海外転籍による給与の見直しについて
当社は日本に本社を構え、韓国、中国、台湾に現地法人を持つ中小企業です。
今後予定される、国をまたぐ人材の異動について頭を悩ませています。
想定される事態として、
①日本採用の日本人が、海外の当社現地法人に転籍
②日本採用の外国人が、母国の当社現地法人に転籍
③日本採用の外国人が、第三国の当社現地法人に転籍
④現地採用の外国人が、日本以外第三国の当社現地法人に転籍
などがありますが、給与および給与制度をどのように設定・構築したらよいのかアドバイスをお願いします。
当社は、海外における業務に対し、現地法人活用によるコストメリットを武器にしています。当然ながら大手企業のような大盤振る舞いはできません。できれば海外の物価に合わせて給与設定したいと考えています。当社社員には、採用時にその旨を書面により伝え、了承を得ています。
ただ、制度によりモチベーションが下がることも大いにあると考えています。よろしくお願いします。
投稿日:2009/09/24 16:26 ID:QA-0017556
- *****さん
- 愛知県/その他業種(企業規模 101~300人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
制度作りの準備期間が必要
ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。
海外駐在員の給与制度は、検討項目が多岐にわたりますので、すべての論点について、ここに簡潔に整理することはできませんが、まずは貴社の事業モデルに合わせた制度検討ポイントを整理されることが不可欠でしょう。
一般的な検討ポイントとしては、大きく次のような点が想定されます。
①給与体系と項目
※どのようなコンセプトに基づく仕組みにするのか。お書きになっている「生計費ベース(※物価等考慮)」というのも、ひとつの考え方です。
※これ以外にも、ハードシップや、現地・日本間での勤務時間差等も考慮ポイントとして挙げられます。
②フリンジベネフィットをどうするか?
※現地の社宅、租税公課、帯同家族の待遇、損害保険、諸々の生活支援等
③トータルとしての海外給与水準
④赴任地別の経済水準をどうみるか
まずは、比較的事業モデルの似通った先行企業の給与制度を調査されることをお勧めします。これが、最も制度設計を進めやすいやりかたです。
その間は、本来出向・転籍が必要な場合でも、長期出張の切替等で対応しながら進めていくことも、ある程度は可能かと存じます。
ご参考まで。
投稿日:2009/09/25 08:49 ID:QA-0017567
相談者より
早速ご回答いただき、誠にありがとうございます。
要素を検討するうえで、役に立ちました。
ところで、先行企業の給与制度調査には、どのような方法があるのでしょうか?
重要機密につき、なかなかオープンにはならないと考えていましたが、有効な方法があればご教授ください。
投稿日:2009/09/25 09:21 ID:QA-0036862大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
Re:制度作りの準備期間が必要
ご返信、ありがとうございます。
貴社が具体的にどのような業態であるかは分かりかねますが、海外駐在員の処遇制度において最も長年の蓄積があるのは、メーカーと総合商社です。
こうした企業の人事部門へコネクションがあれば直接ご相談されるのがよいでしょう。
※なお、同業界同士での人事労務部門の連絡会があれば、この際、そうしたところへの参加をご検討されるのも一法です。
また、個別具体的なコネクションがない場合は、愛知県経営者協会等の経済団体に所属していらっしゃれば、そちらにご相談されるのがよろしいかと存じます。
例えば、老舗のメーカーといえども、しっかりとした紹介がある場合の面会依頼をむげに断るようなことはされないと思われます。
ご参考まで。
投稿日:2009/09/25 09:30 ID:QA-0017571
プロフェッショナルからの回答
Re:Re:制度作りの準備期間が必要
たびたびのご返信、ありがとうございます。
多少なりともお役に立て、幸いに存じます。
貴社の海外展開が円滑に進まれることを、祈念しております。
P.S
誠にお手数ですが、「評価」の入力もお願いいたします。
投稿日:2009/09/25 17:27 ID:QA-0017588
相談者より
投稿日:2009/09/25 17:27 ID:QA-0036870大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
海外転籍による給与の見直しについて
ご質問ありがとうございます。
まず日本採用の“日本人・外国人”が“海外・母国・第3国”に異動する場合と区別して考えられていますが、“日本採用の社員が海外赴任する場合”と区別せずに考えたほうが良いかと思います。就業規則に海外赴任規定を作る必要があるかと思いますが、その際は手当の手厚い金融・商社などと比較せず、御社の状況に適した内容にすることをお勧めします。
すでに海外の物価に合わせた給与設定にすることを社員の方から了承を得ているようですが、海外は現地人と同じ生活水準なら物価は安いものの、日本と同じ生活水準を保とうとすると物価は逆に高くなるので、日本の生活水準を維持するための手当を支給するケースも考えられます。(例)海外赴任手当など。
また給与以外では、
・日本製品の日用品、食料品などの支給
・家賃・社宅の負担
・特に中国では所得税の対応
・子息子女の教育費の負担
・帰国特別休暇等の有無の問題
などありますのでトータルに検討することが重要です。
以上参考になれば幸いです。
投稿日:2009/09/25 23:45 ID:QA-0017595
相談者より
投稿日:2009/09/25 23:45 ID:QA-0036875大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。