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【ヨミ】ジョセイカツヤクスイシンホウ 女性活躍推進法

「女性活躍推進法」とは、女性が活躍しやすい社会の実現を目指して作成された法律です。就業を希望しながらも、出産や育児などの事情が重なって就業できていない女性が多いことを背景に、2016年に施行。2019年5月29日に改正案が可決され、改めて注目を浴びています。ここでは「女性活躍推進法」の意義と、改正法の内容について解説します。

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1. 女性活躍推進法とは?女性が活躍しやすい社会へ!

2016年に施行された、女性活躍推進法。さらなる拡充を求めて2019年5月29日に改正されました。より女性が活躍しやすい環境づくりに向けて一歩前進というところですが、今後社会がどのように変わるのかは、人々の理解や行動にかかっています。ここでは、女性活躍推進法について、簡単に解説していきます。

女性活躍推進法とは?

女性活躍推進法は、女性が社会で活躍しやすい環境をつくることを目的とした法律で、女性の就業に関するさまざまなルールを定めています。正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」ですが、通常は「女性活躍推進法」と略して使われています。

法律にのっとって女性の活躍を応援している企業に「えるぼし」マークや、子育てを応援している企業に「くるみん」マークを政府が付与しているのも、この法律に基づいています。最近では、特に女性の活躍を応援している企業に、従来の「えるぼし」を超えた「プラチナえるぼし」を付与しようという動きがあり、注目を集めています。

女性活躍推進法の期待される効果 ~女性の管理職の割合の上昇~

現在、政府では「指導的地位に占める女性の割合を2020年までに30%とする」という目標を掲げています。しかし、2018年3月に東京都が発表した東京都内のデータによれば、課長職以上の女性の割合は8.6%で、30%にはほど遠いのが実状です。日本全体で見ても、13.2%ほどにとどまっています。女性活躍推進法では、女性が自らの意思によって仕事をし、個性と能力を十分に発揮できることが、これからの社会にはより重要になってくるととらえ、女性の割合が上昇していくことを期待しています。
国のおおまかな方針としては、主に次の三つがあるようです。政府の言葉では少し難しく書かれているため、正式な内容は注釈で示し、ここでは内容をわかりやすく説明していきます。

(1)採用や昇進が平等に行われること
(2)仕事と家庭が両立できる環境をつくること
(3)女性が仕事と家庭の両立を選べること

(1)採用や昇進が平等に行われること※

女性が管理職に就いている割合は、それほど多くありません。一方、現代の日本では女性の多くが男性と同様に大学などの高等教育期間に進学していることを踏まえると、管理職に就いている女性の割合が低いのは、深刻な問題だといえるでしょう。
その理由の一つとして、出産や育児といったライフステージの変化を挙げることができます。実際、約半数の女性が出産や育児を理由に離職するといわれています。しかし、女性にも継続して働き、自己実現のために努力する権利があります。

性別を問わず「採用や昇進が平等に行われること」は、従来の「女性はこうあるべきだ」という固定観念を排し、女性が働きやすい環境をつくっていくことを意味しています。

※「女性に対する採用、昇進等の機会の積極的な提供及びその活用と、性別による固定的役割分担等を反映した職場慣行がおよぼす影響への配慮が行われること」

(2)仕事と家庭が両立できる環境をつくること※

近年、「ワーク・ライフ・バランス」は職場の環境を変えるための代表的なキーワードになりつつあります。女性に限らず、男性もワーク・ライフ・バランスを大切にするというのが基本的な考えですが、女性が希望通りに会社で働くためには、まず出産や子育てと仕事を両立できるような労働環境が整わなければなりません。

「仕事と家庭が両立できる環境をつくること」は、現在の仕組みでは仕事と家庭を両立させることが困難なため、女性が社会で活躍できる労働環境を整えようという考え方を示しています。

※「職業生活と家庭生活との両立をはかるために必要な環境の整備により、職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立を可能にすること」

(3)女性が仕事と家庭の両立を選べること※

出産や子育てと仕事が両立できる労働環境が整ったとしても、働くことを強制しては意味がありません。

三つ目の「女性が仕事と家庭の両立を選べること」は、本人が希望した場合には、それが実現できる環境を整えようという考え方です。裏を返せば、現状ではそうなっていない、ということでもあります。

