女性活躍推進が成果を「上げている」企業は約半数
「上げていない」と答えた企業では、女性従業員の「昇進意欲」や「モチベーション向上」が課題
成果を「上げている」と答えた理由
1位は「結婚・出産をむかえても働き続ける女性従業員が増えた」(69.3%)
多くの企業が女性活躍推進に取り組んでいる。その成果については、「上げている」(8.9%)「どちらかといえば上げている」(36.6%)が合わせて45.5%と、半数近くが手ごたえを実感している。一方、「どちらかといえば上げていない」(15.4%)と「上げていない」(11.9%)の合計は27.3%だった。
では、成果を「上げている」と答えた企業と「上げていない」と答えた企業は、それぞれ「女性活躍の成功」をどのように定義しているのだろうか。まずは、成果を「上げている」「どちらかといえば上げている」と答えた企業に、どのような基準から女性活躍の取り組みが「成功した」と考えるかを聞いた。
最も多かったのは、「結婚・出産をむかえても働き続ける女性従業員が増えた」(69.3%)で、7割近い企業が挙げている。以下、「女性管理職比率が上がった」(52.0%)、「従業員に占める女性が増えた」(50.7%)、「女性従業員のモチベーションが高まった」(32.9%)が続いた。
従業員規模別に、最も多いものを見ると、1~100人で「従業員に占める女性が増えた」(61.1%)、101~500人や501~1000人、1001~5000人で「結婚・出産をむかえても働き続ける女性従業員が増えた」(それぞれ72.0%、62.5%、76.4%)、5001人以上で「女性管理職比率が上がった」(78.8%)となった。
一方、女性活躍推進の成果を「上げていない」「どちらかといえば上げていない」と答えた企業にも、どのような基準から取り組みが成功していないと考えるかを聞いた。最も多かったのは、「昇進に意欲的な女性従業員が増えていない(もしくは減った)」(60.7%)で、「女性従業員のモチベーションが変わっていない(もしくは下がった)」(56.3%)、「女性管理職比率が変わっていない(もしくは減った)」(53.3%)も過半数となった。
「女性活躍推進に向けた取り組みの成果が上がっている」と答えた企業が最も多く判断基準にあげた「結婚・出産をむかえても働き続ける女性従業員の割合」を挙げたのは、わずか17.0%。「成果」の基準をどこに置くかで、自社の女性活躍推進への評価は大きく変わっていることが分かる。結婚・出産をむかえた女性従業員の「就業継続」だけでなく、「モチベーション」や「昇進の意欲」向上を目指す企業では、まだまだ「成果が上がっていない」と感じていることがうかがえる。
実施時期 | 2018年4月2日~4月23日 |
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調査対象 | 『日本の人事部』正会員 |
調査方法 | Webサイト『日本の人事部』にて回答受付 |
回答数 | 4,630社、4,907人(のべ) |
質問数 | 184問 |
質問項目 | 1.戦略人事/2.採用/3.育成/4.制度・評価・賃金/5.ダイバーシティ/6.働き方/7.HRテクノロジー/8.新しい人事課題 |
出典:『日本の人事部 人事白書2018』
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