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となりの人事部
第85回 古河電気工業株式会社

OJTリーダー制度で、創業130年の企業文化に新しい風を
古河電工が取り組む組織風土改革とは(前編)

古河電気工業株式会社 戦略本部 人事部 人材育成(採用・教育)担当部長 上原 正光さん
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古河電気工業株式会社 戦略本部 人事部 人材育成(採用・教育)担当部長 上原 正光さん
光ファイバケーブルをはじめ、多彩な最先端の技術で生活や産業を支える古河電気工業。創業から133年もの歴史を持つ同社の技術力は、階層別・部門別にセグメントされた細やかな教育体制に支えられています。中でも、各組織で選出された「OJTリーダー」を中心に、組織のメンバー全員で新人を育成する「OJTリーダー制度」の取り組みは、組織力の強化にもつながっているそうです。しかし、そんな同社も、かつては「教わるのではなく、先輩の背中を見て学べ」という環境で育ってきた社員もいて、すべての先輩社員が部下育成の大切さを理解しているわけではなかったといいます。こうした育成の課題は、「組織のコミュニケーション不足にある」と考え、旗振り役として組織変革に挑んでいるのが、人事部・人材育成担当部長の上原正光さん。着任当初の社内の状況や、取り組みへの思いなど、上原さんにお話をうかがいました。
プロフィール
古河電気工業株式会社 戦略本部 人事部 人材育成(採用・教育)担当部長 上原 正光さん プロフィール写真
上原 正光さん
古河電気工業株式会社 戦略本部 人事部 人材育成(採用・教育)担当部長
うえはら・まさみつ●1987年入社。光ファイバの日本幹線網構築に向けた光ファイバ母材合成工程の量産化技術開発に携わった。研究から製造への技術移転、工場建設、母材大型化技術開発を担当した後、海外技術部で光ファイバの海外市場対応を担当。2002年資材部に異動し、グローバル集中購買、購買システムによる購買価格低減活動を担当。2006年営業企画部に異動し、海外販売会社管理を担当する傍らマーケティング教育に携わる。2008年から人事部で教育を担当。2012年に現職として教育、採用を担当。

悩みを一人で抱え込む新人 原因は本人のみでなく社内のコミュニケーション不足にも

―― 2008年、上原さんが人事部に着任された当時、社員に対してどのような課題意識をお持ちでしたか。

当社には、毎年100名ほど新入社員が入ってきます。そのうち、技術系は8割程度でしょうか。古河電工での仕事や会社生活に夢を抱いて、いきいきとした表情で入社してきます。しかし半年もすると、なんとなく疲れ顔になっている人が出てくるんです。もちろん、学生から社会人への変化は大きいので、心理的・精神的ストレスは誰でも感じると思います。それでも、せっかく強い意欲を持って入社してきたのだから、そのモチベーションをできる限り維持してほしい。

そこで、新入社員に話を聞いてみたところ、悩みを周囲に相談せず、一人で抱え込んでいるケースが散見されました。それならば、周囲のフォローアップで解決できるのではないかと、以前行っていたブラザー制度の復活を含め、対応の仕方を検討することにしたのです。

―― 新人は、なぜ相談せずに悩みを抱え込んでいたのでしょうか。

最近の新入社員の特徴は、真面目で頑張り屋。何でも受け入れてとことん取り組む性格の社員が多いように思います。学生のうちは先生から課題を与えられ、それをしっかりこなせば評価してもらえたので、明確な答えがないビジネスの世界に戸惑いがあるのかもしれません。

また、新人を育成する組織にも問題がありました。課長層に「新人との関わり方」を調査したところ、部下の育成に積極的に関与できていないという意識があることがわかったのです。理由は大きく分けて二つ。「時間がない」ことと、「手法が分からない」ことです。「仕事は先輩の背中を見て学べ」という育てられ方をした忙しい課長たちは、「自分たちと同じように、新人は先輩の背中から学ぶべきだ」と考えていたのでしょう。

この現状から、新人のモチベーションを維持し、いきいきと活躍できる人材を育成していくには、コミュニケーションがとれていない組織全体を変える必要があると感じました。

―― 貴社では、どのような人材が求められているのでしょうか。

社員に持っていてほしいコンピテンシーとして、「思考力」「主体性」「協働力(コミュニケーション能力)」「感性」の4点を重視しています。

このような人材を育てるため、昭和34年から続く弊社の教育要綱には「会社の限りない発展は、常に有能有益な人材の輩出にあり、その育成の為不断の社内教育を行う」と記載されています。そのためには、社員たちが自分の知見を他者にどんどん共有し、学び合える環境が不可欠。しかし理想と現実にギャップがあったので、組織風土改革に取り組むことを決めたのです。


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