男性の生理休暇制度策定の要否について
平素は大変参考にさせて頂いております。
さて、先般の均等・均衡待遇の最高裁判決を機に、社の様々な制度を精査しております。
その精査・検討の過程で出た、表記の件についてご見解賜りたく質問いたします。
【前提】
●当社では、「生理日の就業が著しく困難な女性」正社員から求めがあった場合は生理休暇(有給)を取得 できる。有期雇用社員については同様に生理休暇を取得できるが無給である。
●「就業困難」の度合いには個人差もあり、取得可能日数は特に定めていない。
●医師の診断書等の厳格な証明までは求めていない。これは、そのように定めることによって、制度利用に 躊躇することを懸念するものであって、基本的には本人申請(ごく稀に、同僚の証言程度の簡単な証明) に任せているのが実情である。
【男性の生理休暇策定について提案された主旨】
●現行の生理休暇は労基法第68条に基づいていることは分かるが、男性も、男性特有の更年期障害(LDO症 候群など)で『就業が著しく困難』なケースは十分考えられる。生理的現象による一時的な体調不良に基 づく休暇という意味で、そこに男女差があるのは、違法とまではいかないにせよ好ましい状態ではないの ではないか。
●もちろん女性の更年期障害についても同様の配慮が必要と考える。
●但し、現行の『原則として本人申請による』程度であると乱用の恐れもある。健康保険の傷病手当金の対 象とはならない範囲(継続3日以下)は生理休暇は取得可能であるが、もし当該生理的不調が継続4日以上 続くようであれば、「月経困難症」に準じて「生理困難症」とみなし、私傷病欠勤扱いとする。
●これらは正社員・非正規社員を問わず同一とする。
私も主旨としては、ある程度筋道があるものという認識はあります。ただ、あまりきっちりと決めるあまり、今後性善説的に適切に使用されていけばいいのですが、一部の不届き者によって、月3日の有給が担保されたという誤った認識が広がって濫用されかねないという危惧もあります。
そもそも、①考え方として成り立ちうるのか、②成り立ちうるとして実務対応で留意すべき点などお気づきの点がございましたらご教示頂けますと助かります。何卒よろしくお願いいたします。
投稿日:2020/10/26 10:43 ID:QA-0097805
- 着眼大局さん
- 静岡県/医療・福祉関連(企業規模 10001人以上)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、そもそも生理休暇につきましては、産前産後休暇と同様にその性質上女性のみに付与される休暇となります。勿論、その旨は法令条文の文言でも明示されています。
従いまして、男性の更年期障害をこれに準じるものとみなして同様の休暇対象とする措置については明らかに法定内容を逸脱したものですし、法的義務のある措置としまして成立する余地はないものといえるでしょう。
但し、会社で任意で提案されたような事由も休暇対象とされる事は可能ですので、そうした要望が多いようでしたら社内で検討されてもよいでしょう。
また、こうした事由については業務内容や負担軽重に起因するものではない為、正規・非正規で差を設ける措置に関しましては合理性に欠けるものといえますので、導入される際には区別されるべきでないといえるでしょう。
投稿日:2020/10/26 21:01 ID:QA-0097817
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「何でもあり」の世界での話としては有効
男性の生理休暇tとの呼称の是非は別として、社会的に、全く未成熟な課題です。考え方として成り立ちうるか否かは、議論が「何でもあり」の世界では、一概に否定できないといった処でしょう。
投稿日:2020/10/27 11:03 ID:QA-0097835
プロフェッショナルからの回答
対応
現時点では法整備が対応できていない内容であり、貴社が独自の判断で決めるしか無いでしょう。また女性でも個人差が激しく、何をもって困難と判定するかなど、きわめて難しい要素が含まれます。しかし貴社の経営方針で、そうした対応も含めて制度化するのは問題ありません。また濫用については普通の欠勤と同様に、制度があるのであれば認めるしかありません。現時点で該当症状を科学的に判定することは無理だと思いますので、その上での対応制度であることも含めて判断されるものではないでしょうか。
投稿日:2020/10/27 11:58 ID:QA-0097841
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