減給処分の限度額について
昨年途中まで役員だった社員がおります。その社員が個人の事情により自己破産しました。ところが、その者が役員時代に自社株購入のために金融機関から借りたお金の連帯保証を会社が行っていたため、会社に大きな損害が発生しました。その処分として大幅な減給処分を行おうと考えております。本人から提出してもらった始末書には「いかなる処分にも従う」という一筆はとっているのですが、現実問題としてどのくらいの減給までは問題ないのでしょうか。ちなみに昨年、役員から社員になった時点で30%ほどの報酬ダウンになっております(規定通り)。ご教授願います。
投稿日:2008/03/12 01:48 ID:QA-0011732
- *****さん
- 東京都/その他業種(企業規模 31~50人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
周知の通り、制裁による減給制限は労働基準法第91条で「1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」とされています。
純粋な役員報酬の場合ですと上記制限にかかりませんが、本件の場合は現時点で労働者の地位、つまり賃金の支給になっていますので上記法令による制限を守ることが必要です。
またそれとは別に、連帯保証人になった時点でその責任の重大性からこうしたリスクはある程度想定されるものといえますし、さらに文面のような業務外の理由で減給制裁というのは妥当性に欠けるというのが私共の見解です。
投稿日:2008/03/12 10:34 ID:QA-0011737
相談者より
投稿日:2008/03/12 10:34 ID:QA-0034711大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
民法上の債務不履行で減給処分は妥当?
■役員時代の金銭消費貸借契約に対する連帯保証は(たとえ自社株購入が目的あったとしても)純粋な民法に基づく法律行為です。次に、役員から社員になった時点での報酬減額は、委任契約の解消、労働契約の締結に基づく「規定通り」の変更です。既に、ご回答されていますように、前者の弁済不履行はあくまで民法による本人(主たる債務者)に対する求償として対処すべきで、新しく締結した労働契約に影響させるのは妥当性を欠くことになります。
■ところで、連帯保証人としての肩代り弁済の債務者に対する求償はどのようになっているのでしょうか。求償できる範囲や方法は、保証人となった経緯に応じて異なってきます。主たる債務者からの委託を受けずに保証人となった場合は、肩代わりで弁済した当時、主たる債務者が利益を受けた限度に求償は限定され、「会社の大きな損害」イコール「本人の会社に対する債務」とならない可能性もあります。
投稿日:2008/03/12 13:08 ID:QA-0011742
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