出張時の労働時間について
当社では、スマホによって打刻することができるようにあっており、打刻時の場所が特定できるようになっているため、出張時においても労働時間の把握ができるようになっております。
例えば、往復に6時間かけて2時間お客様のところで打ち合わせをし、帰宅した際に、お客様のところに入った時間と出た時間を打刻することにより、この日の労働時間を2時間とすることは法律上問題ないでしょうか?(当社は8時間が1日の所定労働時間ですので、6時間分を控除するということになります。)
現在は、みなし時間を適用していますので、この場合でも1日分の賃金を支払っております。なお、出張手当は別途支給しております。
変更する際に不利益変更になるかどうかも教えていただけますでしょうか。
ご回答よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2022/10/14 17:46 ID:QA-0120052
- タカ2022さん
- 愛知県/建設・設備・プラント(企業規模 6~10人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
移動時間は労働時間ではありませんが、
業務命令で移動していますので、所定労働時間内の移動時間の賃金控除は行わないのが一般的です。
6時間控除したら、誰も出張に行きたがらないでしょうし、従業員にとって、不利益の度合いが大きく、トラブルに発展する可能性も大きいといえます。
投稿日:2022/10/14 18:55 ID:QA-0120058
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、1日の所定労働時間が8時間であれば、当然ながら会社としまして1日8時間の労務提供の場を与え時間相当の賃金を支払う義務がございます。
従いまして、当事案のような場合でも当該顧客との打ち合わせが業務上必要でありかつ顧客との打ち合わせの為に6時間の移動を要するという事でしたら、当人が怠業されているわけではございませんので合計8時間を労働時間として認められる事が必要といえます。2時間しか商談されていないからといって残り6時間分を賃金控除される措置については、契約違反の行為になる為認められません。
その上で、今後もこうした非効率な業務対応がしばしば発生するようであれば、打ち合わせをオンライン化される等、業務運営の見直しを検討されるのが妥当といえるでしょう。
投稿日:2022/10/14 21:47 ID:QA-0120065
相談者より
ご回答ありがとうございます。
労基法上ではなく、労働契約によって、1日8時間就業できる場を提供しなければならないので控除できないということで、よく理解できました。
弊社として控除するということではなく、法的にどうなのかを理解して制度設計することが重要と思っており、質問させていただきましたので、ご回答とてもよく理解ができました。
追加で以下質問です。
逆に、現在GPSで場所の確認ができるため、出張時も残業代を支払っています。
みなし時間を適用するには、就業時間を適切に把握できないからみなし時間を適用できると認識しております。GPSで場所の確認ができ就業時間を把握(本当に仕事しているかどうかは管理者がいないと本当の意味では把握ができていないのは理解しています。)できる場合は、逆にみなし時間を適用することはできないと考えておりますが、GPSがあってもみなし時間を適用することは可能なのでしょうか?
投稿日:2022/10/19 09:52 ID:QA-0120135大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
出張
移動で片道3時間の移動は通常出張であり、終日拘束を受けた業務となります。
これでは担当した者が単に貧乏くじを引いただけで全く合理性もなく、モチベーションなどわきません。このような過酷な移動を命じるなら、減給はあり得ず出張として扱い、通常より手当を付けるなどが不通です。
投稿日:2022/10/14 23:45 ID:QA-0120067
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
業務命令の下、6時間を費やして打ち合わせのために顧客先に移動をしているわけですから、その時間を控除して、単に打ち合わせのために要した2時間のみを労働時間として算定するということは、社会通念からいっても相当性がありません。
1日の所定労働時間を8時間としているのであれば、労働時間は8時間とし、8時間分の賃金を支払うのが適正な労務管理といえます。
実際問題としまして、労働時間を2時間とし、6時間分の賃金を控除するとなれば、出張命令に黙って従う社員はいないでしょう。
投稿日:2022/10/15 09:02 ID:QA-0120070
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
直行直帰の出張時の労働時間
▼直行直帰をする場合、労働時間については「社員が管理監督者の指揮下に入ったかどうか」が基準になります。その基準に基づいて、直行・直帰届出書を活用しながら、労働時間を把握するようにします。
▼把握が困難な場合は、事業場外みなし労働時間制を適用することがお薦めです。労働時間の把握ができる場合は、社員の申告をもとに、客観的に労働時間の妥当性を判断しながら労働時間を算出します。
投稿日:2022/10/15 10:45 ID:QA-0120072
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
追加のご質問の件ですが、内容を拝見する限り労働時間の計算は可能とお見受けいたしますので、そうであればご認識の通りでみなし労働時間ではなく実際の労働時間での適用をされなければなりません。
投稿日:2022/10/19 22:18 ID:QA-0120154
相談者より
ご回答ありがとうございます。
出張の際は、実質労働時間は2時間程度の場合が多いので、みなし時間を適用した方がよいのですが、8時間を超えて労働する場合もありますので、難しいところでございます。
8時間未満の場合はみなし時間を適用し超える場合は残業としてカウントするようなミックスがよさそうな気がしています。社内で検討いたしたいと思います。
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2022/10/20 09:50 ID:QA-0120160大変参考になった
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