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ソフトバンクグループの人材育成戦略(後編)[前編を読む]
社内講師による研修実施の「効果・効用」
社内講師による研修を実施することで、どのような効果がありましたか。また、研修後の成果や受講者からの反応はいかがですか。
武田: 社内講師の起用は、研修の品質にも影響を与えています。「社内」ならではの部分が非常に大きいからです。講師は、研修で自分の経験やノウハウを教えます。当然、受講者からいろいろな意見や感想を聞くことになり、それが講師にインプットされます。講師はそれを現場に持ち帰って実践し、次の研修の機会にはそれを踏まえた上での新たな経験・ノウハウを伝えていくことができます。
一方、受講者も自分の意見・感想を述べることで、新たな気づきが生まれ、そこで得たものを自分の現場で生かそうとします。このように、講師と受講者が研修と現場を通して自分の「経験値」を上げ、それが自分自身のさらなる成長につながっていく。これはまさに、研修を通してPDCAが回っていく感覚です。自らの経験やノウハウを生かして仕事をしている人が研修を担当することの意味は、非常に大きいと思います。これが社内講師でなくては得ることのできない効果・効用です。
社内講師の方の年齢構成や職掌などによる特徴はありますか。
武田: 年齢層はとても幅広いですね。男女による差もあまりありません。職掌にしても、入社2年目の人がいる一方で執行役員の本部長もいるなど、多様なプロフィール・バックボーンを持った人材が講師を務めています。
島村: 「英会話レッスン」が研修プログラムとして導入する際に、多くの女性講師が認定されました。それまでは、男性講師が多かったのですが、これ以降、社内講師の男女比のバランスが良くなっていったように思います。
武田: 応募の際には、年齢や性別は特に見ません。あくまで、本人の経験・ノウハウと強い想いがあるかどうかに尽きます。実際、今は「英語力」や「統計力」にも力を入れていますが、内容によっては大学で専門性を高めてきた入社1~2年目の社員に講師になってもらうほうがいい場合もあります。
島村: もちろん、管理職を対象とした研修では、基本、講師は管理職が務めます。ただそれ以外の研修では、若いICIが年上の社員や役職者に教えるようなテーマの研修もあります。PC系の研修や語学関連のコースでは多いです。テーマによって、それにふさわしい人が講師になればいいと考えています。