減給の制裁の制限について
以下、ご教示願います。
労基法において、「減給の制裁の制限」という項目がありますが、これについては、1回の行為に対する処分においては、減給は平均賃金の1日分の半額までとされており、複数回の行為に対しても1賃金支払期における1/10を超えてはならないとなっていることと思います。
例えば、行為が1回の場合ですと、月給が50万として平均賃金の1日分の半分とすると8千円程度の制裁(控除)までしか法律上許されないと思います。
その際、8千円程度の控除では済まないと会社が考える場合に、会社が取りうる手段としては、以下のようなものがあげられますでしょうか。
※前提として、懲戒や諭旨解雇では重すぎるという前提となります
①制裁として出勤停止にする(その間、給与が止まる)
②本人が任意で、会社に対して給与の一部を返金するような形とする
上記取扱で法に触れないか、または上記以外の方法などがございましたらご教示いただきたく、よろしくお願いいたします。
投稿日:2008/12/10 15:53 ID:QA-0014532
- *****さん
- 東京都/商社(専門)(企業規模 101~300人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
御利用頂き有難うございます。
ご認識の通り、減給の制裁内容につきましては労働基準法上で厳しく制限されていますので、実効性には乏しいものといえますね‥
従いまして、悪質な違反行為につきましては、①のように出勤停止とされるのも一つの手段としてありうるでしょう。
但し、その場合就業規則上の制裁事由に該当していなければなりませんし、また該当する場合でも違反内容に対して過重な処分であれば適用の妥当性に疑問が生じる場合もあるでしょう。
こうした点につきましては、個別事情によって異なってきますし明確な基準は存在しませんので、具体的な案件毎に慎重に判断される事が必要です。
他方、②の「給与の返金」というのは実質において明らかに賃金全額払いの原則に反していますので避けなければなりません。
会社が実害を被ったことにより労働者から金品を徴収する為には、あくまで「給与」とは切り離し、損害賠償といった形で別途請求する事が必要です。(※その場合、別途請求後に本人が自らの意思で当月の給与から費用捻出を行うのであれば、給与が一度完全に支給され本人の自由となった後での支払ということですから問題ございません。)
尚、人事評価に基く降格及びそれを理由とする減給につきまして、御社規定に基き行なう分に関しましては、制裁や賠償請求と併せて行っても問題ございません。
投稿日:2008/12/10 20:17 ID:QA-0014537
相談者より
ご回答ありがとうございます。
就業規則の制裁事由に該当している場合の出勤停止以外ですと、会社が実害を被ったことによる損害賠償といった形の請求や、人事評価に基く降格及びそれを理由とする減給という手段があげられること大変参考になりました。
仰るとおり、慎重に対応したいと思います。
ご教示いただきありがとうございました。
投稿日:2008/12/11 09:40 ID:QA-0035750大変参考になった
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