退職後、次の就職先に現職の競合他社の選択禁止
退職者が、次の就職先の選択に競合他社に入社するのを禁止することを集合規則で明文化したいのですが、可能ですか。
また明文化したとしても効力はあるのでしょうか。
投稿日:2008/09/26 08:48 ID:QA-0013816
- *****さん
- 静岡県/商社(専門)(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
退職後の競業禁止を確実にするためには
■結論から申し上げますと、就業規則としての《禁止明記は可能》であり、労働契約としての《法的効力も付与》されます。ただし、現行の労働条件に対する制限の追加であり、実際に適用するような局面では、かなり厳しい制限となりますので、考え方の整理、必要な措置の検証、労働者側代表の意見聴取、就業規則への追記、監督官庁への届出、労働者への周知といった、一連の手順を、確実に実行しておくことが、最低限の条件になります。
■以下、競業避止義務についての一般的要点を整理しておきます。
▼ 競業避止義務とは、会社と競業関係にある会社に就職したり、競業関係にある事業を行ったりする競業行為をしてはならないという義務をいいます。労働者は、在職中は、信義則上、使用者の利益に著しく反する競業行為を差し控える義務があるとされていますが、退職後においては、職業選択の自由(憲法第22条第1項)があることから、一般的に競業避止義務を負わないとされています。 ▼ これに関しては、労働者が習得した知識・経験・技術を退職後どう生かすかは各人の自由であり、特約なしにこの自由を拘束することはできないとする判例があります。
▼ 就業規則などで退職後における競業避止義務の特約がある場合でも、特約に合理性がなければ有効とはならないとされています。競業制限の合理的範囲を確定するにあたっては、<制限の期間> <場所的範囲> <制限の対象となる職種の範囲> <代償の有無>等につき検討を要するとした判例もシッカリ検証された上で決定されることが必要です。
■最後の4要件が満たされているかどうかは、個別案件によって微妙な判断が要求されますので、就業規則化したからといって、常に効果が保証されているわけではありませんが、個別ケース面での効果は別として、就業規則化し、周知徹底するだけでも、一定の効果は期待できると思います。
投稿日:2008/09/26 10:54 ID:QA-0013818
相談者より
御礼が遅くなってすみません。ありがとうございました。とても明快な答えを頂感謝しています。上司とこの回答を基に今後の対応をしていきたいと思います。
投稿日:2008/10/06 21:51 ID:QA-0035480大変参考になった
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