HRテクノロジー活用で本来業務に専念が可能になったが、仕事への要求度も上がる
HRテクノロジーを導入したことで自社の従業員にどのような変化があったのでしょうか。ここでは、回答項目を「ワーク・エンゲージメントの状態」「タスクやストレスの変化」などの観点に分けて見ていきます。
ワーク・エンゲージメントの状態に前向きな影響を与えている
ワーク・エンゲージメントの状態として捉えたのは「仕事への誇り・やりがい」「仕事への熱中度」「仕事への積極性」の3項目です。
「仕事への誇り・やりがい」は「大きく増えた」(1.6%)、「少し増えた」(17.5%)を合わせた割合が19.1%であるのに対して、「大きく減った」(0.0%)、「少し減った」(1.6%)を合わせた割合は1.6%と低くなっています。
「仕事への熱中度」でも「大きく増えた」(2.2%)、「少し増えた」(16.9%)を合わせた割合は19.1%、「大きく減った」(0.0%)、「少し減った」(1.6%)を合わせた割合は1.6%と低くなっています。
「仕事への積極性」においても「大きく増えた」(3.3%)、「少し増えた」(15.3%)を合わせた割合が18.6%であるのに対して、「大きく減った」(0.5%)、「少し減った」(1.6%)を合わせた割合は2.1%と低くなっています。
このことから、HRテクノロジーの導入によって、従業員のワーク・エンゲージメントの状態に前向きな影響を与えていることがわかります。
タスクやストレスの変化によって、仕事への要求度が上がってきた
タスクやストレスの変化として捉えたのは「本来業務への専念度」「繰り返しの作業」「複雑な問題への対処」「仕事の裁量」「仕事の要求度」の5項目です。
「本来業務への専念度」は「大きく増えた」(2.2%)、「少し増えた」(27.9%)を合わせた割合は30.1%と、5項目の中では最も高い割合となっています。「大きく減った」(0.5%)、「少し減った」(1.1%)を合わせた割合は1.6%でした。
「繰り返しの作業」では「大きく増えた」(0.5%)、「少し増えた」(3.3%)を合わせた割合は3.8%と低くなっています。一方、「大きく減った」(1.6%)、「少し減った」(34.4%)を合わせた割合は36.0%と、繰り返しの作業が減ったことがわかります。
「複雑な問題への対処」を見ると、「大きく増えた」(0.5%)、「少し増えた」(15.8%)を合わせた割合は16.3%となっています。「大きく減った」(0.5%)、「少し減った」(6.0%)を合わせた割合は6.5%でした。
「仕事の裁量」は「大きく増えた」(1.6%)、「少し増えた」(15.3%)を合わせた割合は16.9%でした。「大きく減った」と「少し減った」は共に0.0%でした。
「仕事の要求度」では「大きく増えた」(1.1%)、「少し増えた」(19.7%)を合わせた割合は20.8%となっています。「大きく減った」(0.0%)、「少し減った」(1.6%)を合わせた割合は1.6%と低くなっています。
これらの5項目の結果から、HRテクノロジーの導入によって繰り返しのタスクなどが減ったことで本来の業務に専念できるようになりましたが、仕事への要求度も上がったことがわかります。
実施時期 | 2021年3月11日~3月31日 |
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調査対象 | 『日本の人事部』正会員 |
調査方法 | Webサイト『日本の人事部』にて回答受付 |
回答数 | 3,091社、3,186人(のべ) |
質問数 | 168問 |
質問項目 | 1.戦略人事/2.採用/3.育成/4.制度・評価・賃金/5.ダイバーシティ/6.働き方/7.HRテクノロジー/8.注目の人事課題 |
出典:『日本の人事部 人事白書 2021』
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