一般職の昇格
弊社は、『総合職』と『一般職』の職群があります。
一般職は転勤が無いため勤務地が限定され昇格の範囲もある一定のラインに限定されます。
そのため、総合職と比べると昇格のチャンスが少なく職務内容によっては昇格・昇給で不均衡が発生します。
実際、総合職、一般職といっても在籍部門や役割によっては、両者とも同じ仕事をしている場合もあり、その差は転勤があるかないかの違いのみという場合もあります。
そのため一般職で前線で活躍する人材にとっては昇格のチャンスが少なかったり、仕事内容にみあない昇給は、不満の種になり得ます。
他社さんで、一般職をおいている場合、その昇格や昇給にどのように配慮をしているかご助言いただけると幸いです。
投稿日:2007/11/13 17:31 ID:QA-0010416
- 総務さん
- 東京都/精密機器(企業規模 1001~3000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
総合職・一般職といった「コース別雇用管理制度」については、各社様々ですが、通常の場合であれば、総合職のほうが高度な職務内容をこなすことで昇格・昇給が有利になっているものといえます。
ところが御社の場合ですと、総合職と一般職の仕事内容に明確な相違がないといった状況が発生していることですので、問題は昇給・昇格の工夫をするというよりも、コース内容自体を見直すことによって解決をするべきといえます。
その際、少なくとも職場での実態に合ったコース内容の見直しをすることが不可欠といえます。
仮にコース内容が明確になりえないようであれば、思い切ってデメリットの多い同制度を廃止し、時間を費やしても従業員の納得を得られるような御社独自の職制や職務内容に応じた新たな人事制度に変えることも検討されることをお勧めいたします。
ちなみに、近年各企業においても「コース別雇用管理制度」自体の見直しが進められており、殆どの企業では一定の条件下でコースの転換が出来る仕組みを導入していますし、さらには制度自体の廃止や、コース内容を職務水準により分割するといった見直しも増えてきているのが現状といえます。
投稿日:2007/11/13 23:57 ID:QA-0010418
相談者より
服部様
早速のご返信いただき誠にありがとうございました。
こんな時代に大変申し上げにくいのですが、弊社は男性=総合職、女性=一般職といった暗黙の了解があり、もともとの雇用制度自体に問題があると考えております。
実際にこの疑問を投げている私も一般職です。中堅社員の年数となりますが、同部署の総合職の同期は今年、昇格試験を受けておりことを知り、自分でも腑に落ちない部分はもっております。しかし、そういう制度であると理解した上で就業しておりますので声を大にして不満を言うつもりはありませんが、他の一般職の社員から不満の声を聞き、退職まで考えている者もいることなどから、この制度ままでは存続できないと感じております。
一応、一般職から総合職へ転換する試験なども有りますが、推奨されていないのが現状です。
しかし、現状を打破したく思います。
私は現在、組織管理に関わる部署におりますが、決裁件も無ければ全くの一般社員です。会社全体の制度を帰ることは役員会レベルの承認事項であり、簡単には変えられるとは思いませんが、このようなことを帰るために私のような職能レベルの場合どのようなことをしたら改善の方向へ持っていけるか、再びアドバイスいただけると幸いです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2007/11/14 14:33 ID:QA-0034174大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
人材マネジメント戦略の明確化が重要
ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。
本件は、人材マネジメント戦略に関わる、大変重要な問題と拝見いたします。
問題の基本的構図は、人材戦略の軸を、「点」(※年次ベースでの職務内容や業績)におくのか、それとも「線」や「面」(※中長期ベースでの人材価値向上、育成)に置くのかという点にあります。
>そのため、総合職と比べると昇格のチャンスが少なく職務内容によっては昇格・昇給で不均衡が発生します。
実際、総合職、一般職といっても在籍部門や役割によっては、両者とも同じ仕事をしている場合もあり、その差は転勤があるかないかの違いのみという場合もあります。
ここに書かれている問題認識は、まさに、中長期的マネジメントの中での短期的な矛盾についての問題です。
そもそも、「一般職・総合職区分」による人材管理は、中長期的な人材戦略に基づく仕組みです。
ですから、短期的視点から生じる問題によって本筋が否定されるのは、必ずしも望ましくありません。
ご案内のように、ここ10数年程度の間、人材マネジメントの主流であった成果主義は、短期的指向を強化する試みだったわけですが、その弊害が大きいために、各社において中長期的なマネジメントの建て直しが急がれています。
「一般職・総合職区分」による仕組みは簡素なものですが、それをプロフェッショナル資格制度等によって、人材価値を戦略的に向上させるキャリアマネジメントの仕組みへと高める模索も、多くの企業で進んでいます。
以上のことから、現在直面されている問題は、中長期での戦略とそれに基づく仕組みを拡充することで解消されるのが賢明と考える次第です。
以上、ご参考まで。
投稿日:2007/11/14 00:18 ID:QA-0010420
相談者より
田添様
早速のご返信、誠にありがとうございました。
弊社の人材マネジメントは田添様からのお話ですと中長期的マネジメントが基本となっております。
弊社において新卒採用の比重も大きく、その中意義も大変重要な意義を持っており、新人育成においては全く即戦力を求めず、1から全てを教える教育体系になっておりますため、1人を育てるのに1年間という時間をかけております。
今回の問いかけは短期的視点から生じるものか現在の私の認知範囲においてはなんとも判断しかねるのですが、一般職で疑問を持っている社員は入社して5年は経っておる社内ではいわゆる‘中堅’と呼ばれる社員からの声でございます。
一般職といっても職種は幅広く、事務で定型業務をこなすだけの者、企画で市場と顧客のリサーチする者、営業アシスタントで数字は持たない営業と同じ動きをする者など様々です。
