完全月給者の残業について
Aは、60才定年時に完全月給の管理職であったため、定年後嘱託社員として完全月給で継続雇用しました。約4年前です。
今回子会社の経理担当が突然退職したためAが急遽決算業務のため応援することとなりました。
その結果約30Hの残業が発生し、Aは残業手当の支給を求めてきました。
完全月給者であるため残業手当の支給は必要なしと考えますがいかがでしょうか。もし支給するとした場合、現行の給与をベースに割増をつけると極めて高額な残業手当となってしまいます。
投稿日:2007/11/23 14:35 ID:QA-0010577
- あーさん
- 愛知県/機械(企業規模 1001~3000人)
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ご利用頂き有難うございます。
最初に申し上げますが、通常使われる「完全月給制」とは、月の労働日数・時間により固定給与が決まっており、欠勤や遅刻早退等によって賃金控除をしない」という意味で用いられますので、同制度を適用したからといって残業代が不要にはなりません。
そこで、残業代が不要、さらに言えば労基法上の労働時間・休日・休憩が適用除外となる管理監督者につきましては、相当厳格な要件を満たすことが求められます。
経営者と一体をなし、賃金等でも厚遇されており、厳格な出退勤の管理を受けないといった要件が必要ですが、具体的な基準迄は示されていませんので、個々の事情により実態に応じて判断されることになりますので注意が必要です。
さて、ご相談の件の場合ですが、
・(恐らくは)会社の指示によってやむなく当業務に就かざるを得なかったこと
・当業務が通常の管理監督職の業務内容とは明らかに異なり、一般従業員が行なうべき内容であること
・当業に費やした労働時間が管理職業務と区別され具体的に計算可能なこと
から考えますと、通常の管理職業務とは全く異質なものと推察されますので、通常であれば管理監督者として認められる者であっても、別業務扱いで割増賃金を支給すべきというのが私共の見解です。
しかしながら、同時に割増賃金の算定基礎となる給与が、明確に異なる作業内容によって変わることも計算上認められています。
本件の場合ですと、法的要件を満たした管理監督職本来の業務ではそもそも残業代が発生する余地が無く、加えて明らかに別作業での残業となりますので、前職が受けていた賃金を算定基礎として割増賃金を計算することが妥当といえます。
投稿日:2007/11/23 19:59 ID:QA-0010578
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