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義肢装具士

失われた手足を修復し、なくした笑顔を取り戻す。
人の可能性を引き出す国家資格のものづくり

3月7日に開幕したソチ冬季パラリンピック。障がい者スポーツの祭典の舞台裏には、熱戦を陰で支える職人がいる。アスリートたちの義手や義足などをつくる、「義肢装具士」と呼ばれるプロフェッショナルだ。活躍の場はもちろんスポーツに限らない。事故や病気で体の一部を失った人たちを、決して平たんではない社会復帰への道のりの“伴走者”としてサポートすること――それが国家資格である義肢装具士の使命である。

確かな技術と医療知識で体を支え、心を救う

事故や病気などで、不幸にして体の一部に欠損や機能障害を負ってしまった人の喪失感は、健常者には計り知れないほど大きい。厚生労働大臣認定の国家資格である「義肢装具士」は、そうした人々のQOL(quality of life=クオリティー・オブ・ライフ)をものづくりの技術によって改善し、活動の可能性を広げることに特化した医療専門職である。義肢とは人工の手足、つまり義手や義指、義足のことで、装具とはコルセットやサポーターなど低下した身体機能を補う医療器具を指す。医師の処方をうけて、これらを設計・制作するのが義肢装具士の主な仕事である。

製品は、基本的にオーダーメイド。使用者一人ひとりの体型や症状、目的に適合した義肢・装具をつくるために、採寸・採型から組立、仕上げなどの工程を丁寧に進め、出来上がったら実際に使用者に装着してもらい、違和感がなくなるまで細かい調整を繰り返すのだ。装着後も医師やリハビリを担当する理学療法士などと連携しながら、利用者の社会復帰をサポート。ものづくりといっても、単に器具を作るだけでなく、正確な採寸からリハビリの支援にまでたずさわる。義肢装具士を名のって仕事をするためには、高度な技術と同時に、人間の体の構造やしくみに関する基本的な医療知識が求められるゆえんである。

器具をつくること、それ自体に資格は必要ないが、医療機関で使用者の体に直接触れて型を採ったり、相手が納得いくまで器具を調整して、適合させたりする行為は、国家資格を有する義肢装具士にしか認められていない。使用者一人ひとりとそこまで深く関わり、自分の技術でその人の可能性を引き出すきっかけを創り出すことができるのは、他の技術職やものづくりの仕事では味わえない、義肢装具士ならではのやりがいといえるだろう。手足を失い、自信までなくしてしまいがちな使用者を、体だけでなく、心から支えるのが義肢装具士の役割。だからこそ、使用者が少しでも笑顔を取り戻してくれることが何よりのエネルギーになる。

病院でのリハビリ支援からスポーツの現場まで

義肢装具士の活躍の舞台として一般的なのは、義肢・装具の使用者がリハビリを行う現場。病院やリハビリテーションセンターにおいて、医師や理学療法士などのスタッフと協力し、チーム医療に貢献する。ただし医療機関に所属、勤務するケースは少ない。使用者とやりとりしながら寸法を測り、でき上がった器具を適合させるのはリハビリの現場だが、実際に器具を作成する作業そのものは工場で行うため、主な就職先は各地の義肢装具製作会社やメーカーだ。その多くは従業員10~20人規模。分業化を進める大手メーカーもあるが、小さな製作所では通常、一人の義肢装具士が工程のすべてを担う。

就業スタイルは週休二日(土日休み)が基本で、受注した製品の納品スケジュールや作業の進捗状況によっては、残業・休日出勤も増えてくる。忙しさの度合いは、勤務先の規模や力を入れている製品・分野によってさまざまだ。

近年は、体に障がいを持つ人もスポーツやレクリエーションを積極的に楽しむようになってきた。それに伴い、生活用だけでなく、先端技術を活かしたスポーツ用の義肢・装具も開発が進んでいる。2020年東京オリンピック招致プレゼンテーションで、義足をつけたパラリンピック女子陸上選手(走幅跳び)の佐藤真海さんが見事なスピーチを行い、注目を浴びたのは記憶に新しい。三大会連続でパラリンピック出場を果たした、彼女のようなトップアスリートの活躍の陰にも、義肢装具士の献身的なサポートがある。選手たちのパフォーマンスを支えることが多くの障がい者を支え、元気づけることにもつながっていくからだ。

親身に粘り強く、人のためにとことん頑張れるか

義肢装具士になるにはものづくりが好きで手先が器用、医療知識も幅広く身につけていることが求められるが、それだけではこの仕事は務まらない。義肢・装具をつくる上で最も大切なのは使用者のニーズ。それを親身になって聞き出すコミュニケーション能力や、困っている相手の気持ちをくみ取る思いやりが足りなければ、一人ひとりに最適の器具を提供することは難しいだろう。体の一部を失うと心にも傷を負うため、人によっては、器具を装着してつらいリハビリをすることに後ろ向きになったり、日常生活に復帰すること自体をあきらめたりする場合もあるという。心を閉ざしがちな人にも粘り強く接し、相手のためにとことん頑張れるかどうか――そこが、義肢装具士としての適性を分ける最大のポイントだといわれる。

先述したように、義肢装具士として働くためには国家資格の取得が必要である。国家試験の合格率は毎年80%以上。数字だけ見ると難関ではないように思えるが、受験資格が設定され、受験者が限られているためで、「8割合格」はあくまでも目安と考えたほうがいい。近年は、受験者数が徐々に増えている。ちなみに12年は前年の223人より20人多い243人だった。

義肢装具士国家試験の受験資格を得るルートとしては、大きく次の三つがある。

1.高校卒業後、義肢装具士養成課程のある専門学校で3年以上学ぶ
2.大学、短大で1年以上学び、指定科目を履修したのちに養成施設で2年以上学ぶ
3.職業能力開発促進法に基づく技能検定に合格し、養成施設で1年以上学ぶ

全国で4500人以下、給与は高くないが需要増

義肢装具士は、専門性の高い技術職でありながら、給与などの待遇面では決して恵まれているとはいえないのが現状だ。勤務先の規模などによって差はあるが、年収は平均で300~500万円程度。初任給は20万円前後のところが多い。まだまだ業界全体のパイが小さいのが一因だが、一方で、体の機能より外見や容姿を追求し、目、鼻、指、乳房などを本物そっくりに再現する人工補正具のような新しい製品へのニーズも増えている。義肢装具士の活動領域はますます広がり続けているのだ。

傷ついた人たちが自信と明るさを取り戻し、前向きに行動できるようになれば、社会全体の活力にもつながるだろう。1987年に義肢装具士が国家資格と定められて四半世紀余、資格保有者は全国でまだ4500人にも満たない。必要な人材は明らかに不足している。

この仕事のポイント

やりがい義肢や装具の製作・メンテナンスを通して、使用者の社会復帰、スポーツやレクリエーションへの参加を後押しし、生きる喜びを見つけるサポートができる
就く方法高校卒業後、厚生労働大臣が定める養成施設を修了し、「義肢装具士法」に基づく国家試験に合格する
必要な適性・能力・幅広い医療知識、手先の器用さ、使用者の気持ちをくみ取れる思いやり
・使用者の状況をヒアリングし、医師や理学療法士などのスタッフと連携して円滑に仕事を進められるコミュニケーション能力
収入勤務先の規模などによっても異なるが、年収は平均で300~500万円程度。初任給は20万円前後のところが多い

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「人事辞典「HRペディア」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

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この記事ジャンル 中途採用

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