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『労政時報』提携

企業は地震対策をどう見直したか (1/3ページ)

労政時報 photo

2011年3月11日の東日本大震災は未曽有の被害をもたらし、多くの企業は、従来の地震対策の不備に気付かされることとなりました。一方、各種報道によると、首都直下型地震や、南海トラフ地震の可能性が指摘されており、東日本大震災の経験を生かした地震対策のブラッシュアップが求められています。一般財団法人労務行政研究所(理事長:矢田敏雄)では、東日本大震災の経験を踏まえたその後の地震対策の見直しに焦点を当て、人事部門の対応を中心にアンケート調査を実施。本記事では、その中から「地震(災害)対策の見直し状況」「従業員の安否確認」「帰宅した従業員の報告ルール」について、取り上げます。

※『労政時報』は1930年に創刊。80年の歴史を重ねた人事・労務全般を網羅した専門情報誌です。ここでは、同誌記事の一部抜粋を掲載しています。

【 調査概要 】
調査名:「地震対策とその改定に関するアンケート」
調査対象:労務行政研究所ホームページ上で「WEB労政時報」に登録している民間企業から抽出した人事労務担当者5962人
調査期間:2012年7月24~27日
調査方法:WEBによるアンケート
集計対象:210人(1社1名)

東日本大震災後の反省会の開催

~トータルで66%が実施~

地震対策に限らず、大きな問題が発生した場合は、それに対して今後どのように改善していくか“反省会”(今後の改善のための話し合い)を持つことが肝要です。そこで、まず、こうした反省会の開催について調べました。

これによると、「(1)本社の関連部門で反省会を持った」とする企業が43.4%と多く、「(2)本社だけでなく、事業所ごとに反省会を持った」とする企業も22.4%あり、両者を合わせると65.9%の企業が反省会を開催していました。反省会は(1)も(2)も規模が大きい企業ほど、開催率が高くなっています。

一方、「(3)反省会は特に行っていない」とする企業は31.2%で、3割超の企業では、東日本大震災の経験を生かす話し合いの機会を明確には設けていませんでした。規模別に見ると、1000人以上17.9%、300~999人31.0%、300人未満43.1%となっており、規模が小さい企業ほど、こうした機会を持たなかったことが分かります。

繰り返しになりますが、大きな問題が発生した際は、その経験を生かし、今後の改善につなげるために話し合いの場を持ち、そこで挙がった問題点や対策案について取り組むことから始めるべきでしょう。

東日本大震災を受けて、会社として地震(災害)対策を見直したか

~「見直した」企業は88%に上る~

次に、実際に「東日本大震災を受けて、会社として地震(災害)対策を見直したか」を尋ねたところ、87.5%と9割近い企業が「(1)見直した」と答えました。

規模別に見ると、「見直した」企業は、1000人以上で91.2%と9割を超え、以下、300~999人88.2%、300人未満83.3%と、規模が小さくなるに従い、やや割合は下がっています。

なお、実際に見直した内容については、BCPの策定・見直しや、社内の備蓄物資の拡充、従業員の安否確認ルールの見直し、従業員の帰宅・待機の判断ルールの見直し――などが多く挙がりました。

【図表1】東日本大震災を受けて、会社として地震(災害)対策を見直したか

【図表1】東日本大震災を受けて、会社として地震(災害)対策を見直したか

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