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改正育児・介護休業法への対応アンケート
産後パパ育休中の就業を「認める」が47.1%、「認めない」が52.9%

労務行政研究所

改正育児・介護休業法への対応アンケート

民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(理事長:猪股 宏)は、2022年4月から段階的に施行されている改正育児・介護休業法(以下、改正法)への対応状況等について、2022年7月5~15日にアンケートを実施し、このほど、回答のあった364社の集計結果を取りまとめました。

調査結果のうち、改正ポイントである「妊娠・出産等の申し出に対する個別の制度周知・意向確認」「育児休業(以下、育休)を取得しやすい雇用環境整備」「産後パパ育休(出生時育児休業)」「男性の育休取得状況の公表予定」について、一部を抜粋して紹介します。

<調査結果のポイント>
  1. 妊娠・出産等の申し出に対する個別の制度周知・意向確認の方法(複数回答)
    「書面の交付」が59.1%で最多、次いで「対面での面談」が58.6%[図表1]
  2. 育休を取得しやすい雇用環境整備(複数回答)
    雇用環境整備として法改正前から実施していた措置は「育休に関する相談体制の整備」が60.6%で最も多い。改正後に新しく実施したものは「育休に関する制度と育休取得促進に関する方針の周知」が30.4%で最多[図表2]
  3. 産後パパ育休(出生時育児休業)
    同休業中の就業は47.1%が「認める」と回答。企業規模別では、1001人以上では「認めない」が6割台となる一方、300〜1000人、300人未満では「認める」の割合が高い[図表3]
  4. 男性の育休取得状況の公表予定
    1001人以上では、56.5%が2023年4月から公表する予定。1000人以下では「対応未定」が44.4%[図表4~5]

※本調査の詳細は、労務行政研究所編集の『労政時報』第4042号(22. 9.23)で紹介しています。

[1]妊娠・出産等の申し出に対する個別の制度周知・意向確認の方法[図表1]

改正法では、妊娠や出産等を申し出た社員に対して、個別の制度周知や意向確認(以下、周知等)を行うことが義務づけられた(2022年4月1日施行)。本アンケートでは、施行通達で挙げられている周知等の方法を参考に、どのように周知等を行っているか尋ねた。

「書面の交付」が59.1%で最も多く、次いで「対面での面談」が58.6%だった。規模別に見ると、1001人以上、300~1000人で「書面の交付」が最多だったのに対して、300人未満では「対面での面談」が70.9%で最も多く、「書面の交付」(48.5%)を22.4ポイント上回っている。

産業別に見ると、製造業では「書面の交付」が63.4%、非製造業では「対面での面談」が56.3%で最も多いが、いずれも二番手との差は3ポイント以内であり、周知等の方法は書面か面談のいずれかが主流となっていることが分かる。

[図表1]妊娠・出産等の申し出に対する個別の制度周知・意向確認の方法(複数回答)
[図表1]妊娠・出産等の申し出に対する個別の制度周知・意向確認の方法(複数回答)

[2]育休を取得しやすい雇用環境整備[図表2]

改正法では、育休の申し出が円滑に行われるようにするため、①雇用する労働者に対する育休に係る研修の実施、②育休に関する相談体制の整備、③雇用する労働者の育休の取得に関する事例の収集・提供、④雇用する労働者に対する育休に関する制度および育休の取得の促進に関する方針の周知――のいずれかの措置を講ずることが義務化された(2022年10月からは、産後パパ育休も義務化の対象となる)。

[図表2]では、法改正前後における雇用環境整備の実施状況について尋ねた(複数回答)。法改正前から実施していた取り組みとしては、「育休に関する相談体制の整備」が60.6%で最多となり、次いで、「育休に関する制度と育休取得促進に関する方針の周知」が40.8%、「社員の育休取得事例の収集・提供」が22.9%となった。

法改正後に新たに実施した取り組みとしては、「育休に関する制度と育休取得促進に関する方針の周知」が30.4%と最も多く、次いで、「育休に関する相談体制の整備」が26.8%、「育休に関する研修」が18.7%となった。

法改正前後における実施状況を足し合わせると、「育休に関する相談体制の整備」を行っている企業が87.4%と最も多く、「育休に関する制度と育休取得促進に関する方針の周知」が71.2%、「社員の育休取得事例の収集・提供」が38.0%で続く。

[図表2]法改正前後における雇用環境整備の実施状況(複数回答)
[図表2]法改正前後における雇用環境整備の実施状況(複数回答)

[3]産後パパ育休(出生時育児休業)[図表3]

2022年10月1日、改正法の目玉となる「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設される。既存の育休とは別に、子の出生後8週間以内に最大4週間まで取得することができる(4週間の範囲で2回までの分割取得も可能)。就業しつつ短時間の育休を取得できる仕組みとして、性別を問わず仕事と育児の両立をサポートする。

同休業中の就業には労使協定の締結が必要となるため、就業を認めるか否かの検討を既に進めている企業も多いだろう。本アンケート実施時点(2022年7月)では、「対応した」(就業を「認める」と「認めない」の合計)企業が56.0%で半数以上となっているものの、「対応未定/検討中」とする企業も44.0%あった。

「対応した」企業のうち、産後パパ育休中の就業を「認めない」が52.9%で、「認める」の47.1%を5.8ポイント上回った。規模別に見ると、1001人以上で62.9%が「認めない」とし、「認める」が37.1%だった。一方、300~1000人では「認める」が54.7%、300人未満では同54.9%となり、規模が小さくなるほど、産後パパ育休中の就業を「認める」企業の割合が高くなっている。

[図表3]産後パパ育休(出生時育児休業)中の就業への対応状況
[図表3]産後パパ育休(出生時育児休業)中の就業への対応状況

[4]男性の育休取得状況の公表予定[図表4~5]

2023年4月からは、1001人以上の事業主を対象に、男性の育休等の取得状況を年1回公表することが義務づけられる。そこで、本アンケートでは1001人以上と1000人以下に分けて、現時点での公表予定を尋ねた。

1001人以上では、56.5%が施行日である2023年4月から公表する予定としている。また、「既に公表している」が34.1%と、3分の1の企業は先行して取得状況を公表している。

一方、公表義務が課されない1000人以下では「対応未定」が44.4%で最も多く、「公表しない予定」が38.1%で続く。「既に公表している」は6.3%にとどまり、今後公表予定の企業(「2023年4月より前に公表する予定」「2023年4月から公表する予定」「公表する予定だが、時期は検討中」の合計)も、11.2%と少ない。

[図表4] 男性の育休取得状況の公表予定 (1,001人以上)
[図表4] 男性の育休取得状況の公表予定 (1,001人以上)
[図表5] 男性の育休取得状況の公表予定 (1,000人以下)
[図表5] 男性の育休取得状況の公表予定 (1,000人以下)
<調査・集計要領>
  1. 調査名
    「改正育児・介護休業法の対応アンケート」
  2. 調査対象
    『労政時報』定期購読者向けサイト「WEB労政時報」の登録者から抽出した人事労務担当者2万8603人
  3. 調査期間
    2022年7月5~15日
  4. 集計対象
    上記調査対象のうち、回答のあった364社(1社1人)。 企業の内訳は次のとおり。
    企業の内訳
  5. 調査項目一覧(『労政時報』第4042号-22. 9.23より)
    調査項目一覧
WEB労政時報

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(運営・発行:株式会社労務行政、編集:一般財団法人労務行政研究所)
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