企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

人事のQ&A

相談数14477件   回答数30769

研修後の誓約書について

弊社では、MBA取得などのため大学院への派遣を行い、この対象者に対し、
1)5年以上自社で継続勤務することを義務付ける。
2)会社都合による解雇などの場合を除いて、自主退職を認めない。
3)どうしても退職したい場合は、研修で掛かった費用を返金させる。
旨の誓約書を書かせています。
費用については、「5年間継続勤務の場合は、この費用について免除する」と、貸与を匂わせる文言はありますが、明確に貸与であるとの文言はなく、また、金銭消費貸借契約なども結んでいません。
先日、研修の対象者より、このような書類自体が労働基準法違反であり、また、パワハラにあたるのではないかとの指摘を受けました。
コンプライアンス、法令遵守が重要性を増すなか、労働基準法16条は刑事罰ということもあり、きちんとした対応をしたいと考えています。このような書類があること自体、労働基準法16条に抵触するのでしょうか。
また、人事部としてこのような書類への捺印を強要することはパワーハラスメントになるのでしょうか。

  • *****さん
  • 東京都
  • その他業種
  • 回答数:2件
  • カテゴリ:育成・研修
  • 投稿日:2007/09/13 14:46
  • ID:QA-0009744
専門家・人事会員からの回答
2件中 1~2件を表示
並び順:投稿日時順評価順
  • 1

専門家より
  • 投稿日:2007/09/13 18:00
  • ID:QA-0009752

代表者

資格取得費用と勤続期間条件の関係

■労基法16条は「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」としています。会社が一旦支出した費用に関して約束した期間、勤務しなかった場合に、損害賠償としてその費用を支払わせることは、労働契約の不履行についての損害賠償の予定と解され、本条に違反することになります。
■但し、資格取得費用を会社が支出するのではなく、社員に費用相当額を「貸付」ける場合は、金銭消費貸借となり結論が違ってきます。この場合は、返済を要するにしても、一定期間労働した場合にはその返済を免除するいう「特約付の金銭消費貸借契約」となり労基法16条には抵触しないことになります。
■注意すべき点は次の通りです。
① まず、「貸与」であることが明確になっていること
② 金銭消費貸借であること
③ 貸付金の返済方法、返済期日、免除の事由、免除事由、早期退職の際の期限の利益の喪失(残債の一括返済義務の発生)など明記すること
④ 退職金と残債を相殺する場合には労基法24条(賃金からの控除協定)にその旨の定めのあること
■なお、本人が希望しないのに業務命令として強制的に資格取得を命じ、金銭消費貸借契約を結ばせるといった場合は、形式的に「貸与」の形を整えても、訴訟では、実質的に労基法16条違反とされる可能性は排除できません。
■短絡的にパワハラ云々の議論に乗るのではなく、契約当事者の対等原則に基づく民法に対し、労働者の立場保護を嵩上げした労働法のバランスをよく理解することからコンプライアンス・レベルの引上げが可能になるのです。その意味で、本件はよい応用問題だと思います。

  • 投稿日:2007/09/19 11:21
  • 相談者の評価:大変参考になった

ご回答ありがとうございます。
金銭の返還に関しては、やはり金銭消費貸借の契約を結ばないといけないのですね。
もう一点お伺いしたいことは、金銭の返還有無は別として、質問にあるような内容の契約書が存在すること自体、労基法違反になるのかということです。
「社内だから」「社員が人事を訴えることはないだろう」といった雰囲気のなかでこのような契約書を書かせている現状がありますが、これを断ち切り、過去の契約書に関しても何らかの処理を考えたほうがいいのでしょうか?
監督局などの検査が入ればこのような契約書自体が問題になる可能性があるのでしょうか?
それともこのような契約書があること自体にはさして問題はないのでしょうか?

この回答は参考になった
参考になった:0名
専門家より
  • 投稿日:2007/09/18 18:00
  • ID:QA-0009766

この回答者の情報は非公開になりました

MBA留学者の心理

川勝先生が詳しくご説明されておられますように、費用の「貸与」という形態をとる企業が増えていると感じます。
せっかくのMBA留学も、帰国後の退職率はきわめて高く、これはもちろん留学した本人の誠意等によるものも多いとは思うのですが、せっかくの留学の成果を、現職では生かせないと感じてしまうMBA留学生の心理もあるようです。

またご相談のような「規定が問題」という指摘などせず、「どうせ企業は損害賠償を訴えられない」ということが、それなりに企業派遣留学者の間ではかなり知られておりますので、そういう申し立てすらせず、退職してしまう確信犯的な者が出る可能性もあります。

私自身大学院留学は自費で行いましたが、非常に人生観が変わる体験が出来ました。個人の善意頼りでは、この意識変化に対応できないと感じます。費用貸与に切り替えをお薦めいたします。

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。

問題が解決していない方はこちら
キーワードで相談を探す
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
人事・労務の専門家が親切・丁寧にお答えします。

定番のQ&Aをチェック

有給休暇取得率の計算方法
有給休暇取得率の計算方法を教えて頂けませんでしょうか? 本日の日経新聞の一面にも「43.7%」という数字がありましたが、 どういう計算式によって算出し、比較すれば良いかが知りたいと思っております。 有休は期限が2年間というややこしい部分もありますので、具体的に教えて頂けますと幸いです。
会社都合の退職と退職勧奨による退職について
いつも参考にさせております。 この度、従業員の勤務成績・態度に改善が見られない場合、退職勧奨を進めることは出来ないかという検討以来が経営層から出ました。 今まで、このような対応をしたことがなく、色々と調べておりますが、ストレートに公的機関に聞くのもどうかと思い、なかなか思うように進みません。 ...
産休・育休取得者の翌年の有給休暇付与について
いつも的確な回答を頂き有難うございます。 産休・育休取得後、翌年の有給休暇付与についてお伺いさせていただきます。 これまで私の認識では、 ・育児休業だけでなく産前産後休暇を取得した期間についても出勤したものとみなす ・そのため産休・育休を取得しても翌年の有給休暇付与には影響しない、と考えておりまし...
健康経営を戦略的に推進するステップとは?取り組み事例と外部サービスの選び方

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

相談する

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、お気軽にご相談ください。
人事・労務の専門家が親切・丁寧にお答えします。

専門家回答ランキング

集計期間:08/01~08/21
服部 康一 服部 康一
オフィス代表
得意分野:モチベーション・組織活性化、法改正対策・助成金、労務・賃金、...
増沢 隆太 増沢 隆太
人事・経営コンサルタント
得意分野:モチベーション・組織活性化、安全衛生・メンタルヘルス、人材採...
小高 東 小高 東
東 社会保険労務士事務所 代表(特定社会保険労務士) 
得意分野:経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、法改正対策・...

注目コンテンツ


健康経営の実践に必要なステップ、外部サービスを選ぶ際のポイント

健康経営を戦略的に推進するための必要なステップや取り組み事例、外部サービスを選ぶ際のポイントをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


【グローバルタレントマネジメントフォーラム2018】成長する企業の人財活用力 ―可能性を引き出すタレント基盤―

【グローバルタレントマネジメントフォーラム2018】成長する企業の人財活用力 ―可能性を引き出すタレント基盤―

今や企業の成長を左右する源泉は人財活用力であり、人財を一つの企業資産と...