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研修後の誓約書について

弊社では、MBA取得などのため大学院への派遣を行い、この対象者に対し、
1)5年以上自社で継続勤務することを義務付ける。
2)会社都合による解雇などの場合を除いて、自主退職を認めない。
3)どうしても退職したい場合は、研修で掛かった費用を返金させる。
旨の誓約書を書かせています。
費用については、「5年間継続勤務の場合は、この費用について免除する」と、貸与を匂わせる文言はありますが、明確に貸与であるとの文言はなく、また、金銭消費貸借契約なども結んでいません。
先日、研修の対象者より、このような書類自体が労働基準法違反であり、また、パワハラにあたるのではないかとの指摘を受けました。
コンプライアンス、法令遵守が重要性を増すなか、労働基準法16条は刑事罰ということもあり、きちんとした対応をしたいと考えています。このような書類があること自体、労働基準法16条に抵触するのでしょうか。
また、人事部としてこのような書類への捺印を強要することはパワーハラスメントになるのでしょうか。

  • *****さん
  • 東京都
  • その他業種
  • 回答数:2件
  • カテゴリ:育成・研修
  • 投稿日:2007/09/13 14:46
  • ID:QA-0009744
プロフェッショナル・人事会員からの回答
2件中 1~2件を表示
並び順:投稿日時順評価順
  • 1

プロフェッショナルより
  • 投稿日:2007/09/13 18:00
  • ID:QA-0009752

代表者

資格取得費用と勤続期間条件の関係

■労基法16条は「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」としています。会社が一旦支出した費用に関して約束した期間、勤務しなかった場合に、損害賠償としてその費用を支払わせることは、労働契約の不履行についての損害賠償の予定と解され、本条に違反することになります。
■但し、資格取得費用を会社が支出するのではなく、社員に費用相当額を「貸付」ける場合は、金銭消費貸借となり結論が違ってきます。この場合は、返済を要するにしても、一定期間労働した場合にはその返済を免除するいう「特約付の金銭消費貸借契約」となり労基法16条には抵触しないことになります。
■注意すべき点は次の通りです。
① まず、「貸与」であることが明確になっていること
② 金銭消費貸借であること
③ 貸付金の返済方法、返済期日、免除の事由、免除事由、早期退職の際の期限の利益の喪失(残債の一括返済義務の発生)など明記すること
④ 退職金と残債を相殺する場合には労基法24条(賃金からの控除協定)にその旨の定めのあること
■なお、本人が希望しないのに業務命令として強制的に資格取得を命じ、金銭消費貸借契約を結ばせるといった場合は、形式的に「貸与」の形を整えても、訴訟では、実質的に労基法16条違反とされる可能性は排除できません。
■短絡的にパワハラ云々の議論に乗るのではなく、契約当事者の対等原則に基づく民法に対し、労働者の立場保護を嵩上げした労働法のバランスをよく理解することからコンプライアンス・レベルの引上げが可能になるのです。その意味で、本件はよい応用問題だと思います。

  • 投稿日:2007/09/19 11:21
  • 相談者の評価:大変参考になった

ご回答ありがとうございます。
金銭の返還に関しては、やはり金銭消費貸借の契約を結ばないといけないのですね。
もう一点お伺いしたいことは、金銭の返還有無は別として、質問にあるような内容の契約書が存在すること自体、労基法違反になるのかということです。
「社内だから」「社員が人事を訴えることはないだろう」といった雰囲気のなかでこのような契約書を書かせている現状がありますが、これを断ち切り、過去の契約書に関しても何らかの処理を考えたほうがいいのでしょうか?
監督局などの検査が入ればこのような契約書自体が問題になる可能性があるのでしょうか?
それともこのような契約書があること自体にはさして問題はないのでしょうか?

この回答は参考になった
参考になった:0名
プロフェッショナルより
  • 投稿日:2007/09/18 18:00
  • ID:QA-0009766

この回答者の情報は非公開になりました

MBA留学者の心理

川勝先生が詳しくご説明されておられますように、費用の「貸与」という形態をとる企業が増えていると感じます。
せっかくのMBA留学も、帰国後の退職率はきわめて高く、これはもちろん留学した本人の誠意等によるものも多いとは思うのですが、せっかくの留学の成果を、現職では生かせないと感じてしまうMBA留学生の心理もあるようです。

またご相談のような「規定が問題」という指摘などせず、「どうせ企業は損害賠償を訴えられない」ということが、それなりに企業派遣留学者の間ではかなり知られておりますので、そういう申し立てすらせず、退職してしまう確信犯的な者が出る可能性もあります。

私自身大学院留学は自費で行いましたが、非常に人生観が変わる体験が出来ました。個人の善意頼りでは、この意識変化に対応できないと感じます。費用貸与に切り替えをお薦めいたします。

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