2025年最低賃金の計算
2025年大幅な最低賃金改訂にあたり、年所定労働時間(月平均所定労働時間)の考え方を教えてください。
①所定日数/時間は毎年変わりますが、どの期間の月平均所定労働時間を用いて計算したらよろしいでしょうか?
・2025.10月の改訂においては
2025.1.1〜12.31の所定労働時間で考えるのでしょうか?
・最低賃金ぎりぎりで給与設定をしている場合は、毎年1月の年初にも年間勤務予定表でもって最低賃金を満たしているかどうか確認していくのでしょうか?
②2025年4月に本人希望により労働時間を少し短縮した従業員がおります。
この場合の同年10月からの最低賃金計算に用いる月平均所定労働時間や考え方はどのようにしたらよろしいでしょうか?
2025年のこの者の年間所定労働を用いて計算すると労働時間も基本給も多くなり、現状況や今後の2026年と合わないように思いまして…。
ご教授お願いいたします。
投稿日:2025/09/30 16:55 ID:QA-0158916
- lkhfaさん
- 新潟県/医療・福祉関連(企業規模 6~10人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
1.現時点での月平均所定労働時間で出しますので、ご認識のとおりです。
1月に月平均所定労働時間が変わるのであれば、
その時点での確認が必要です。
2.月平均所定労働時間は、
年間の所定労働日数に1日の所定労働時間を掛けて算出します。
短縮した1日の所定労働時間で再計算してください。
投稿日:2025/10/01 09:58 ID:QA-0158935
相談者より
ご回答ありがとうございます。
②のご回答につきまして、曜日によって1日の所定労働時間が異なる場合は、1年間の曜日を抽出して計算したらよろしいでしょうか?またその期間は2025.1.1〜12.1でしょうか?
投稿日:2025/10/02 10:31 ID:QA-0159031大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通りご回答申し上げます。
1. 年所定労働時間(月平均所定労働時間)の基準期間
最低賃金は「時間額」で示されるため、月給制や日給制の従業員については、
「月給 ÷ 月平均所定労働時間」で時間額換算し、最低賃金を下回らないかを確認します。
この「月平均所定労働時間」は、基本的には 当該年度の年間勤務予定表に基づく所定労働日数と労働時間から算出します。
計算式例:
(年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間) ÷ 12ヶ月
2025年10月から最低賃金が改訂される場合、
→ 通常は 2025年1月1日~12月31日 の年間所定労働時間に基づいて月平均を出し、その数値でチェックするのが一般的です。
よって、企業実務では 年初に年間勤務カレンダーをもとに「月平均所定労働時間」を算出 → 給与テーブル設計や最低賃金のチェックに利用します。
ただし、途中改訂(例:2025年10月)に合わせて「直近の年間予定で見直す」こともあり得ます。
※毎月の実績で変動させる必要はなく、予定労働時間ベースでOKです。
2. 労働時間短縮(個別事情がある従業員)の場合
2025年4月から本人希望で労働時間を短縮した従業員については、
→ 短縮後の所定労働時間を基準にして時間額換算を行います。
理由:最低賃金の適用は「個々の労働者の所定労働時間に応じた賃金」で判定されるため、
従業員ごとに異なる労働時間制度を採っている場合は、その人の所定時間を用いる必要があるためです。
したがって、2025年10月以降の最低賃金改訂チェックでは、
その人の短縮後の所定労働時間に基づく「月平均所定労働時間」で再計算し、給与が下回らないかを確認します。
3.実務対応のポイント
全社用と個別用を分けて管理
- 全社統一の年間勤務表で「基準月平均所定労働時間」を設定。
- 労働時間が特別に異なる人(短時間正社員、労働時間変更者など)は個別に算出して確認。
チェックのタイミング
- 年初(1月)に年間勤務予定を基に確認。
- 最低賃金改訂(通常10月)時に再確認。
→ 「最低賃金ぎりぎり」の給与設計なら、最低賃金改訂のたびにチェック必須です。
4.来年との整合性
- 「2025年の短縮後時間」で算出すれば、2026年以降もスムーズにつながります。
- 無理に「2025年通年」で計算すると、4月以前の勤務体系が混ざり、かえって実態と合わなくなるので注意が必要です。
5.まとめ
2025年10月改訂では、基本的に「2025年年間勤務予定表に基づく月平均所定労働時間」で判定。
ただし個別に労働時間変更した従業員は、その者の短縮後の年間所定労働時間を使う。
毎年1月に一度全社確認、10月の改訂時に再チェックがベストプラクティスです。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/10/01 10:55 ID:QA-0158942
相談者より
ご回答ありがとうございます。
こまめなチェックが必要な事がよく分かりました。
②につきまして、もう少し教えてください。
「短縮後の期間」で考えるのでしょうか?
