ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社:
年齢も役職も関係ない。会社を変革したい人が内省を通してリーダーシップを学ぶ
ユニリーバ・ジャパン・Uリーダーシッププログラム(UJUL)とは(後編)[前編を読む]
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役人事総務本部長
島田 由香さん
安心・安全な場を作ることの意味
UJULがまさにコミュニティーとしての場となっているのですね。
セッションでは、自分の中にあるものを全て外に出すことになります。ある問いに対して、自分がどう思い、どう関わっていくかを見に行くのです。そういう意味で、UJULは自分の内面を出しても安心・安全な場と言えるでしょう。ありのままでいられる場と仲間が揃うと、学びは格段に深くなります。
現実に、職場の中で安心・安全な場を作ることは難しいかもしれません。何かしらの利害関係や上下関係があるからです。それでもUJULのように内面を外に出すことを心がけることで、安心・安全な場を作ることができます。事実、安心・安全な場ができたことによって、セッションを重ねるごとに、「今まで苦手だった人と垣根を作ることなく、話ができるようになった」「自分の意見をストレートに言うことができるようになり、周囲の人たちと建設的な意見交換ができるようになった」といった声が聞かれるなど、実際の職場でもいろいろな効果が出ています。
セッションの回数を重ねるごとに、効果が出てきたというわけですね。
私としても、それは本当にうれしいことでした。第一回目の時は、とにかく開催することが大事で、そこに私のエネルギーが向いていたような気がします。しかし、第二回目は、「場作り」を強く心がけました。結果、私が一人で全てを仕切るのではなく、皆で協力し合って、場を作っていくようになってきたように感じます。案内文をボードメンバー全員の連名で出せるようになったことも、その一つの表れだと思っています。
また、第一回目がUJUL1、第二回目をUJUL2として、ニつのグループが形成されています。何かあったらそれぞれのグループの中でシェアする、協力し合うなど、コミュニティーとしての形ができています。私としては、このグループにもっと気づきの場や新しい機会を提供していくことを考えています。来年はUJUL3を開催する予定ですが、そうすると、全社員の中で約2割の人がUJULに参加したことになります。2割となると、組織における存在感も出てきますし、変化の力もかなり大きなものとなると思います。
実はUJULは、ユニリーバ・ジャパンという日本法人が独自でやっていることで、グローバルの視点からすると本来ですと奨励されないことです。しかし、その重要性を日本の経営トップはもちろん、中国にいる私の人事の上司がとてもよく理解してくれています。「グローバル企業としてグローバルの指針に基づき人材育成することの意味は理解できるが、ローカルのことはローカルにしか分からないのも事実。日本の事情は日本法人が一番よく分かっているのだから、任せることが大切だ」と、ローカルフレキシビリティの重要性について認めてくれていることにも、とても感謝しています。