就活「後ろ倒し」の目的は達成できたのか?
関 夏海(せき・なつみ)
2016年3月卒業予定者の就職活動に関する調査(2015年10月1日状況)でも、同じように1日の活動時間を聞き、その平均の推移をまとめていますが、「学業・サークル・アルバイトに費やす時間」を分けて集計しています。これによると、「学業に費やす時間」は「4月1日」前までは減少しており、そこからは少しずつ増えていますが、「9月1日」に減少しています。「就職活動に費やす時間」は「4月1日」までは増加しており、そこからは横ばい傾向が続き、「9月1日」に減少しています。
2015年卒対象の調査と2016年卒対象の調査は、集計項目に含まれる要素の違いや、「1月末状況」「2月1日状況」といった集計時期にすこし違いがあります。そこで、集計項目をそろえて同時期の状況を比べました。
まず、「就職活動に費やす時間」について比較しました。次の図をみると、「4月1日状況」より前は15年卒のほうが多くの時間を就職活動に使い、「4月1日状況」を過ぎると16年卒のほうが多くなっています。16年卒の「就職活動に費やす時間」のピークが、15年卒よりも遅い時期になったことが分かります。「2月1日状況」・「3月1日状況」における「就職活動に費やす時間」の年度差は、2時間以上あります。
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