「現在の短縮時間で2025年に当てはめる」のでしょうか?
例えば
2025.4〜短縮なので、2025.4〜2026.3 という期間で年所定から月平均を出す
もしくは
2025.1〜2025.12の期間で、短縮前の1月〜3月は現在の短縮時間を当てはめて年所定から月平均を出す
この2025.10〜12の3ヶ月だけですと年間の中でも多めの月でしたので、「計算に用いる期間」について再度質問させていただきました。
投稿日:2025/10/02 10:50 ID:QA-0159036大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
1について・・・
貴社における月平均所定労働時間の見直しは毎年1月1日付でしょうか?
上記、Yesであれば、2025.1.1〜12.31の所定労働時間で考えます。
2について・・・
短縮した後の契約労働時間にて、再度、月平均所定労働時間の算出が必要です。
月変更所定労働時間は、契約労働時間が変更となれば、都度、変更となります。
投稿日:2025/10/01 13:03 ID:QA-0158963
相談者より
ご回答ありがとうございました。
②の「変更都度 月平均所定労働時間の算出が必要」のご回答につきまして、どの期間で月平均を出したらよろしいでしょうか?変更後むこう1年間でしょうか?
投稿日:2025/10/02 10:57 ID:QA-0159038大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、1につきましては、通常暦上の1年(2025.1.1〜12.31)で計算される扱いになります。そして、その場合次年度に所定労働時間が増えるようでしたら、当然ながら最低賃金額を満たしているかについて確認される必要がございます。
2につきましては、労働契約上で正式に所定労働時間が短く変更されたという事であれば、その時間を反映した平均所定労働時間を計算する必要がございますが、契約内容は変更無で一時的に短くなっただけであれば従前の平均所定労働時間のままになります。
投稿日:2025/10/01 19:12 ID:QA-0158991
相談者より
ご回答ありがとうございました。大変参考になりました。
投稿日:2025/10/02 11:01 ID:QA-0159039大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
追加のご質問にご回答申し上げます。
追加のご質問をいただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
考え方や規定等につきましては、ご説明申し上げました通りです。
追加のご質問
「(2)につきまして、もう少し教えてください。
「短縮後の期間」で考えるのでしょうか?
「現在の短縮時間で2025年に当てはめる」のでしょうか?
例えば
2025.4〜短縮なので、2025.4〜2026.3 という期間で年所定から月平均を出す
もしくは
2025.1〜2025.12の期間で、短縮前の1月〜3月は現在の短縮時間を当てはめて年所定から月平均を出す
この2025.10〜12の3ヶ月だけですと年間の中でも多めの月でしたので、「計算に用いる期間」について再度質問させていただきました。」
につきましての最終の判断は、所轄の労働基準監督署が行うものと存じます。
つきましては、本ご質問は、所轄の労働基準監督署の監督官にご確認されることをお勧め申し上げます。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/10/02 10:55 ID:QA-0159037
相談者より
そうなのですね。この度は大変勉強になりました。お忙しい中詳しく教えてくださりありがとうございました。
投稿日:2025/10/02 11:04 ID:QA-0159040大変参考になった
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