「やってみなはれ」で次世代リーダーを抜てき
グループの垣根を超えて世界をつなぐ、サントリーの人材育成とは
サントリーホールディングス株式会社 ヒューマンリソース本部 グローバル人事部 部長 田中 憲一さん
サントリーホールディングス株式会社 ヒューマンリソース本部 グローバル人事部 課長 長原 優子さん
全方位かつ同時多発的な取り組みが、組織風土を育てる
“One Suntory”の実現に向けて、実にさまざまな取り組みをされているのですね。
田中:グローバル人事を推進していくときに、何かひとつの制度だけで組織風土が変わることはありません。いろいろなアングルからさまざまな取り組みを同時多発的に実践していくことで、「サントリーらしさ」の理解が深まったり、「会社から求められていること」が社員に浸透したりするのだと思います。今、“みんなでOne Suntoryを実現していこう”というムードが生まれているのも、2016年から多くのチャレンジを行ってきた成果ではないでしょうか。
人事本部主導のさまざまな取り組みやチャレンジは、どのようにして生まれているのですか。
田中:トップダウンで進む取り組みもありますが、ボトムアップから始まる取り組みも多いですね。これもサントリーのカルチャーですが、若手社員が「こういうことをやりたい」と提言をして、挑戦するケースも少なくありません。
長原:先日、2030年に向けて、人や組織に関わる提言を人事部門でまとめました。そのプロジェクトにかかわってくれた最年少のメンバーは、入社3年目の若手です。「主権在現場」のカルチャーがあるので、経営層が社歴を問わず現場の意見を吸い上げてくれる。そんなサントリーの風土が、社員一人ひとりの主体性を引き出していると感じます。
最後に、これからグローバル人事部が目指す未来についてお聞かせください。
田中:さまざまなグローバル企業と比較して、「サントリーの強みは何か」と考えると、もともと日本で大切に育まれてきた創業精神や価値観、カルチャーにたどり着きます。商売人としての開拓スピリット、利益を社会に返していこうという姿勢、そして「人が命」という考え方のもと社員を大切にする風土。社員がサントリーという会社に愛着と誇りを持って、いきいきと働いているんです。どんな時代も継承され続けてきたこの「サントリーならでは」を、グループ各社に浸透させていきたい。
また、就職先や転職先を探すときに、世界中の人から「サントリーならやりたいことを実現できる」「共感できるカルチャーのもと成長できる」と思ってもらえるグローバル企業でありたいと考えています。そのためにもまずはグループの垣根をなくし、世界をつないでいくタレントマネジメントを推進していくことが求められます。“One Suntory”を実現する組織づくりに、より一層力を注いでいきたいですね。