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【ヨミ】ジンケンリスク 人権リスク

「人権リスク」とは、企業が事業活動を通して、労働者、消費者、地域住民といったステークホルダーの人権を、直接的あるいは間接的に侵害しかねないリスクのことです。よりコストの安い途上国への生産移転や国境を越えたサプライチェーンの拡大が加速する中、企業が配慮しなければならない人権問題は多様化・複雑化しています。人権団体の批判も厳しさを増し、児童労働や過重労働など人権を軽視した労働実態が発覚すれば、企業イメージを大きく損ないかねません。欧米より人権意識が希薄といわれる日本企業にとって、経営を揺るがしかねない人権リスクへの取り組みは喫緊の課題といえます。
(2014/2/17掲載)

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人権リスクのケーススタディ

企業の責任はサプライチェーン全体に
関心を集める人権デューデリジェンス

先進国の消費者が安くて質のいい製品を手にできるのはグローバル化の恩恵――しかしその裏で、生産現場の劣悪な労働環境を放置してきた企業の社会的責任が、厳しく問われ始めています。一つの契機となったのは、1997年に世界的なスポーツ用品メーカーの生産拠点で発覚した人権問題です。東南アジア各地の工場で、児童労働や低賃金・長時間労働が横行していた実態を国際NGOが告発、同社製品の不買運動や訴訟問題にまで発展しました。また昨年バングラデシュで縫製工場が崩落し、1000人以上の犠牲者が出た事故は記憶に新しいところですが、人命を軽視した危険な現場で作られていたのもやはり海外ブランドの衣料品でした。

日本企業も例外ではありません。近年、日本企業の海外子会社や委託先の生産現場でも、労働者の人権が脅かされているとして抗議行動が起こったり、NGOから批判を受けたりするケースが増えています。自社が直接、人権侵害を行わなくても、サプライチェーンの川上から川下までのどこかに問題があれば、結果的に人権侵害に“加担”したとして責任を問われるわけです。国連も、企業活動に起因する人権問題を改善する責任は企業の側にあるという指針を策定。企業には、グローバル化による成長の代償として、海外の取引先まで労働者の人権を守ることが求められているのです。

こうした中、企業が増大する「人権リスク」を特定し、防止し、トラブルに対処するためのしくみである「人権デューデリジェンス」への関心も高まっています。人権デューデリジェンスの考え方は、2008年に国連事務総長特別代表のジョン・ラギー氏がまとめた「人権の保護、尊重、救済の政策フレームワーク」において提唱されました。ラギー氏の定義によれば、人事デューデリジェンスとは、人権に関連する悪影響を認識し、防止、対処するために企業が実施すべきステップであり、そのプロセスは、人権に関する方針の策定、企業活動が人権にもたらす影響の評価、パフォーマンスの追跡や開示などによって構成されます。10年に発行された社会的責任に関する国際規格ISO 26000にも人権デューデリジェンスの考え方が大幅に取り入れられています。

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