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【ヨミ】リシュメン リシュ面

「リシュ面」とは、「履修履歴面接」の略。企業の採用選考において、学生に大学の成績証明書などの履修履歴の提出を求め、それを面接官と学生の双方が参照しながら、学業に対する考えや行動について質問・応答する面接のスタイルを指します。履修履歴に関する質問は、サークル活動やアルバイト経験などに関する質問に比べて、回答に脚色や誇張を入れる余地が少なく、学生の真実の姿をより正確に知ることができるといわれています。2015年12月に経団連が改定・発表した「採用選考に関する指針」にも、採用選考における留意点として盛り込まれたことから、注目を集めています。
(2015/12/25掲載)

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リシュ面のケーススタディ

成績表にもとづく“ウソのつけない”面接法
「やらなければならないこと」への姿勢判定

「あなたが一番力を入れた授業はどれですか? 力を入れた理由は?」
「これらの履修科目を選択した理由は何ですか? 選択の基準は?」
「出席していくうちに興味を持った授業はどれで、その理由は何ですか?」
「管理会計とは、どういう内容ですか? わかりやすく説明してください」
「この科目の成績が下がった原因を自己分析してください」
「マーケティング論とマーケティング戦略論の授業によく出ていたと言っていましたが、二つの授業の最も大きな違いを教えてください」

採用面接の冒頭約5分。大学の成績表を確認しながら、このような履修履歴についてのやりとりを学生と交わす場面が、大企業を中心に広がっています。履修履歴面接あるいは履修履歴活用面接、略して「リシュ面」と呼ばれる新しい面接手法です。素材メーカーの帝人では2013年から、日本たばこ産業(JT)は14年から、成績表に沿って質問を掘り下げ、学生の素顔に迫るリシュ面を採用選考に導入しました。

「リシュ面」は学業を中心とした面接です。しかしその目的は、単に成績の良し悪しを見ることではなく、成績や学業に臨む姿勢を手がかりにして、学生の行動や考え方を多面的に把握することにあります。従来のエントリーシートに沿った面接では、学生が問答を想定しやすく、本当の人物像や内面の深い部分にまで迫ることができません。企業が知ることができるのは、志望動機など学生本人がPRしたいことや、サークル活動、アルバイトなど本人が得意なこと、やりたくてやったことばかりでしょう。しかし成績表を使って質問をすることで、大学での学業という「やりたくなくてもやらなければいけないこと」「必ずしも得意ではなくモチベーションがあがらないこと」に対してどのように考え、取り組んだか、学生の行動特性がわかるのです。それは、ストレス耐性を測る指標ともなります。

また、学業に関する質問の場合、学生が自分を少しでも良く印象づけるために、回答に脚色や誇張を容れることが困難です。面接官が目の前で成績表を確認している以上、たとえば得意でもない科目を得意だと答えたりすると、実際の成績との食い違いを指摘されるか、授業内容を説明するように突っ込まれてウソが露見するのがオチでしょう。「リシュ面」では、冒頭5分に授業や成績に関する質問・回答を交わすことで、嘘がつけない雰囲気を醸成することができるのです。

このような利点から、かつては合否判断にはあまり重視されず、企業が学生に提出を求めるのは、最終面接や内々定時であった成績表ですが、数年前から面接に使う企業が増えてきました。こうしたことから、15年12月7日に改定された経団連「『採用選考に関する指針』の手引き」にも、選考活動における留意点として、「大学等の履修履歴(成績証明書等)について一層の活用を検討することが望ましい」との記述が盛り込まれました。

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