『派遣⇒定期従業員⇒派遣』という抵触日回避について
当社では、抵触日対策として、派遣社員の方と1年間の有期雇用契約を結びました。
しかし、有期雇用契約の場合でも上限期間や雇い止めの不安があり、社内的には更新をしたとしても最長3年迄とする旨決定しております。
そこで、有期雇用契約の切れ目のタイミングで、再び派遣社員を雇おうと思っているのですが、この場合、派遣社員から有期雇用契約にした方以外であれば、受け入れることは可能なのでしょうか?
それとも、まったく当該工程で従事したことがない派遣社員の方でも受け入れられないのでしょうか?
投稿日:2009/01/22 09:25 ID:QA-0014849
- *****さん
- 東京都/電気・ガス・水道・エネルギー(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
『派遣⇒定期従業員⇒派遣』という抵触日回避について
■抵触日以降も、当該労務提供を切れ目なく確保しながら、且つ、雇用義務の固定化を回避したいというのが目的だと拝察します。雇用契約、派遣契約のいずれも、その目的は、企業が必要とする能力、スキル、経験を有する「労務の提供」にありますが、決定的な違いは、前者における労務提供は、Aさん、Bさんといった、特定の「個」としての労働者を指定できますが、後者(派遣法)における、「労働者」は抽象的な労働者であって、「この人」「あの人」という特定の労働者をさすものではない点にあります。
■従って、有期雇用契約の期間中は、問題ないでしょうが、再度派遣に切り替える場合には、資格、経験などの「能力」「技術」「技能」に関する条件しか出せない(派遣労働者の選択権限は派遣元にしかない)ので、個人に附属する労務提供の継続は期待できないことになります。然し、現実には、上記の、労働者の「個」以外の条件を強く要求すれば、ご心配の「まったく当該工程で従事したことがない」アンマッチな人材を派遣してくることはないと思います。アンマッチななら、交替を要求することは可能です。
■それにしても、1年間の有期雇用契約を結ばれた派遣社員は、雇い止め後、どのようにされるのでしょうか?
投稿日:2009/01/22 12:25 ID:QA-0014856
相談者より
さっそくの御回答ありがとうございます。
>抵触日以降も、当該労務提供を切れ目なく確保しながら、且つ、雇用義務の固定化を回避したいというのが目的だと拝察します。
⇒ご指摘の通りです。
定期従業員雇い止め後は、正社員の採用枠が確保できるかどうかにもよりますが、出来なかった場合はそのまま契約終了の予定です。
また、該当者に派遣会社を紹介して、『そこを通じて再度来てくれ』ということは言いません。
(派遣をまた募集するぐらいは伝えるかもしれませんが)
クーリングオフ期間を定期従業員として直接採用し、期間終了後に派遣社員として再度来ていただくことに対し、労基署によっては『違法』だという判断を下される場合があると伺いましたので、
・その有期契約期間が長ければ問題ないのか
・問題がある場合、それは『人が変わらないから』問題なのか、『工程にその人数が必要なのは変わらないのに、抵触日なり雇用上限期間の回避のために雇用種別を入れ替えているから』問題なのか?
という点が不明であり、ご意見いただきたいと思っております。
投稿日:2009/01/22 13:17 ID:QA-0035854参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
『派遣⇒定期従業員⇒派遣』という抵触日回避について
■《 クーリングオフ期間を定期従業員として直接採用し、期間終了後に派遣社員として再度来てもらうことは『違法』》 という労基署の判断は、、恐らく、派遣法に見られる、次の二つの観点に基づいているものと推測します。
① 「派遣期間の長期化は 《 好ましくなく 》、長期間の直接雇用は 《 好ましい 》」という発想
② 《 再度来てもらう 》の目的主体を、特定の「個」としての労働者と理解
■ いずれの着眼点も、法規本体や取扱要領に具体的に違法事項として明記されている訳ではなく、別の労基署では、違った判断が出される可能性も十分あり得ると思います。以上のコメントに基づく当方の見解は次の通りです。
▼ ご質問 ① 派遣法では、クーリングオフという表現は使用されていません。要は、当該派遣契約を完結(完全終了)させるのがその趣旨です。従って、実質、《つなぎ》としての有期契約は、期間の長短に関わらず、積極容認されることはないでしょう。但し、長期間の直接雇用は 《 好ましい 》 という現実的判断も、あるわけですから、その有期契約期間が長ければ 《 問題ない 》 とはできませんが、目くじらを立てて 《 違法だと言われるほどのことでもない 》 と考えます。
▼ ご質問 ② 有期契約は、派遣ではなく、特定の「個」の労働者との雇用契約ですから、人が特定されます。ご質問の趣旨が一寸理解しにくいのですが、当該労基署の違法判断は、ご質問 ① の実質、《 つなぎ 》 としての有期契約が、派遣契約を完結の隠れ蓑に使われているのではないか、という点に尽きるのではないでしょうか。掲示板では、これ以上深く立ち入りませんが、一般的には、リーガルとビジネスの両面に目配りして決定することが重要だと申し上げておきたいと思います。
投稿日:2009/01/23 10:51 ID:QA-0014880
相談者より
いろいろとご教授いただき、ありがとうございました。
参考にさせていただきたいと思います。
投稿日:2009/01/23 17:18 ID:QA-0035862大変参考になった
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