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【ヨミ】ホカツ 保活

「保活」とは、子どもを保育所(おもに認可保育所)に入れるために保護者が行う活動のことです。保育需要が保育所の定員数を上回り、都市部を中心に待機児童問題が深刻化するなか、最近では、入所選考で有利になるように自らの就労条件を変更したり、待機児童の少ない地域にわざわざ引っ越したりするなどの手を尽くす保護者も少なくありません。こうした行動を含め、情報収集や施設見学、入所申請など、保育所を探して入所させるまでの一連のプロセスを、就職先を探す「就活」や結婚相手を探す「婚活」になぞらえて、保活と呼びます。育児休業中の社員が予定通り職場復帰できるよう、厳しくなる一方の保活をサポートする企業も増えてきました。 (2015/1/22掲載)
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保活のケーススタディ

減らない待機児童、激化する保育所探し
企業の保活支援がスムーズな復職の鍵に

主に働く女性が育休などからの職場復帰に備えて、子どもの預け先を探す「保活」が厳しさを増しています。預け先となる保育所は、児童福祉法にもとづく認可を受けて設置された認可保育所(認可園)と、そうでない認可外保育所に二分されますが、公費が投入されている認可園は認可外に比べ保育料が安いうえ、国の厳しい設置基準を満たしているので設備・体制面とも充実。保護者にしてみれば、「何とか認可園に入れたい」と考えるのが当然でしょう。

育休制度の普及などを背景に出産後も働く女性が増加し、保育所の需要は高まり続けています。しかし一方で、認可園の施設や定員数は増えているものの、まだまだ追いついていないのが現状です。厚生労働省の調べによると、認可園に入りたくても入れない、いわゆる「待機児童」の数は 2014年時点で全国に2万1371人。6年連続で2万人台を突破し、待機児童解消は依然として進んでいません。

認可園に入所を希望する場合は、市区町村への申請が必要で、申込数が定員を上回った場合の選考の方法や基準も自治体によってそれぞれ決められています。最近の選考方法は「点数制」が主流。多くの自治体が、家庭での保育がより困難な児童を受け入れるため、保護者の就労状況や出産、疾病、介護など保育を要する理由を優先度に応じて点数化し、得点の高い順に入所させる手法を採っています。そのため、育休からの職場復帰を目指す人たちの保活もエスカレートせざるをえません。長時間労働に変更して点数を稼いだり、入所の難易度が比較的低い4月入所にあわせて育休を早めに切り上げたり、狭き門を突破するための親の負担は重くなる一方です。

こうした保活の厳しい実態を踏まえ、育休中の社員が予定通り復職できるよう、企業が社員の保育所探しをサポートする取り組みも始まっています。三井住友銀行では、女性が育休に入る前から研修や社内サイトなどで保活への取り組み方を指南。施設見学は出産前から始めるよう促すなど、どのタイミングで何をすればいいのかを積極的に啓発し、それでも預け先が決まらない場合は、子どもが2歳になるまで育休を延長できる制度を設けています。ダイキン工業では、保育サービス事業のマザーネットと提携し、保活を全面的にサポートする「保活コンシェルジュ」を13年12月から導入しました。入所できるまでフォローするという保活コンシェルジュのサービス利用は住友電気工業やエスビー食品、関西アーバン銀行、三井住友海上火災保険などにも拡大しています。

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