の両面からご説明いたします。
1.前提整理(重要)
完全選択制DCでは、
・掛金は形式上「会社拠出」
・実質的には「本人の賃金原資からの振替」
という構造になります。
一方、産前産後休業中は賃金支払義務がなく(無給)、かつ
・労使協定による賃金控除
・相殺処理
はいずれも「支給すべき賃金が存在しない」ため成立しません。
したがって、
→ 無給期間中のDC掛金相当額は、賃金控除ではなく「別途本人負担金として処理」する
という整理自体は妥当です。
2.給与明細への記載方法について
(1)マイナス明細(差引支給額△○○円)とする方法について
結論から申し上げますと、
実務上はあまり推奨されない運用です。
理由は以下のとおりです。
・給与が0円であるにもかかわらず、
「控除」や「差引マイナス」が表示されると、
→ 賃金控除・相殺と誤解されやすい
・労基署調査や本人説明の場面で
→「賃金がマイナスになる」という誤った印象を与える
・賃金台帳上の整理が不自然になる
そのため、制度理解が相当進んでいる企業を除き、一般的とは言いにくい運用です。
(2)給与明細は0円、別途請求とする方法
こちらが、実務上より一般的かつ安全な運用です。
具体的には、
・給与明細
支給項目:0円
控除項目:0円
差引支給額:0円
・備考欄等に
「産前産後休業中につき無給。
選択制DC掛金○○円は別途本人負担として請求」
と明記
このように
→ 給与とDC掛金の負担を明確に切り分ける
ことで、法的にも実務的にも説明がしやすくなります。
3.別途本人請求とする場合の実務上の注意点
(1)必ず「事前説明・書面確認」を行うこと
最重要ポイントです。
・産休中も掛金拠出が継続すること
・無給期間中は「本人が現金で負担」すること
・金額、期間、支払方法(振込先・期限)
これらを
→ 書面(同意書・案内文)で明示し、本人の理解を得る
ことが不可欠です。
(2)「賃金控除」や「自動相殺」は行わない
復職後に、
・初回給与から一括控除
・黙示的な相殺
を行うことは、原則NGです。
行う場合は、
・本人の明確な同意
・賃金控除協定の範囲内
であることが必要となります。
(3)記録の残し方
・給与明細
・DC掛金納付記録
・本人請求書・入金記録
を突合できる形で保存しておくと、
監査・調査・将来のトラブル防止に有効です。
4.まとめ
・無給期間中の選択制DC掛金は「別途本人負担」とする整理は妥当
・給与明細をマイナス表示とする運用は一般的とは言いにくい
・明細は0円+備考記載、別途請求が実務上安全
・事前説明と書面確認が不可欠
・復職後の自動控除・相殺には要注意
選択制DCは制度理解が難しく、産休・無給期間は特にトラブルが起きやすい局面です。
「給与」と「本人負担金」を明確に分けた運用をされることをおすすめいたします。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2026/02/06 16:18 ID:QA-0164158
相談者より
ご回答ありがとうございます。
とても具体的かつ論拠を伴い、明確になりました。
参考にさせていただき、会社・従業員にとって適切な手続きを進めてまいります。大変助かります。
投稿日:2026/02/09 12:04 ID:QA-0164236大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
選択制であるかどうかにかかわらず、DCの事業主掛金は給与とは別に事業主が負担すべき掛金であり、掛金中断の要件に該当しない限りは無給期間中であっても同じです。
従って、本人に請求を行うこと自体が無効であると考えます。
投稿日:2026/02/06 16:47 ID:QA-0164159
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、勤務されている期間については給与から控除されているはずですので、そうであればマイナス記載されても差し支えはないものといえるでしょう。法的に問題が発生するとすれば、普段から控除をされていない場合といえます。
但し、実際には掛金負担分を別途請求される事になりますので、その通りに記載される方がやはり分かり易いものとはいえるでしょう。
実務上の注意点としましては、当人の負担分とはいえ休職中という事もございますし、誤解を招かないよう説明内容を記載された文書を給与明細に添付されるべきといえます。
投稿日:2026/02/07 21:36 ID:QA-0164199
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
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