就業状況など見ても、あきらかに営業系に属する部門にいると勤務時間が長く仕事も責任やスキル等が高く求められるため、不満はそのような部門から多く聞かれます。
このような現状を解決すべきは、もう一度現状の職種の社員の職務内容を確認し、そのような仕事をしている社員の職群を見直しが必要かと考えております。
投稿日:2007/11/14 15:41 ID:QA-0034176大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
一般職
男女機会均等法以前は、男女別の賃金が一般的でした。それが、認められなくなると、「総合職」「一般職」という名を借りて賃金体系を構築したような印象があります。
現代のように「成果・能力」が一般的になった時点では、異なる基準による人事制度が求められています。
ステージ(階層)では、スペシャリスト、チームリーダー、役員と大きくは三つのステージがあります。
一般的に総合職はチームリーダーに該当します。
貴社でもスペシャリストの段階では区別なく昇給・昇格の体系が作れると思います。
投稿日:2007/11/14 09:01 ID:QA-0010423
相談者より
斉藤様
早速のご解答ありがとうございました。
男女雇用機会均等法ついては私自身あまりその制定の背景をよく勉強しておりませんでしたので、お話をいただき大枠を理解できました。
弊社の職能体系ですと、スペシャリスト、チームリーダー、役員といった形だと職種が分けにくいのか、ゼネラリストとスペシャリストと分かれるようなイメージです。
営業系であればゼネラル、技術系であればスペシャルといった形で、そこで総合・一般といった職群を設けております。
投稿日:2007/11/14 15:52 ID:QA-0034178参考になった
プロフェッショナルからの回答
Re:人材マネジメント戦略の明確化が重要
早速ご返信くださり、ありがとうございました。
>一般職といっても職種は幅広く、事務で定型業務をこなすだけの者、企画で市場と顧客のリサーチする者、営業アシスタントで数字は持たない営業と同じ動きをする者など様々です。
就業状況など見ても、あきらかに営業系に属する部門にいると勤務時間が長く仕事も責任やスキル等が高く求められるため、不満はそのような部門から多く聞かれます。
本件問題の本質は、まさにここにお書き頂いているポイントにあると思われます。
つまり、「一般職・総合職」という端的な区分(※まして、実質男女別の区分)が、御社のビジネスに必要なキャリアスペックをカバーできなくなっている、ということと思われます。
この際、もう少し丁寧に、キャリアフレームを組み立てられるのがよいのではないかと思われます。
これを行うかどうかは、人材のリテンションにも、ひいては御社のビジネス戦略の進捗そのものにも影響が大きいと推察いたします。
スペシャリティに基づくキャリアマネジメントの仕組みである「プロフェッショナル資格制度」については、弊社WEBサイトでもご紹介しておりますので、ご参照いただければと存じます。
ご参考まで。
投稿日:2007/11/14 15:51 ID:QA-0010429
相談者より
田添様
早速のご返信、誠にありがとうございました。
ご助言いただいた通り、総合職・一般職のそれぞれのキャリアスペックを明らかにする必要がありますので、粘り強く分析を続けていこうと思います。
また、WEBサイトも拝見いたしました。
参考になるページがたくさん有り、これからもいろいろと活用させていただこうと思っております。
今回は相談にのっていただき誠にありがとうございました。
すぐに改革することが出来なくとも粘り強く対処していく所存でございます。
今後とも宜しくお願いいたします。
投稿日:2007/11/15 14:24 ID:QA-0034180大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き有難うございます。
貴方様は「組織管理に関わる部署におりますが、決裁権も無ければ全くの一般社員」とのことですね‥
となりますと、さすがに即制度改革に着手という訳にはいかないでしょうが、担当部署内にいらっしゃる限り、自身の考え・プランを練って上司に提言したり、会議の場で提唱されたりすることで制度見直しへのインパクトを与えることが出来るでしょう。
その際注意すべきことは制度上の細かい内容云々よりも、「会社にとって有効な人材活用が可能になる為の見直し」という主旨を明確にすることといえます。
一般社員ですと、当人の意図に関わらず、会社組織の為というよりは従業員としての処遇への不満から意見していると思われがちですので、誤解を招かない為にも、十分かつ客観的な現状分析の下で提言されることが重要でしょう。
万一それでも取り合ってもらえないとなれば、管理部署自体に問題ありといえますので対処は難しくなりますが、そうした場合でも他部署を含め賛同出来る方を募り、様々な局面で粘り強くアピールされることで組織を変えられる可能性もございます。
人事に関わる仕事は大変やりがいのある仕事であり、希望してもなかなか担当出来ない方も多いのが実情です。貴社の改善に向けての健闘を祈っております。
投稿日:2007/11/14 20:31 ID:QA-0010435
相談者より
服部様
再度コメントをいただき誠にありがとうございます。この問題を解決法を考えたときに、始めは解決法など自分の知識では思い浮かびませんでした。
でも服部様やその他の回答いただいた方の意見をお聞かせいただき、漠然とですが解決の糸口を見出すことが出来そうな気持ちにおります。
まずは、現状分析を十分に行い弊社の至らない点を探し出していこうと思います。
とかく、『人事に関わる仕事は大変やりがいのある仕事であり、希望してもなかなか担当出来ない方も多いのが実情です。』のお言葉は私にとっての大きな励みとなりました。
いろいろご協力いただきまして本当にありがとうございました。
今後とも宜しくお願いいたします。
投稿日:2007/11/15 14:40 ID:QA-0034182大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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