【労働法超入門】男性の育児休業取得促進
労働新聞社
育児介護休業法等を改正する法律が、令和3年6月9日に公布されました。男性の育休取得促進(男女ともに仕事と育児の両立ができる環境整備)が目的です。施行日は次のとおりです。
【令和3年9月1日】
(1) 育休給付の支給要件(みなし被保険者期間の計算方法)の緩和
【令和4年4月1日】
(2) 職場環境整備・取得意向の確認を義務付け
(3) 有期雇用労働者の取得要件の緩和
【令和4年10月1日】
(4) 社会保険料免除要件の見直し
【令和4年10月1日予定】
(5) 「出生時育児休業」の創設
(6) 育児休業の分割取得(2回)
(7) 育休給付の規定整備(分割取得への対応等)
【令和5年4月1日】
(8) 育休の取得状況公表を義務付け(1000人超の企業)
本欄では、まず(1)をみてみましょう。
雇用保険の育児休業給付は、休業直前の2年間(無給の産休期間があるときはその期間を2年に上乗せ)に、みなし被保険者期間が12ヵ月以上あることが条件とされています。みなし被保険者期間は、「育児休業の開始日」からさかのぼって、1ヵ月ごとの期間を区切り、それぞれの1ヵ月の中に、賃金支払基礎日数11日以上(12ヵ月に満たないときは賃金支払基礎時間80時間)ある月を1ヵ月とカウントします。
ところが、女性の場合、育休の前に産休がはさまります。たとえば、育休開始日からさかのぼって、3ヵ月と20日前から産休がスタートしていたとしましょう。産休開始日が属する月は、勤務期間が10日しかない計算になります。これでは賃金支払基礎日数11日以上という条件を満たせません。こうした不利益を避けるため、育休開始日ではなく産休開始日を起点として、みなし被保険者期間を計算する特例が設けられたものです(この場合、産休直前の1ヵ月も、みなし被保険者期間1ヵ月とカウントされます)。
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