※「女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が尊重されるべきこと」

2. 女性活躍推進法が会社に与える効果~女性活躍推進法の具体的な内容~

まだまだ改善の余地はあるものの、女性活躍推進法によって日本は女性が社会でより活躍できる方向に向かっていると考えてよいでしょう。それでは、女性活躍推進法の具体的な内容や、その背景について見てみましょう。

女性の社会進出度?働く女性を取り巻く環境と女性活躍推進法の背景

女性の社会進出度をはかる数値として、よく取り上げられるのが「女性が管理職にどれだけ就いているのか」というデータです。現在、日本全体で女性が管理職に就いている割合は、上述したように13.2%ほど。また、東京都内に限った最新のデータでは、8.6%だとされています。

内閣府男女共同参画局が公開している国際比較データによると、日本よりも女性の就業割合が低いマレーシアでは20.3%。日本と同程度のシンガポールで34.2%ですので、日本の数値はかなり低いといえます。ちなみに、女性が管理職に就いている割合が一番高いのはフィリピンの49.0%。次いでアメリカの43.4%、スウェーデンの39.0%です。

現在求職していない女性の理由の内訳を見ると、「出産・育児」が35.6%と最も多く、次いで「適当な仕事がありそうにない」が26.8%となっています。この理由として考えられるのは、出産・育児と仕事を両立することが難しいという社会の現実です。

もともと非正規で働いていた女性の場合、産休や育休制度がないケースもあり、出産と同時に復職することが難しくなります。また、正社員であっても産休・育休どころか、有給も取りにくい職場の場合もあり、結果的に仕事に戻ることができないケースもあります。数年間職場を離れた場合、多くの会社では再び働くことが困難であることが、このような状況を作り出しています。

子どもの病気などで柔軟に休むことができない環境も、女性の復職や就業を妨げる原因になっています。子どもの体調に併せて早退や休みをとれる勤務体制がない場合、女性が復職するのは難しいといえるでしょう。このような環境は、男性が子育てに参加する機会も奪うことになっており、女性にも男性にも不幸な状態であるといえます。育児や家庭生活と仕事を両立できる制度を整え、女性の活躍できる社会にすることこそが、女性活躍推進法の役割です。

女性活躍推進法の基本的な内容~改正案について~

女性活躍推進法で定められているのは現在、次の三つが挙げられます。

(1)労働者が101人以上の事業主が女性の活躍しやすい職場づくりの「行動計画」を作成すること
(2)労働者が301人以上の事業主が女性の活躍しやすい職場づくりの「実績」を公表すること
(3)「えるぼし」「くるみん」「プラチナえるぼし」などの特定認定制度について

(1)労働者が101人以上の事業主が女性の活躍しやすい職場づくりの「行動計画」を作成すること

女性活躍推進法は、労働者が一定数以上の事業主を対象に、女性の活躍しやすい職場づくりの行動計画を作成することを義務付けています。この項目は、2019年5月29日に成立、6月5日に公布された改正法によって、それまでの労働者301人以上の事業主から、101人以上の事業主へと範囲が拡大されます(施行は公布3年以内の政令で定める日)。

行動計画を作成する上で、重要になるのが次の四つの段階を経ることです。内容について簡単に説明します。

  • 自社の女性の活躍に関する状況把握、課題分析
  • 状況把握、課題分析を踏まえた行動計画の策定、社内周知、公表
  • 行動計画を策定した旨の都道府県労働局への届出
  • 女性の活躍に関する情報の公表
  • 自社の女性の活躍に関する状況把握、課題分析

女性の活躍しやすい職場づくりの行動計画を立てるために重要なことは、まず現状を把握することです。女性が何人働いているのか、何に困っているのかなどを調査し、女性が活躍するのに障壁となっている課題を見つけます。

この調査を進めるにあたり、必ず把握すべき項目として「採用した労働者に占める女性労働者の割合」「男女の平均継続勤務年数の差異」「労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況」「管理職に占める女性労働者の割合」の四つが設けられています。

・状況把握、課題分析を踏まえた行動計画の策定、社内周知、公表
調査の結果を踏まえて、具体的な数値目標を立てて行動計画を作成します。数値目標は、「女性の採用比率を〇%以上にする」や「女性の管理職を〇%以上にする」など、具体的な内容にするとよいでしょう。
また、この行動計画には(a)計画期間、(b)数値目標、(c)取組内容、(d)取組の実施時期の四点を盛り込まなければなりません。計画期間はだいたい2~5年計画単位で書きます。行動計画の作成が済んだら、従業員への通知とともに外部に公開します。

