退職勧奨で違法性があるかどうか、またその対処について
元部下で、以前の所属部門が閉鎖になり、その後2年以上再配置がなく人事部に
在籍している社員から相談をうけました。
退職勧奨とは「強制を伴わない退職の働きかけ」と理解しているものの、以下の
ような状況となると、本人にどのようなアドバイスをしたら良いか即答できず、
こちらに投稿させていただいた次第です。
状況を申し上げますと...
・人事部からは、本人の人脈で再配置先を探すか、転職するかの話を受けた。
・配置先の内示や提示がなく、人事担当が再配置先を探しているのか疑問。
(業績悪化のため人員を募集している部署が僅少であるのも確か)
・社内公募制度はあるが、本人管理職のため条件に合致したものがない。
・他部門の支援業務を一時的に行うこともあるが、ほとんどの時間を自己修練に費やす。
・経営貢献ができていないという理由で、本人は非組合員の管理職のため、
一方的に給与は大幅カット(賞与分が管理職給の最低額)。
人事部としては法的に留意しながら、本人と話をしているものの、
給与カットを伴う退職勧奨(自己都合の退職へ)をしているようにも捉えられます。
人事部、本人双方ともどのような形での解決が可能か、ご教示いただけたら幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2011/09/28 12:15 ID:QA-0046263
- *****さん
- 神奈川県/電機(企業規模 5001~10000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
退職勧奨
退職勧奨は本人と話し合い、退職の意思を確認するわけですが、問題になるのは退職金です。今回のケースでも、自己都合退職を迫ると、本人の退職金はかなり少なくなってしまうでしょう。その意味では、会社都合退職扱いにするほうが本人のためになると考えます。勤務状況から見ても、業績は芳しくないようなので、それがのぞまし
と考えます。言い換えると、普通解雇を適用することになります。
投稿日:2011/09/28 12:36 ID:QA-0046266
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、まず問題になるのが、「人事部からは、本人の人脈で再配置先を探すか、転職するかの話を受けた」という対応部分です。もしこの通りであるとすれば「会社としては当該社員に対して雇用責任は持てない」と同じ内容、つまり退職の強要と受け取られてしまいます。退職勧奨とはあくまで本人の自発的同意を求める手法ですので、自分で何とか出来なければ辞めざるを得ないという主旨であれば勧奨の域を明らかに超えていますので注意が必要です。
また、「他部門の支援業務を一時的に行うこともあるが、ほとんどの時間を自己修練に費やす」とございますが、これは所属部署(人事)に関わる業務をほぼ与えられていないということでしょうか‥ そうであれば、一種のパワーハラスメントに該当する可能性も生じます。こうした当人の職業人としてのプライドを傷つけるような行為は慎むべきといえます。
対応としましては、上記のように会社への不信感を高めるような退職ありきの対応をされるのではなく、これまでの本人の仕事振りを踏まえた上で今後の身の振り方についてどうするのがベストな選択であるのかをじっくり相談されるべきといえます。実際、御社で適職が無く低い評価と処遇に甘んじているのであれば、本人にとりましてもこれまでのキャリアを生かして転職する方が望ましい場合もあるでしょう。いずれにしましても、当人の立場も考慮しながら幅広い視野に立ってあらゆる可能性を検討していく事が大切です。
投稿日:2011/09/28 12:46 ID:QA-0046269
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2011/09/28 18:33 ID:QA-0046288大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
退職勧奨について
■退職勧奨とは、雇用関係の終了に同意するように従業員を説得する交渉です。
会社としても、トラブルに発展する可能性が大きい解雇よりは、退職勧奨で同意を得たいところでしょう。
しかしながら、退職は従業員にとっては、重大な問題です。にもかかわらず、会社の対応がはっきりせず、曖昧です。まずは、会社のスタンスをはっきりすべきでしょう。
実際に退職勧奨するのであれば、人事部であれば責任のある部長、相手が管理職であれば、担当役員、社長などしかるべき人が交渉すべきです。
■実務的には、退職条件として、退職日(再就職先が見つかりそうな日までなど)、有休の扱い、出勤について、退職金の扱い、再就職支援などを、個別に設定します。
■退職勧奨に応ずるかは任意であるというスタンスが重要で、退職勧奨に応じない場合は整理解雇となるといった断定誘導は避けるべきですが、整理解雇の「可能性はある」という言い方は可能です。
以上
投稿日:2011/09/28 13:21 ID:QA-0046274
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2011/09/28 18:32 ID:QA-0046287大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
割増退職金に配慮し、退職勧奨すべき
|※| 現状、( 表現は、やや適切さを欠きますが ) 2年間以上、飼い殺し状態のようですね。ターゲットもない、やるべきこともない、というのは、超割り切り人種でない限り、本人にとっても、辛い状況です。2年間以上も、そうなら、近い将来、出口が見える可能性は、限りなく少ないと考えて、早急の ( 既に、遅いが ) 対処が欠かせません。
|※| 他方、会社側は、給与カット、最少額賞与などで対応していますが、いくら引き下げても、管理職であれば、年間、数百万円、2年間で、1千万円(?)のコスト負担が発生しています。ご説明通りであれば、( この1千万円は、戻ってきませんが・・ ) 雇用保険受給面で、本人に不利にならない形で、且つ、この状態が、あと1年続けは、その位になるかを計算し、割増退職金を含め、退職勧奨される道しかないように思います。
投稿日:2011/09/28 13:38 ID:QA-0046275
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2011/09/28 18:32 ID:QA-0046286大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。