出張旅費について
当社の旅費規程では、縁故先に宿泊をした場合、宿泊費および食費として3,000円を支給しています。先日これについて、個人の課税所得として取り扱い源泉が必要という話を聞きましたが、このような支給規程の場合、源泉処理が必要なのでしょうか。また、最近は営業旅館以外に漫画喫茶などで過ごした場合なども、この名目で3,000円支給しておりますが、税務上やはり同様に源泉が必要でしょうか。お手数ですがお教えください。
投稿日:2009/02/17 11:32 ID:QA-0015215
- *****さん
- 愛知県/商社(専門)(企業規模 301~500人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
出張旅費の支給を(給与所得と看做し)源徴は必要か?
■業務命令に基づく出張に関わる費用の内、運賃・宿泊代金・通信費などの実費は、販管費(販売管理費・一般管理費)です。たまたま出張者個人を媒介して支払われても、仮払いの有無に関わらず、《 左のポケットから右のポケット 》 へ同額が動くだけのことで、給与と異なり、出張者に経「済的利益も不利益ももたらさない」実費処理に過ぎません。文房具のような会社備品を実費立替えし、《 領収書 》 と引き換えに会社から支弁を受けるのと同様です。当然、会社・個人いずれに対しても非課税となります。以上が、出張費用の本質です。以下は、応用問題です。
■厄介なものに、出張日当があります。出張がなかったら必要でなかった、少額の雑費の支出は、実務的に一々領収書入手、実費精算には適しません。そこで国税庁公認で、領収書不要の看做し実費を定額化して支給するのが、「日当」の正体です。通常、¥1,500 ~ ¥3,000 程度の定額支給になっていますが、本質は、給与所得ではなく、看做し実費で、源徴の対象とはなりません。勿論、その性格上、常識を超えた高額日当は、賃金と見做され課税対象になる可能性があります。
■ご相談では、営業宿泊施設外での宿泊費と食費の合計として、定額支給されているとのことですが、厳密に言えば、《 宿泊の事実が確認できれば、3,000円という金額を世間相場から見て、考源徴対象にすることは、かなりバランスを欠く 》 ことになると思います。
■因みに、税務署職員を含む国家公務員には、どのような日当が支給されているのでしょうか? 「国家公務員等の旅費に関する法律」第二十条(日当)別表第一の定額( ¥1,700 ~ ¥3,800 )を参照して下さい(宿泊費、食卓料 = 夕食費は別)。恐らく、源徴対象ではないはずです。宿泊費も、第二十一条で、定額( ¥19,700 ~ ¥40,200 )支給となっています。相当豪勢ですね。最近やっと一部の自治体で日当引下げが議論されていますが、「今頃になってな何を !!」という感じです。カラ出張が横行するのは、モラルのほかに、民間企業ほど、領収書の提出をうるさく言われないからでしょうね。また、高めに金額が設定されているようで、実費との差額(本来の課税部分)も大きいのではないでしょうか。
投稿日:2009/02/18 09:49 ID:QA-0015230
相談者より
ご回答いただきましてありがとうございます。
源泉せず,支給していきます。
投稿日:2009/02/18 15:55 ID:QA-0035975大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
役員関連規程 役員関連規程の整備を進めているの... [2020/04/14]
-
労基署への就業規則の届出について 以下ご教示いただけますでしょうか... [2007/11/22]
-
就業規則その他規程の届出について 慶弔規程や出張旅費規程、セクハラ... [2007/03/05]
-
国外旅費規程 宿泊費について 現在国外への出張時に支給する宿泊... [2019/05/10]
-
反社会的勢力対策規程とリスク管理規程 反社会的勢力対策規程とリスク管理... [2012/02/11]
-
出張旅費における宿泊費の考え方について 出張旅費における宿泊費の考え方に... [2018/11/19]
-
出向受入規程について 出向受入を予定しております。そこ... [2010/03/24]
-
規程作成に関して 慶弔見舞金規程を作成しようと思う... [2022/04/13]
-
監督署への届出 「休職規程」 早速ですが、「休職規程」を作成し... [2008/01/05]
-
リスク管理規程について 弊社でも現在リスク管理に関する規... [2008/05/28]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。