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“九×九”の小宇宙に魅せられて
壁を突破し、自己を変革し続けるトップ棋士の勝負哲学とは(前編)

将棋棋士

森内俊之さん

負け方が大切――死力を尽くした敗戦が最大の転機に

小学6年生でプロ棋士の卵として、羽生善治さん(現四冠)らとともに奨励会に入会されました。将棋を一生の仕事にする覚悟や自信は、すでに固まっていたのですか。

覚悟や自信があったのかと言われると、そこまで確固たるものはなかったかもしれません。母方の祖父がプロ棋士だったことから、“サラブレッド”と呼ばれることもありますが、祖父は私が生まれる十年前に他界し、形見なども残っていなかったので、小さい頃は将棋とはほとんど無縁で育ちました。

森内俊之さん(将棋棋士)

そんな私が将棋と出会ったのは小学三年生の頃。運命的でもドラマチックでもなく、当時クラスで流行していたから、というありきたりなきっかけでした。それでもテレビゲームより何より、将棋をしている時が一番楽しくて、一生続けていけるなら、その道へ進んでみたいなと。「野球選手やサッカー選手になりたい」といった、子どもらしい考えからだったと思います。ただ先ほど申し上げたように、棋士は若くしてピークを迎えるので、かなり早い段階でその世界に入らないとプロにはなれません。小学生から、遅くとも中学生ぐらいまでの間に決断するのが一般的です。

なぜ、そこまで打ち込めたのでしょう。将棋のどのような魅力が、森内さんご自身を厳しい勝負の世界に導き、現在の地位にまで押し上げたのだと思われますか。

年齢や性別を問わず、常に対等でフェアな戦いができ、指した分だけ強くなれる――将棋に目覚めた頃の自分にとっては、そこが一番の魅力でした。将棋という競技は、いろいろな段階を経て成長できるし、やればやるほど奥が深い。局面は無限で、どこまでいってもゴールがありません。“九×九”の狭い盤の上での勝負ですが、「そこに宇宙がある」とも言われるくらいです。現に、将棋そのものはどんどん進化し続けています。私自身、新しい戦法の流行を追ったり、若い人の考え方を研究したりすることが好きなので、それも長く続けてこられた一因かもしれません。一昨年、日本将棋連盟から勤続25年の表彰を受けました。まだ四十過ぎなので、他の世界の方に話すと驚かれますけれど。新しい壁が次々と現れ、それに対応しながら指し続けていたら、いつの間にか現在の場所に到達していた、というのが実感ですね。

将棋人生の転機となった、特に印象深い勝負や対局についてお聞かせください。

何が転機か、一つだけを選ぶことはできませんが、例えば初めてのタイトル戦。最高の舞台に立つ前と一度でも立った後とでは、やはり気持ちがまったく違いました。実際にそこへたどり着くまでは、自分はどこまで行けるのだろうという不安や悩みを抱えていましたし、それゆえに対局中の心の揺れも大きかったと思います。

森内さんにとって初めてのタイトル戦は1996年、同期生で当時七冠を占めていた羽生善治さんとの名人戦でした。

その一戦がひときわ印象深いのは、勝負所で羽生さんに、自分がまったく気づいていなかった、すごくいい手を指されて負けたからなんです。羽生さんにだけ見えていて、私には見えていないものがある。死力を尽くした末に、自分の限界をはっきりと思い知らされた勝負でした。そしてそれこそが、私にとって最大の収穫だったのです。

負けたという結果自体は「仕方ないな」というくらいの感覚なんです。心の葛藤のようなものはあまり感じません。勝つ人がいれば、負ける人もいる。誰もが簡単に勝てる世界ではありませんから。その中で最高の舞台にはたどり着いたけれど、最後の壁が破れなかった。実力がすべてです。引きずってしまいやすいのは、本来、自分が勝つべき勝負を自分のミスで落とした時でしょう。技術的な未熟さによるミスは自分の実力なので、仕方がないと思えるのですが、そうではなく、自分の気持ちの甘さや弱さで本来できるはずのことができずに負けると、とても後悔しますし、長く引きずってしまいます。

「気持ちの甘さや弱さ」はどういう時に出やすいのでしょうか。

森内俊之さん(将棋棋士)

局面は明らかに有利で、そのまま真っすぐ間違いなく指せば勝てると分かっているのに、ミスをおそれて安全策に走ったり、直線的に踏み込む勇気を出せなかったりして形勢逆転を許すのが、私の場合、典型的な負けパターンなんです。はっきりと勝負をつけにいくのをためらい、それでちょっと差が詰まると、ますます怖がってしまう。安全に指しているつもりがかえって自分を危うくして、自滅するということが、若い頃にはよくありました。

野球に例えると分かりやすいかもしれません。ゲームは終盤八回。自軍が3点リードしている状況で、相手の反撃を受けたとします。本来なら打ち取れる相手なのに、「3点勝っているから1点ぐらいいいか」と安易に構えると、とたんに相手を調子づかせたり、1点でも点差が詰まることでプレッシャーがかかったりして、逆転負けを喫するケースがよくありますよね。1点も与えないと腹をくくれば思い切って勝負するしかないのに、無理せず1点ぐらいならいいかと考えるから崩れてしまう。自分の甘さや弱さから勝てる勝負を落とすと、本当にショックが大きいんです。羽生さんのような強い相手と戦うと、そもそもそういう負け方にはなりにくい。同じ負けるにしても、死力を尽くした敗戦は、相手のミスで拾った勝利よりも学ぶものが多いんです。だから私は、負け方を大切にしています。負けても、戦いが続くのがプロ。負けを引きずるのが一番いけません。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「HRペディア「人事辞典」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

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この記事ジャンル 能力開発関連制度

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