学生は企業を社員で判断する
三宅 航太(みやけ こうた)
一方、アプローチを受けた経験が「ある」と回答した学生に、アプローチを受けて「良くなかった・ためにならなかった」と感じた経験があるかを聞きました。26.6%が「ある」と回答しました(図29.1)。
「良くなかった・ためにならなった」経験が「ある」と回答した学生に、具体的にどのようなことが良くなかったのかを聞いたところ(複数回答)、最多は「本人の言動が不快だった」で33.3%でした。次いで、「他の応募者と同じ選考過程だった」22.2%、「採用選考のプロセスがよくわからなかった」20.0%となっています(図29.2)。
二つの結果から言えるのは、アプローチをする社員の人選と接し方が、好印象を持ってもらうカギになるということです。良かったことの最多は「会社の社風や雰囲気を知ることができた」で、良くなかったことの最多は「本人の言動が不快だった」です。いずれもアプローチをしてきた社員に「どんな印象を持つか」によって、判断が左右される部分が大きいと言えます。
採用に関わる社員は、会社の顔です。特に学生は、社員の印象で企業をイメージする傾向にあります。会社説明会で担当者の印象がよいと、イメージがアップするという調査結果も出ています。採用活動は、企業が応募者を選ぶプロセスであると同時に、応募者に選ばれるプロセスでもあります。採用に関わる社員は、「どんな人が自社の顔にふさわしいのか?」を考慮して選出しましょう。
【参考資料】2016年3月卒業予定者の就職活動に関する調査(2015年4月1日状況)
調査対象:2016年3月卒業予定で、民間企業への就職を希望している大学4年生・大学院2年生
有効回答者:605人
調査期間:2015年4月1日~3日
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●文/三宅 航太(みやけ こうた)
アイデム人と仕事研究所 研究員。大学卒業後、出版社の営業・編集、編集プロダクション勤務を経て、2004年に株式会社アイデム入社。同社がWEBで発信するビジネスやマネジメントなどに役立つ情報記事の編集業務に従事する。人事労務関連ニュースなどの記事作成や数多くの企業ならびに働く人を取材。
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