ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社:
年齢も役職も関係ない。会社を変革したい人が内省を通してリーダーシップを学ぶ
ユニリーバ・ジャパン・Uリーダーシッププログラム(UJUL)とは(後編)[前編を読む]
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役人事総務本部長
島田 由香さん
UJULのコミュニティーを、いかに広げていくか
今後の課題として、どのようなことを認識されていますか。
UJUL1、UJUL2に参加したメンバーには、内省力を継続して高め、望む現実を自ら作れる力を高めていって欲しいです。そのことが変革につながると確信しています。さらにどんなことがそのためのサポートになるのかを、もっと考えていきたい。10回のセッションが終わると、それぞれが深い内省と気づきを得て、変わることができます。問題はその後をどうするか、ということです。現実的には日々の仕事に埋もれて、新しいことにチャレンジしなくなってしまうという状況もあります。あるいはどこかで、私が何かをしてくれることを待っている、受け身の姿勢も感じることもあります。しかし、私としてはもっと、メンバーの方から「こういうことをやりたい」という意見や会社へのリクエストを、自発的にどんどん出しほしいと思っています。
そのきっかけの一つになればと考え、年末にかけて、UJUL1、UJUL2合同による特別セッションを複数企画しました。ここではもう一度、学びを振り返り、新しい知識と経験、技法を得る、各人の力を高めていきたいと考えています。そして、翌年の2月から始まるUJUL3では、UJUL1、UJUL2の人たちにも、受講はもちろんオープンですし、カギとなるセッションには再度参加してもらう予定です。このようにして、UJULのコミュニティーを広げていきます。
UJULを実施した後、「参加して良かった」だけの定性的な感想で終わってしまうのは物足りず、UJULの効果を客観的に測定するために、定量的なアセスメントと外部コンサルタントによるグループインタビューを実施しています。これまでの結果からは、「メンバーが受容できる・受容される環境で仕事をすると、組織への貢献意欲が高まる」「どのようなことを発言しても受け入れられるという環境が重要である」「個人の成長は、トレーニングプログラムの内容だけで決まるのではなく、参加者本人の意思、目標、目的、職場の環境等で左右される」ということが分かっています。
最後に、人事部の方々へのメッセージをお願いします。
人事という仕事に就いていることは、とてもラッキーだと思います。人事が一番会社を変えたり、影響を与えたりすることのできる部署だからです。人事は社員、経営陣の最も近くにいる存在です。そして、全ての部署に対してサービスを提供することを考えながら、全体のことも考えていく部門です。非常にチャンスの多い、恵まれた仕事だと言えるでしょう。だからこそ、人事にいる自分はラッキーだと思い、いろいろなことを前向きに試してみてほしい。楽しんで仕事ができれば、自ずと出てくる結果も違ってきます。日本の企業の人事部の人たちが全員、そのように考えることができれば、日本社会は良い方向へと進んでいくのではないでしょうか。いろいろな企業の人事がつながってより強くなることによって、日本をどんどん良くしていけたらいいと思っています。