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HR業界TOPインタビュー「人・組織」ビジネスを牽引する希代の経営者

株式会社学情 代表取締役社長

中井 清和さん

他社にない事業を手がけ、困っている顧客に寄り添い続けて40年
絶大な信用を誇る朝日新聞との提携で次のステージへ [1/4ページ]

(2015/9/28掲載)
中井清和さん
「採用広報解禁3月、選考開始8月」の新スケジュールが導入された2016年度の新卒採用戦線では、企業の採用意欲の高まりを受け、学生の大手志向が例年以上に強まったといわれています。一方、採用活動にかけるマンパワーが必ずしも十分ではなく、新スケジュールによる負担も大きい中堅・中小、ベンチャー企業は、この厳しい状況下、どうすれば必要な人材を確保することができるのでしょうか。その難問への回答につながる画期的な商品やサービスをリリースしているのが、中堅・中小、ベンチャー企業の採用支援に定評のある株式会社学情です。朝日新聞との提携により学生と企業との最適なマッチングを実現する「あさがくナビ」や、日本初の合同企業セミナー「就職博」、第二新卒をはじめ20代の若者の就職・転職を支援するサイト「Re就活」など、中堅・中小企業の採用課題を解決する数々の“業界初”は、創業者の中井清和社長のひらめきと実行力によって生み出されました。採用関連業界を絶えずけん引しながら、「この業界には正義がない」と喝破する中井社長。そこには、どんな思いが込められているのでしょう。じっくりと伺いました。
プロフィール

中井清和(なかい・きよかず)●大阪府出身。 1972年近畿大学法学部卒業後、広告会社に入社。76年に総合広告代理業の実鷹企画を創業して社長に就任。2000年、社名を株式会社学情に変更。 02年ジャスダック、05年東証二部、06年同一部上場。

生真面目に、誠実に――人員整理への反発から独立を決意

―― 中井社長が、株式会社学情の前身となる会社を起こされたのは1976年、28歳のときでした。もともと広告代理店として創業されたそうですが、自分でビジネスをしようという志は、最初からお持ちだったのですか。

いいえ、そうではありません。当時、勤めていた広告代理店で、経営危機に伴う大幅な人員削減が行われたのが、直接のきっかけです。私自身は20代だったので(リストラの)対象外でしたが、会社の現実を目の当たりにしたとき、そこに自分の将来を託す気にはどうしてもなれず、退職を決め、思い切って独立することにしたのです。元部下も何人かついて来てくれました。石油ショックの混乱が尾を引き、円高不況に見舞われるなど大変な時期でしたが、前の会社で営業職として、部署全体の売上のほぼ半分を私一人で稼ぎ出していましたから、食べるのに困ることはないだろうと思っていました。実際、初年度から黒字で、赤字を出したのは39年間でただ一度、2009年のリーマンショックのときだけです。

―― 必ずしも経営環境が良くない中、退職し、若くして独立開業に踏み切ることができたのは、ご自分の手腕に自信があったからこそでしょうね。

もちろんそれもありますが、一番の理由は、やはり社員をリストラする会社が許せなかったことです。あれがなければ、私は今もあの会社に残っていたでしょう。サラリーマンはみんな大なり小なり、会社に自分の人生を賭けているわけです。そういう人たちに、肩たたきという形で退職を強要するのは違うのではないか。このときの体験が、人材に関わる仕事、つまり就職情報事業という現在のビジネスにつながる、私の原点なのです。

だから私は、弊社の社員にも「生真面目な仕事をしてほしい」と、口を酸っぱくして言うんです。ただの真面目ではなくて“生真面目”。そして誠実でなければいけません。論語の教えに「巧言令色鮮し仁」という言葉がありますが、人材関連の仕事は、口がうまいとか、ハッタリを利かせるとか、そういう舌先三寸では絶対にうまくいきません。人の一生がかかっている仕事ですからね。弊社が、確実に成長を遂げ、東証一部に上場できたのも、一貫して生真面目に、誠実にやってきた成果だろうと思っています。

――「過去に赤字を出したのは一度だけ」ということでした。とはいえ、独立した当初は経営者としていろいろとご苦労もあったのではないでしょうか。

中井清和さん インタビュー photo

ベンチャー企業の若い経営者によく言うのですが、もうかった以上に、お金を使ってはいけません。赤字を避ける鉄則です。ただしそうすると、最初のうちは、自分の給料と呼べるようなものは出ませんし、出張してもホテル代などは使えません。野宿とは言わないまでも、サウナに泊まるのが関の山。お金の面では、たしかにそういうしんどい思いをしましたね。それともう一つ、社会的な信用力や知名度のなさでも苦労しました。前職は大手新聞社系の広告代理店でしたから、なんだかんだ言っても、会社の“看板”で仕事をしていた部分が大きかったわけです。聞いたこともない社名で勝負することがどれほど大変か、独立して初めて思い知りました。

――信用力や知名度を高めるために、中井社長はどういう手を打たれたのですか。

二つあります。一つは、有名な企業と取引すること。創業当初は広告代理店として物販広告を扱っていましたので、その頃ですと、松下電器産業(現パナソニック)さんや、飲料メーカーのヤクルト本社さんといった企業に的を絞ってアプローチしました。そのような名の通った企業は、仕事の要求水準も高くて、とても苦労しましたが、その分鍛えられました。有名な企業と取り引きした実績があると、信用が増し、さらに多くの会社と取り引きがしやすくなるのです。

そしてもう一つは、創業して3年目ぐらいからでしょうか、オフィスをより有名なビルに構えるようにしたのです。古河大阪ビルや、住友中之島ビルなど。「そのような場所にある会社なら間違いない、信用できる」と、お客様にも評価してもらえます。土地柄や建物の“格”が、ビジネスをサポートしてくれるわけです。ただ、そのようなビルの場合、新しい会社はなかなか入れてくれません。われわれが住友中之島ビルに移るときも、入りたいと意思表示してから、半年ぐらい返事を先延ばしされました。


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