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いよいよ10月から施行!企業担当者が押さえておくべき
「年金一元化」の改正ポイント

社会保険労務士

高木 隆司

5. 配偶者の加入期間による加給の停止

(1)一元化前=それぞれ20年以上で停止

例えば、従業員が夫だとすると、その老齢厚生年金に加算される妻を対象とした加給年金額は、妻に公務員と会社員の経歴がある場合、一元化前はそれぞれの期間が20年未満であれば、合算して20年以上であっても支給停止されませんが、一元化後は支給停止されます。

【図5】公務員+会社員=20年以上で加給が停止される
【図5】公務員+会社員=20年以上で加給が停止される

老齢厚生年金の配偶者加給年金額は、配偶者が20年以上の公務員期間に基づく退職共済年金、または20年以上の会社員期間に基づく老齢厚生年金を受けることができるときは支給停止されます。

例えば、妻が8年の公務員期間に基づく退職共済年金と、13年の会社員期間に基づく老齢厚生年金という、合算して20年以上の年金を受給できたとしても、どちらも20年未満なので、夫(従業員)の老齢厚生年金の加給は支給停止されません。

(2)一元化後=合算して20年以上で停止

一元化後、この妻は、8年の公務員期間と13年の会社員期間に基づく、2つの老齢厚生年金を受給します。

一元化後の加給は、配偶者の公務員期間と会社員期間とを合算して20年以上ある場合、支給停止されます。この妻は合算して20年以上あるので、夫の老齢厚生年金の加給は支給停止です。

なお、女性は公務員期間に基づく年金と会社員期間に基づく年金の支給開始年齢が異なります。この妻の公務員期間に基づく年金が64歳支給、会社員期間に基づく年金が62歳支給だとすると、夫の年金の加給が停止されるのは、妻が64歳の時です。

また、この夫の年金の加給が一元化前から加算されている場合は、支給停止されません。配偶者の公務員と会社員の期間を合算して20年以上ある場合に加給が停止されるのは、一元化後に加算年齢に達する場合です。

加給が加算されるのか、されないのか、また、停止されるのか、されないのかは、従業員にとって大きな問題です。適切なアドバイスをするため、改正点を正しく理解したいものです。

『ビジネスガイド』は、昭和40年5月創刊の労働・社会保険の官庁手続、人事労務の法律実務を中心とした月刊誌(毎月10日発売)です。企業の総務・人事・労務担当者や社会保険労務士等を読者対象とし、労基法・労災保険・雇用保険・健康保険・公的年金にまつわる手続実務、助成金の改正内容と申請手続、法改正に対応した就業規則の見直し方、労働関係裁判例の実務への影響、人事・賃金制度の構築等について、最新かつ正確な情報をもとに解説しています。同誌のご協力により、2015年10月号の記事「いよいよ10月から施行!企業担当者が押さえておくべき「年金一元化」の改正ポイント」を掲載します。『ビジネスガイド』の詳細は、日本法令ホームページへ。

【執筆者略歴】 高木 隆司(たかぎ たかし)●社会保険労務士法人 年金相談サービス代表。社会保険労務士、1級FP技能士、1級DCプランナー。主な著書に、『パターン別 老齢年金の繰上げ・繰下げ徹底解説』『図解でわかる! 年金分割』『年金受給 生年月日別完全ガイド』(以上、日本法令)、『おいしい定年後の年金・保険・税金マニュアル』『共働き夫婦がトクする本』(以上、こう書房)など。東京(中日)新聞に『みんなで年金』連載中。東京・大阪・名古屋において年金研修を主催するほか、社労士会・金融機関・労働組合など各種団体のセミナー・研修講師としても活躍している。

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