・行動計画を策定した旨の都道府県労働局への届出
作成した行動計画は、管轄の都道府県労働局へ届け出をする必要があります。この届け出は、電子申請、郵送、または持参で行うことができます。

・女性の活躍に関する情報の公表
最後に、自社のWebサイトやパンフレット、求人広告などに掲載日とともに掲載して、公表します。

(2)労働者が301人以上の事業主が女性の活躍しやすい職場づくりの「実績」を公表すること

改正法では、女性が活躍しやすい職場づくりの実績を公表することが定められました。公表する実績は、以下の二つの区分からそれぞれ一つ以上の項目となっています。各項目の具体的な内容は以下の通りです。

・「職業生活に関する機会の提供に関する実績」
採用した労働者に占める女性労働者の割合
男女別の採用における競争倍率
労働者に占める女性労働者の割合
管理職に占める女性労働者の割合
係長級にある者に占める女性労働者の割合
役員に占める女性の割合
男女別の職種又は雇用形態の転換実績
男女別の再雇用又は中途採用の実績
・「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」
男女の平均継続勤務年数の差異
10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合
男女別の育児休業取得率
労働者の一月当たりの平均残業時間
雇用管理区分ごとの労働者の一月当たりの平均残業時間
有給休暇取得率

(3)「えるぼし」「くるみん」「プラチナえるぼし」などの特定認定制度について

「えるぼし」や「くるみん」は以前からありましたが、「プラチナえるぼし」(仮称)は今回の改正によって新たに創設される制度です。この最上級の「プラチナえるぼし」に認定された企業は、行動計画の策定義務が免除される利点があります。これに関しては、次の項目で詳しく解説しましょう。

「えるぼし」「くるみん」「プラチナえるぼし」「プラチナくるみん」とは

「えるぼし」や「くるみん」「プラチナえるぼし」「プラチナくるみん」とは、女性の活躍を推進している企業に付与される特定認定マークです。企業自身が申請することで得ることができます。

「えるぼし」と「くるみん」は、それぞれレベル1、レベル2と段階分けがされており、「えるぼし」には三つのレベルと「プラチナえるぼし」が、「くるみん」には「くるみん」と「プラチナくるみん」の二つのレベルがあります。簡単に解説すると、次のようになります。

「えるぼし」=女性の活躍を応援している企業に認定付与されるマーク
「くるみん」=子育てを応援している企業に認定付与されるマーク
「プラチナえるぼし」=「えるぼし」の中でもさらに女性の活躍を応援している企業に認定付与されるマーク
「プラチナくるみん」=「くるみん」の中でもさらに育てを応援している企業に認定付与されるマーク

今後の女性活躍推進法の改正案について

2019年5月29日に改正女性活躍推進法が成立した際、パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)も同時に成立しました。セクハラに対する罰則などの法的根拠は男女機会均等法に求めることができる一方で、パワハラ防止にはそのような法的根拠がなかったためです。

しかし、セクハラ・パワハラの基準や罰則の重さなどは、国際的な水準から見るとまだまだ甘いと言わざるを得ません。このような点を踏まえると、女性活躍推進法が今後さらに改正される場合、セクハラ・パワハラに対する罰則がより重くなっていくと考えられます。

3. 女性が活躍できる会社づくりに必要なこと

女性が社会でより活躍できるようになるためには、出産や育児を支援する制度が職場で整っていかなければなりません。少子化などの問題を考えると、早急に対処していかなければならない問題だといえるでしょう。女性が働きやすい社会を実現するための第一歩が、この女性活躍推進法です。

企業側としても、「えるぼし」「くるみん」「プラチナえるぼし」「プラチナくるみん」といった認定を取得することで、女性の活躍をはじめ、子育てに配慮していることを対外的にも周知でき、企業イメージや採用活動の際のアピールにもなるでしょう。

女性活躍推進法の試みは、まだまだ始まったばかりです。無意識的な不平等や、セクハラ・パワハラに関しても、今後取り締まりが厳しくなることが予想されます。経営層や人事は職場の環境改善に努めることが重要です。

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