退職に際しての現実就労規定について
いつも大変参考にさせていただいております。
当社の事務部門に人事部門経験者の方が入社されまして、就業規則等についての他社においての事案について検討会をしておりましたところ、
以下のような自己都合退職の規定を拝見いたしました。
「退職日からさかのぼる2週間は現実に就労しなければならない。」という規定です。
退職に際して引継ぎ業務に就いては完遂していただくことについては規定に明確にすることについては異論はありませんが、退職日前2週間についての現実就労規定をつくることで有給休暇の取得ができなくなるようなことは可能なことなのでしょうか。
ご教授の程よろしくお願いいたします。
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第〇〇条 従業員が自己の都合により退職しようとするときは、原則として退職予定日の1か月前までに、会社に申し出なければならない。退職の申出は、退職届を提出することにより行うものとする。
2 退職の申し出が、所属長により受理されたときは、会社がその意思を承認したものとみなす。この場合において、原則として、従業員はこれを撤回することはできない。
3 退職を申し出た者は、退職日までの間に必要な業務の引継ぎを完了しなければならず、退職日からさかのぼる2週間は現実に就労しなければならない。これに反して引継ぎを完了せず、業務に支障をきたした場合、懲戒処分を行うことがある。
4 業務の引継ぎは、関係書類を始め保管中の金品等及び取引先の紹介その他担当職務に関わる一切の事柄につき確認のうえ、確実に引継ぎ者に説明し、あるいは引き渡す方法で行わなければならない。
投稿日:2023/07/24 04:11 ID:QA-0129171
- じむたんとうさん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 1~5人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
退職に際しての要件
▼退職日迄の「業務の円満且つ正確な引継ぎ」と「有給休暇の消化」は二主要事項です。
▼退職届の提出、関係書類の引継は当然の事項となります。
投稿日:2023/07/24 10:49 ID:QA-0129176
相談者より
川勝様
ありがとうございます。
退職前の有給休暇の取得について、時季変更権行使の要件を満たす事情の有無にかかわらず、退職日前2週間の時季指定を禁じるような規定のあり様が気にかかっておりました。
ありがとうございました。
投稿日:2023/07/24 15:30 ID:QA-0129192大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
労基法に反する有給休暇取得規制は無効ですので、その条文は意味がなく、早急に改善すべきでしょう。
投稿日:2023/07/24 12:03 ID:QA-0129181
相談者より
増沢様
ありがとうございました。
退職前の有給休暇の取得について、時季変更権行使の要件を満たす事情の有無にかかわらず、退職日前2週間の時季指定を禁じるような規定のあり様が気にかかっておりました。
当社での規定ではなく、社内勉強会で他社の就業規則を参考資料としてで検討しておりました。
無効とのご教授、大変助かりました。
ありがとうございました。
投稿日:2023/07/24 15:37 ID:QA-0129193大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
有休取得の権利が労働者にはありますので、
2週間の現実労働を強制することはできません。
投稿日:2023/07/24 14:28 ID:QA-0129190
相談者より
小高様
ありがとうございました。
当社にてこのような形をとることはありませんが、他社の規則を拝見してまさか可能かと驚きつつ、お尋ねいたしました。
ご教授ありがとうございました。
投稿日:2023/07/25 14:13 ID:QA-0129247大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、当該規定は労働者の年次有給休暇の自由取得を定めた労働基準法に違反する内容といえます。
就業規則の定めで労働基準法に違反する部分については無効とされますので、こうした定めを置かれても年休の取得申請が有れば取得に応じる義務が発生します。
投稿日:2023/07/24 18:07 ID:QA-0129205
相談者より
服部様
ありがとうございます。
当社でこのような形を採用することはないとはいえ、他社で行われているということで驚きましてお尋ねしてしまいました。
労基法違反とのことで社内の議論は終了することができます。
明確なご教授ありがとうございました。
投稿日:2023/07/25 14:19 ID:QA-0129248大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
労働者が退職する場合においても、退職までは当然就労の義務はありますので、会社として、この期間に業務の引継ぎを求めることは当然可能です。
ですが、退職予定の従業員から、退職日までに残った有休休暇をすべて消化したいとの申出があれば、会社は拒否することはできず、すべて与えなければなりませんし、業務に支障をきたしたからといって懲戒処分を行なうこともできません。
「退職日からさかのぼる2週間は現実に就労しなければならない。」という規定は、引継ぎ義務を課すものとして尊重されるべきではありますが、それでも、有給休暇は法律上労働者に認められた権利です。
投稿日:2023/07/25 10:17 ID:QA-0129222
相談者より
オフィスみらい様
ご教授ありがとうございました。
引継ぎの義務については、有給休暇の取得とあわせて十分に話し合いつつ、権利の阻害をしないよう十分留意する必要であると実感しています。
ご教授ありがとうございました。
投稿日:2023/07/25 14:24 ID:QA-0129249大変参考になった
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