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人事の解説と実例Q&A 掲載日:2025/10/30

連絡が取れない内定者の内定を取り消しにできるか――法的根拠と予防策

入社を期待していた人材と連絡が取れなくなるのは、企業側にとって大きなショックですが、安易な内定取り消しは「解雇」と見なされ、損害賠償を求められる法的リスクを伴います。人事部門にはそのリスクを理解し、慎重かつ適切な手順を踏むことが求められます。本記事では、内定取り消しを判断するための法的根拠、現場で取るべき具体的な手順、トラブルを未然に防ぐための内定者フォローについて解説します。

連絡が取れない内定者の内定を取り消しにできるか――法的根拠と予防策

一方的な「内定取り消し」は解雇とみなされる

法律上における内定は「始期付解約権留保付労働契約(解約権を留保した始期付労働契約)」が成立した状態とみなされます。これは入社日を始期としつつも、特定の事情があれば取り消せる可能性を残した契約であり、すでに労働契約は成立しているが、特定の事由が発生した場合に企業側が解約できる権利(解約権)を留保している状態を意味します。

「始期付解約権留保付労働契約」の考え方に基づけば、企業側の一方的な内定取り消しは解雇にあたるため、自由に内定を取り消すことはできません。解雇権濫用法理(労働契約法16条)により、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でないと認められる場合は、内定取り消しが違法・無効と判断される可能性があります。

一方で、内定段階では具体的な就労が始まっておらず、賃金も支払われていないという特殊性から、判例上「通常の解雇よりは広く解約権行使が認められる」と解釈されます。ただし、自由に取り消せるわけではなく、企業が内定時に知ることができなかった事実に基づき、かつ客観的に合理的で社会通念上相当と認められる場合に限られることに注意が必要です。

音信不通を理由とする内定取り消しの法的ハードル

連絡が取れないことを理由に内定を取り消す場合、解約事由に該当するかを検討するため、内定者に「入社の意思がない」と判断できるかどうかが鍵となります。

ただし、内定者からの連絡がない場合でも、企業が十分なフォローアップや確認の努力を怠っていると、内定取り消しは不当と見なされるリスクがあります。返信期限を誤解していたり、メールが迷惑フォルダに振り分けられていたりするなど、単純なコミュニケーションミスが原因であることも考えられるため、企業側は合理的な努力を尽くした上で、最終手段として「入社の意思がない」と判断すべきです。

内定取り消しまでの現場対応3ステップ

内定者と音信不通になった場合、法的リスクを回避するため、連絡を試みた履歴と入社の意思がないと判断するための経緯を正確に記録することが重要です。

ステップ1:複数回連絡する

内定者から内定承諾の連絡が来ない、あるいはその後の連絡が途絶えた場合、まずはメールや電話で連絡します。複数回にわたり、さまざまな連絡手段でコンタクトを試み、メールの件名には「【重要】」や「【緊急】」など、状況の重要性を示して速やかな対応を促します。

内定者に優先事項であることを明確にするため、具体的な日付を返答期限として設定します。内定者が特別な事情を抱えている可能性を配慮し、非難せず、丁寧な言葉遣いで対応することが重要です。

ステップ2:第三者を介した意思確認

初期対応で連絡が取れない場合、第三者を介した連絡を行うなど、より強いアプローチが必要です。新卒採用の場合、大学やキャリアセンターに連絡を取り、本人に企業へ連絡するよう伝えてもらうことも有効な手段です。中途採用者の場合は、紹介会社などを介して連絡します。

再三の連絡にもかかわらず内定者と連絡が取れない場合は、複数回にわたり連絡を試みた結果(日時、内容)を詳細に記録します。記録は内定取り消しの正当性を証明する際の重要な証拠となります。

社内での検討経緯(社内会議や上長への報告)を残しておくことも推奨されます。裁判などで証拠能力を発揮できるよう、丁寧に準備を進めることが重要です。

ステップ3:最終通告と内定取り消し通知の実行

音信不通が続いた場合の最終手段として、内定取り消しを行うための最終通告を行います。

「〇月〇日までに連絡がない場合は、入社の意思がないものと判断し、残念ながら内定は取り消しとさせていただきます」といった回答期限を明記した警告文を作成し、郵送します。その際、内容証明郵便で送付することが推奨されます。内容証明郵便は、企業が内定取り消しに至るまでに取るべき努力を尽くしたことの客観的な証拠となり得ます。

警告文に定めた期限を過ぎても連絡がない場合、入社の意思を放棄したものとみなし、内定取り消しを正式に通知します。この通知も書面(内容証明郵便)で記録を残すことが不可欠です。同時に普通郵便・メール送信を併用し、内容証明郵便を送付したことを明記することも望ましいです。

トラブルを防ぐ内定者フォロー

内定者が音信不通になる原因の一つとして、入社に対する不安が挙げられます。内定取り消しのリスクを減らすためには、積極的な内定者フォローとコミュニケーションの強化が有効な予防策となります。

現場で実践すべき具体的な内定者フォロー

内定者との良好な関係を維持し、採用プロセスの円滑化と企業の信頼性向上につなげるために人事担当者が実践できることを紹介します。

定期的な連絡と接点の確保:フォローアップメールやビデオ通話などで定期的に連絡し、入社前の不安や疑問を解消します。内定者同士や先輩社員との懇親会などのイベントを開催し、入社前に接点を増やすことも有効です。

契約条件の透明性と明確化:内定後に契約条件の齟齬があった場合、内定が承諾されないリスクがあるため、内定を出す前に契約条件を明確に伝える場(契約内容の確認面談や説明会など)を設けることが必要です。

内定者体験談の収集と改善:アンケートや個別インタビューを通じて、採用プロセスや内定後のフォローに対する内定者の体験談やフィードバックを収集し、改善につなげます。応募者目線での取り組みは、より良い採用プロセスを構築し、内定者との信頼関係を強化します。

入社前オリエンテーションの実施:入社前にオリエンテーションや情報共有セッションを実施し、内定者が企業文化や仕事内容について深く理解できる機会を提供することは、入社初日からのスムーズなスタートにつながります。

さまざまな対策を継続的に講じることは、内定者が音信不通になるリスクを低減するだけでなく、エンゲージメントを高め、結果的に採用の成功率を高めることにつながります。

まとめ

内定は「解約権留保付始期付労働契約」と見なされ、内定取り消しは解雇と同様に扱われます。内定取り消しには客観的に合理性を持つ理由と社会通念上の相当性が必要です。不当な取り消しは「逸失利益(入社予定期間の賃金相当額)の支払いを命じられるケースがある」を伴います。

内定者が音信不通となった場合、企業は法的リスクを回避するため、入社の意思がないという判断につながる証拠を記録し、慎重な手続きを進めることが不可欠です。

内定者が音信不通になる要因の一つは、入社に対する不安です。定期的な内定者フォローを通じて接点を確保し、不安や疑問を解消することが、予防策として有効です。

この記事の監修

井上 久

井上 久
井上久社会保険労務士・行政書士事務所 代表

井上 久 昭和30年11月25日の69歳です。2021年4月1日に開業しました。得意な業務は、交通事故相談とクレーマ一・ヘビークレーマ一対応です。「本気・本音・本物」のアドバイスをさせていただきます。お気軽にご相談ください。

井上 久 昭和30年11月25日の69歳です。2021年4月1日に開業しました。得意な業務は、交通事故相談とクレーマ一・ヘビークレーマ一対応です。「本気・本音・本物」のアドバイスをさせていただきます。お気軽にご相談ください。

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