所定外手当と旅費規程(宿泊費)について
	当社の出張旅費規程において、「宿泊料は、宿泊日数に応じて支給する。但し、午前0時から午前3時までの間に出発しまたは帰着した場合は、宿泊料の半額を支給する。」としております。
 (1)今回A技術者(一般社員・残業計算)、B営業マン(一般社員・みなし労働手当)、C営業部長(管理者・完全月給)の3人が一緒に顧客工場にPM6:00から翌日のAM3時まで出張し、その後全員、各自の自宅に直接帰りました。
 (2)なお顧客工場に宿泊施設はなく、近隣の宿泊施設(車で20分)よりB・Cの自宅の方が近距離(車で5分)です。ただしAの自宅は宿泊施設より遠距離(車で30分)です。
 (3)このたびAがAM3時までの残業手当と旅費の半宿泊料を請求してきました。
  B・Cは現状の処遇と実体にもとづき残業も半宿泊費も支給しないこととしましたが、AとのバランスがおかしいのではということでB・Cから再考を求められそうです。
 
 所定外手当と宿泊費について、何か理屈の通る解釈が成立するとともに、適切な対応方法についてご教示いただきたくお願い申し上げます。    
投稿日:2005/10/22 11:12 ID:QA-0002356
- あーさん
 - 愛知県/機械(企業規模 1001~3000人)
 
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
					- 川勝 民雄
 - 川勝研究所 代表者
 
所定外手当と旅費規程(宿泊費)について
                ■状態がやや輻輳気味ですので、交通整理できるよう、最初に、出張経費(宿泊費および日当)と時間外勤務手当の性格を再確認しておきましょう。かなり上手に整理しないと「理屈の通る解釈」「適切な対応方法」が難しくなりそうな気がします。
 ■出張経費は「支払証憑の裏付を必要とする実費」で、本人のポケットに入るものではありません。交通費、宿泊費(実費支給)、通信費などを見れば明らかでしょう。御社のように支払証憑が要求されない「定額宿泊費」は金額の妥当性を前提とする簡便法に過ぎないのです。従って、宿泊の実態がないのに、ご苦労賃として半額支給するというのも筋の通りにくい規定です。また、同じく証憑が要求されない「日当」も「出張における労務提供上かかる実費弁済費用補填」とされる「見做し実費」です。具体的には、食費及び若干の雑費を補填するものとして、定額支給されるものです。(Out-of-pocket expenseと呼ばれます)
 ■他方、残業手当は日当と違い、給与所得として課税対象になります。(Into-the-pocket expense)出張者や外勤者の労働時間の把握が困難な場合には、見做し労働として取り扱われますが、B営業マンに対する「みなし労働手当」の算定に使用された労働時間に対し、今回の出張に伴う時間外労働によって計算した割増賃金額が上回る場合には、その差額を支払わなくてはなりません。更に、深夜労働時間帯の労働に対する割増賃金についても同様です。B営業マンには「みなし労働手当」があるから何も支給しなくてよいとはならないのです。
 ■次に、管理監督者は、労基法上、労働時間、休憩および休日に関する規定は適用されませんが、深夜労働の規定は適用されますので、深夜割増分(2割5分)を支給しなければなりません。管理監督者の通常賃金には、基礎賃金相当分は含まれていると解釈されるので、0.25倍の割増分のみを支払えばよいということになります。
 ■対応措置案
 <所定外労働手当>
 A ⇒ 支払い
 B ⇒ 月単位で検証し、実態割増賃金>見做し労働手当額なら差額支払い
 C ⇒ 深夜労働時間部分に対し、割増賃金を支払い
 <宿泊料の半額>
 A, B, C共通 ⇒ 本来は、廃止し、日当(必要に応じて見直しの上)として支給する。役職や等級で多少の金額差があってもよい。                
投稿日:2005/10/22 23:08 ID:QA-0002365
相談者より
投稿日:2005/10/22 23:08 ID:QA-0030944大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
					- この回答者の情報は非公開になりました
 
所定外手当と旅費規程(宿泊費)について
                山田と申します。
 「宿泊料は、宿泊日数に応じて支給する。但し、午前0時から午前3時までの間に出発しまたは帰着した場合は、宿泊料の半額を支給する。」という出張旅費規程についてコメントさせていただきます。
 PM6:00から翌日のAM3時まで出張し、ということは規程の条件によれば、「宿泊日数により」支給する規程ですから宿泊していない事実がある以上、宿泊料の半額を支給する必要はないと考えます。Aの場合も、宿泊施設より自宅が遠いとか、近いという問題ではなく、宿泊の有無により規程では支給することとなっているわけですから支給要件を満たさないことは明白です。
 仮に、宿泊の有無は問わず、深夜に出発・帰着することの御苦労賃だとするならば、川勝先生のご回答にもございますように筋の通りにくい規定ですが、そういう規程の企業が相当数あることも事実です。
 規程そのものをご検討されてはいかがでしょうか。
 車で五分とか十分とかが、出張というくくりで適切なのか、企業によっては、かかる移動時間数や勤務事業所からの距離などで出張と外出とに区分されているところが多いのではないでしょうか。
 所定外手当てについては川勝先生のご回答がたいへん参考になります。                
投稿日:2005/10/24 17:23 ID:QA-0002375
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